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001 プロローグ

 地球に異形が出現した。人類の武器は全く通じない。

 地球の神は力が全くない幼女神だ。知り合いの遠い星の世界樹に助けを求めた。

 世界樹から2柱の神、ドラゴン2頭が派遣された。派遣された神は高校生、ドラゴンは小学生を演じながら幼女神を教育、手助けする。

 言うまでもありませんが現実の地球とは一切関係がありません。気になる方はパラレルワールドとでも思ってください。

*カクヨムにも掲載しています。


この作品は、下記の作品の続きです。お読みいただかなくても大丈夫と思います。


目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に

https://ncode.syosetu.com/n6431ig/


目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に ―新大陸編―

https://ncode.syosetu.com/n7120jm/

 踏切の音が聞こえる。

 カンカンカンと鳴っている。


 電車の音がする。ガタンゴトンと走っている。今はレールが長くなり、レールの繋ぎ目の処理も上手だ。ガタンゴトンは駅構内の線路が分岐する場所または急カーブなど限られている。それか不採算路線だ。


 電車の通過を待って列をなしている自転車、歩行者、バイク。オート三輪も待っている。街中か?

 満員電車が踏切を通過する。


 画面が変わった。

 バスが走っている。前が突き出たボンネットバスだ。車掌さんが乗っている。がま口の大きいようなものを首から下げて乗車賃をもらっている。左折する。方向指示器は棒のような物が車体から出る。車体に収まっていて腕を上げるように出て曲がる方向を示す。バス停が見える。何人か並んでいる。


 隕石が炎を引いて空を飛ぶ。


 目が覚めた。アカとジェナがじっとこちらを見ている。胸の上のお狐さんは僕の服をギュッと掴んでいる。ドラちゃんとドラニちゃんはいつもヘソ天でお腹の上で寝ているが今は起きて首をもたげて不安そうにこちらを見ている。


「大丈夫だよ。夢を見ただけだよ」

 『全く知らない場所。知らないものが一杯』

 お狐さんには見えたのか。


 『ジェナ、アーダ、お狐さん、マリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさん、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ティランママ、ティランサン、リン、熱帯号と雪原号、チルドレン、観察ちゃん、エチゼンヤ夫妻には見えた。眷属には全員見えた。アーダは見えたけど変な夢だと思っている。ゴードン、エルフのヴィーラント、リンダ、ユリアーナ、ローザリンデ、シルヴァーラ、シルヴァには見えた』

 アカがおっしゃっています。


 ゴードンさんに見えたのはほぼ眷属なのだろう。エルフは眷属ではないが実質的に眷属なのかもしれない。世界樹のエネルギーはないが、積み重ねた年齢と魔力が代替えしているのか。


 それでこの夢だがなんだろう。夢にしてはリアルだ。この星にはないものだらけだ。でも僕はそれが何だか知っている。


『シン、ちょっとお願い聞いてくれない』

 世界樹から頼み事など初めてだ。


『なんですか』

『シンとアカを引っ張って来た星の神から頼まれたんだけど』

『何を』

『向こうの星が大変なんだって』

『へえ』


『それでシンに手伝って欲しいんだって』

『何を』


『向こうの星に来てもらって退治してもらいたいものがいるんだって』

『来てって言われても行けないんじゃないか』


『あっちの星の神の親神様が転移を含めて出張一切を手配してくれるって。住むところも食事も生活全般向こう持ちだって』

『旅費、衣食住つきの出張か』

『そう』


『なんで頼んできたの?自分で出来ないの?』

『向こうの世界は物質文明が発展してしまって、即物的で、神も顕現できず、シン達のような神、眷属もいない』


『眷属がいないの?』

『怠け者の神だから眷属を作らなかった。地上のほとんどの人が神を信じてないから力がない。だから力を及ぼすこともできない』


『信じる人がいないの?』

『全くいないわけじゃない。ほとんどいない。宗教関係も神を妄想して組織を維持していた神聖教国や神の代理人を騙って儲けていたドンドコ教団と同じようなものよ。たまにほんとに神を信じている人がいるくらいね』


『そうなの。神なんだから自分でなんとかできないの?』

『あいつは屑で駄で怠惰で幼児退行女神なのよ。眷属を作ることもせず、星をほっといて、その結果人は神を畏れず、欲望に走って物質文明に突入して行った。その過程で神への信仰が薄れて行った。当然よね。幼女並みの神に成り下がってしまったのよ。その結果自分では何もできない』

『へえ』


『今になって恩着せがましいことを言ってくるのよ』

『はあ』


『シンとアカの魂を安売りしておまけでエネルギーもやったんだから、手伝ってもらうのは当然と言って来た』


『知り合いなんだ』

『まあね。あいつは上級神の娘で星を作る時のエネルギーを星二つ分もらったのよ。だから星一つ分エネルギーが余っていたから少しおまけでもらったのだけど覚えていたのよ。幼児退行したくせに』

 まだそんなに時間が経っていないからいくら幼児退行神だって覚えているだろうと思う。


『そういうわけで悪いけど行って来てくれる?エネルギーはほぼ星一つ分余っているからあいつの頼み事をしている時にエネルギーを使ったことにしてこっそり吸収してもらってくればいい』

『それって経費の水増し?』

『貸出利息よ』

『ああ、なるほど』

『絶対わからないから利息分を吸収して来てね』


『誰が行くの?』

『とりあえず、シンとアカ、ドラちゃん、ドラニちゃん、観察ちゃんかしら。こちらはエスポーサ、ステファニー、マリア、ローコー、エリザベスがいるから任せておけばいい』


『ジェナとアーダは?』

『様子がわかるまで出せないわね。熱帯号と雪原号の力を底上げしていればいいわ』


『僕とアカはあっちの星の出身らしいけど、行ってもいいの?』

『亡くなっているからね。問題ない。魂だけ幼児退行女神からもらったのよ。アカは先に亡くなっていてシンを待っていたの。シンをもらう時幼児退行女神だからアカに気が付かなくて、私が後であちらを覗いたら気がついたから数日遅れでこっちにアカを引っ張って来た』


『返せと言わないの?』

『もらう時対価として林檎をやったから取引はそこで終わり。完全に所有権は移転しているから出張で問題ないわ』


『林檎で釣れたんだ』

『あいつは信者がほとんどいないし、神としての力がないから林檎なんて食べたことがないのよ。ぐうたら寝てるだけの駄女神だからシンとアカの分の林檎二つで喜んでいた』


 なんだか世界樹が幼児退行女神を騙しているような気がしないでもない。これは行くようだな。


『いつから?期間は?』

『今からよ。なんだか知らないけど退治の目処がつくまで。終わったらさっさと帰って来て。二百人衆をはじめ神国の連中や神父や関係者には言っておくから』


『へえ、急だ。じゃあみんな行ってくるよ』

5月22日は5話投稿。以降毎日15時に投稿予定です。よろしくお願いします。

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