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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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119/160

119 IGYO対策室ブライトマン室長は龍愛神に討伐依頼をする

 IGYO対策室レナード ブライトマン室長は前回同様、複座戦闘機に乗り込み空中給油を受けながら厚木基地まで。すぐヘリで武蔵西南市へ移動。郊外のグランドに着陸。待っていた壱番国の車に乗り込みパトカーの先導で山城稲荷神社の階段下駐車場に到着。


 階段を登り2羽大きな鳥が止まる鳥居で一礼、境内は賑わっている。社殿で一礼。お賽銭を投げ入れ、神社脇の住宅へ。


 稲本夫人が迎えてくれる。

「こんにちは、レナードさん。どうぞお入りください」

「ご無沙汰しています」

「何もないことが何よりです」


 応接室に案内された。宗形マネージャーがいた。

 挨拶後、レナード室長が切り出す。


「急ぎで申し訳ないのですが、IGYOの討伐をお願いいたします」


「大統領が公式演説で龍愛の誹謗中傷を全世界に向けてしてくれましたね。邪神、邪教に頼り姑息な手段で退治と言っていたわね」


 これはだいぶ金額がいきそうだと室長は思った。


「まあいいわ。地獄の沙汰も金次第よ」

「賠償金一兆円でいかがでしょうか」


「それでいいわ。一兆円を100円一ドルで換算してドル支払いね」

 やっぱりしっかり取られた。宗形マネージャーはドルを円に換金すればだいぶ儲かるとレナード室長。


「IGYO討伐代はいかほどでしょうか」

「龍愛がMOABを使ったから怒っているのよね。MOABと類似爆弾は無効化された。今後作れば関わり合った全員が頭が破裂するかえらいこっちゃ踊りです。選択はさせてあげましょう」

「ありがとうございます」

 お礼を言ってしまった室長である。


「それで初穂料だけど、北の大国は、200メートル級の異形、一体5000億円。3体で一兆5000億円。小型異形はサービスだった。中心国は、500メートル級だから、一兆二千五百億円。細かい費用などはどうでもいいわね。大した金額ではない。そうそう。周りの人的物的被害はそちらもちよ」

 だいぶ取られそうだと室長。


「まあ賠償金をしっかりいただくから、標準初穂料でいいわ。一体一億円。今回は出張費、宿泊代はおまけ」

「安くしていただいてありがとうございます」


 龍愛が黒龍と黄龍と一緒に来た。

「あれレナード、なに?」

「名前を覚えていただいて感激です」

「信徒だからね。ところで宗形のお姉ちゃん、エスポーサ様から飲み物をもらってきたんだけど、飲んでみて」

 コップを差し出した。しょうがないと思いながら宗形が飲む。


「あれ、なんともないわね」

「甘かったわ」


「おかしいな。原液を飲ませたのに。ちぇ、老怪ローコー爺様と同じか。他の眷属には原液はよしておこう。踊り出すと可哀想だ」


 神毒だろう。飲んでもなんともない宗形さんはすでに半神なのではないかと半信半疑な室長である。


「そうだ。人間の代表として、レナード、飲んでみる?」

「結構です。遠慮いたします」


「エスポーサ様が神毒をたくさん作ったというからもらってきたんだけど」


「どのくらいいただいたんでしょうか」

「ドラム缶一本分ぐらい」


「何人分でしょうか」

「あれはね。実は人間には一滴でいいのよね。ただ見た目にわかりやすく水に一滴垂らしてコップ一杯の水にしている」


「数万人分?」

「そうみたいね。どうやって使おうかな。壱番国大統領には飲んでいただいたようだし。誰にしようかな」


「あの、実は今日伺ったのはIGYOの討伐依頼なのですが」

「宗形のお姉ちゃん、いくらにしたの?」

「損害賠償一兆円、討伐費用は標準初穂料で一体一億円」


「それでいいよ。MOABは使えなくして、作れば神毒か頭が爆ぜるようにしたし。いつ行くの?」

「夜の10時発。向こうは朝。ホーク龍とホーク愛で行く」


「ホーク龍とホーク愛とは?」

 初めて聞くレナード室長である。


「鳥居に止まっていたでしょう。鷲よ」

「なるほど。それでホークですか」

「そう。乗って行くでしょう?」

「・・・はい」


「誰をつれて行くの?」

 宗形マネージャーが答える。

「一兆円だからね。全員で行こう。ありがたみが違うでしょう。帰りはまたハワイで遊ぼう」


「レナードも来れば。たまにはみんなで遊ぼう」

 リューア様に誘われてしまったレナード。

「はい。ご一緒させていただきます」


 宗形が愛ホンを取り出した。

「みんな聞こえる。壱番国に討伐に行くよ。大統領演説の損害賠償を含め一兆と一億円だからそれらしくみんなで行こう。帰りはハワイで遊ぼう。レナードさんも一緒だ。今日の夜10時発、ホーク龍、ホーク愛で行く。後で黒龍か黄龍が迎えに行く。それじゃね」


「レナードさんはこの間の部屋で時間まで寝ているといいわ。少し早いけど夕食にしてしまおうか」

「ありがとうございます。お腹は空きました」


「それでは用意しましょうね」

 稲本夫人が食堂に向かう。稲本さんも社務所を閉めて戻ってきた。


 バングルに種類豊富、出来立ての美味しい食事が入っているから急な時はそれを出せばいいのでテーブルのセッティングなどだけである。


 メニューはレナードに合わせてメインは和牛のステーキである。

「これは美味しい肉ですね」


 稲本夫人が解説する。

「和牛ですから。壱番国ではあまり食べる機会がないかもしれませんね」


 食事が終わってお茶にして雑談である。

 レナードは眠そうだ。


「疲れているのならこのワンワン印のドリンクをあげようか」

 龍愛が小瓶を取り出した。


「いえ、疲れはありません。眠いだけです」

 レナード室長はあわてて部屋に逃げて行った。


「ちぇ、走り出すと面白かったのに。いつか飲ませてやろう」

 からかう相手がいてご機嫌の龍愛である。

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