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第99話 修行開始

朝の日差しが眩しく、瞼を外側から照らす太陽の光。

眉間にシワを寄せながらゆっくりと瞼を開く。


「うっ、頭いてぇぇ」

「おはよう、信吾」

トワが隣りにいて朝の挨拶をする。


「完全に二日酔いだな信吾ちゃん、効くかわからないけど、自分で治癒魔法かけたら?」


頭がガンガンと響く中、吐き気も多少あるものの、トワの声がスッと入ってくる。


「そ、そうだな、イメージは、、確かアルコールを接種すると、同時にアセトアルデヒドが一緒に付いてくるんだったな、で、アルコールが抜けると同時に酔いが冷めて気持ち悪さの麻痺がなくなって行くんだけど、お酒の中の毒性のアセトアルデヒドってのが、抜けるのが遅くて、そいつが悪さするから二日酔い特有の気持ち悪さがあったり、頭が痛くなる原因とされているから、、、アセトアルデヒドを抜くイメージで治癒魔法をかけなきゃだな」


「朝からブツブツと、大変だな信吾ちゃんは」

半ば呆れながらトワが呟く。


「ふぅー、大分良くなった」

言いながら周りを見渡す。

「なん、だこりゃ、何が起きた?」


「アタイが説明しようか?どうやら信吾ちゃんは覚えてなさそうだから」


トワが言う。


周りを見るとグラスやら皿、箸やフォークなど、所々に散乱している。何より驚愕なのは空になった酒の瓶やら缶がとんでもない数ある事だ。

おそらくは繁忙期の居酒屋以上の酒の量だ。


「こんなに出したっけ?俺」


「アタイが出したんだ。北海道やら新潟行った時にお酒があるお店片っ端から収納袋に入れてたヤツだよ」


「あぁ、なるほど、で、、確かクモスケが雄也に絡んでから記憶が飛んでるんだよな、その後の事教えてもらってもいいか?いや、やめとくか、あまり聞きたくないのは気のせいか、、」


信吾が考えてる横で説明しだすトワ。


「昨日は面白かったなぁー、こういう宴会とかって久しぶりだったし、アタイは大好きなんだよねぇー、特に信吾ちゃんが寝ちゃった後は、雄也がこっちに来て文句言ってたんだよ、誰だクモスケさんに飲ませたのはーとか、何とかしてーとか言って逃げて行ったんだ、それからクーちゃんは寝てる信吾にベッタリで、ボクも信吾守るんだーとか、恩返しするんだーとか言ったと思ったら寝ちゃうし、、その後はもうグダグダで、皆各々その場で寝ちゃったり、シラフ組は残った食べ物や、バーベキューの片付けをしてたよ」


トワの説明に隣を見て納得する信吾。

隣にはクモスケが無防備に気持ち良さそうに寝ていた。


「蜘蛛の恩返しか」

と一言。


その内、糸で編んだ何かをプレゼントしてくれるのかな?なんて思いながら朝の身支度をする為に動き出す。


「ありがとな、トワ。お疲れだったな」

「うん?何が?」

と聞き返すトワ。

「この有り様見てわかるように、トワはあんまり寝てないんじゃないか?それにしっかりと最後まで皆を見守ってくれてたみたいだしな」

ポンと肩を軽く叩く。


「あー、まあ、、」

少し照れながらも信吾のお礼を受け取る。


「わかるぞ、飲み会の後って、皆潰れちゃうと誰かがしっかりしてないと収集つかなくなるし、何かあったら大変だから気を使うんだよな、うん」


「まぁ、それは仕方ないでしょ」

トワが言うと信吾は更に続ける


「さすがだな姉さんは、大体そんなのが面倒で酔ったフリするやつとか現れるけど、、ほんと大変なんだよね、リバースするやつがいたり、脱ぎだすやつとか、たまーに自傷行為するやつも出てくるから困りもんだよな、、」


「ふふっ、あたいはそれ有りきで楽しんでるから大丈夫大丈夫」


そんな話しをしていたら続々と起きてくる面々。


二日酔いは信吾が治してあげて、そうでない者は残った後片付けをやり始める。案の定雄也が文句を言ってきたが、ある程度相手をしてスルーをする。


クモスケは何事もなかったかのようにケロッとしている。


その後日課のトレーニングをやり、簡易のシャワーを魔法で用意して浴びる。そして、一応朝ご飯とする。


昨日の宴会であまり食欲が湧かない信吾は、さっぱりとしたものを中心に少しだけ口にする。


皆もそんな感じだ。


それから各々自分の仕事場に出かけていった。

果樹園や畑などが殆ど。そして木を伐採して開拓したりと、本格的に町でも作れちゃうんじゃないかってくらい活気づいている。


そして信吾はサリオン達の小屋にいた。

エルフ達4人と、妖怪を代表して雪女と隠れ婆がいる。


「改めてイズナと志保と雄也を頼む」

信吾が言う。


今後の事を話し合うために会合を開いた信吾は、別れて何をするか、目的は何か、各々の目標点、等を事細かに説明した。


「まあ、ちょいちょいここには戻ってくるつもりだから、またその時にでも近況報告頼むよ、その様子でイズナがこちらに来るか来ないかを判断したいからさ」


信吾の言葉に何も聞いてなかったイズナが反論する


「えっ?どういう事?オイラも一緒に行くって言ったはずだけど?」

首を傾げるイズナ、その横であっ!しまった!といった顔をするトワ、


「ちょっ、まさかトワの姉さんまだイズナに言ってなかったの?」

「うぅぅ、、忘れてた、ごめん」


イズナの件はトワが納得した後に事情を説明しておくとトワが言ったのだ。

それを忘れていたということだ。


その後、滾々と説明しだすトワにやはり渋々納得したイズナがいた。

渋々なのは言い忘れていた事にである。

しかし信吾の言い分も理解できた為に表向きは渋々である。


「うん、少しの間離れるけど、保護者としてイズナには志保と、ついでに雄也を見守ってくれ」


「ちょっと!ついでってなんすかっ!」


軽く信吾が言った事にすぐさま突っ込む雄也。

苦笑いをしながらも頷いていたイズナであった。


それからまた1日が過ぎて、今までの旅の疲れを癒やしつつ、暫しの休息をとった。

信吾達三人の出発は次の日となる。

前日には出発の為の準備を済ませて置くことにする。


準備と言ってもさほど必要としないが、妖怪達があれよこれよと果物やら野菜やら穀物やらを渡してくる。

信吾は有り難く頂いてお礼をする。

お礼は様々な種である。


このエルフと妖怪の村(仮り)の作物の成長の異常さに疑問を抱いた信吾は海女に聞いたところ、実はサリオン達エルフが関係しているらしい。

聞いたところによると、エルフは植物魔法で植物を成長させることが出来るらしく、魔力次第では何年もかかるであろう木なども尋常ではない速さで成長させることが出来るらしい。

この説明で納得した信吾は


「エルフThe Next Door。隣のエルフといったところか、傘でもプレゼントしとくか」

と小声で呟いた。


           ***


そして次の日。

あっという間に出発の時間となる。


「ほんじゃ、ま、お互い頑張りましょう」

軽く信吾が言うとイズナが返す。

「こっちは心配いらないから、そっちも頑張れよ」


お互い軽く挨拶して、手を振りながら空間転移を行使する信吾。


「あっさりと消えてったな」

「そうね、私達も頑張りましょ」

「ですね~」

イズナ、志保、雄也がそれぞれ口にする。


「じゃ、早速なんだけどオイラは志保と魔法を習ってくるけど雄也はどうする?」

イズナが雄也に聞く。


「自分はこの姿のままで底上げをしろって信吾さんに言われたんです、だから筋トレですかね、ひたすら」


「うん?ダイエットか?」


「いや、逆ですね、体重は増えます。信吾さんはこの贅肉が勿体ないから全部筋肉に変えろって」


「なるほどね、わかった」

そういって納得したイズナは、近くにはいるが別れて行動することにした。


早速志保は魔法を教わるためにマンマゴルの元へと向かう。


信吾と同じ様に、詠唱からの短縮詠唱、それからイメージしては無詠唱をすぐに習得した。


それから数日かけて火、水、風、土と順調に覚えて行く志保。

微妙だが、雷魔法も多少撃てるようになったが、すぐに魔力枯渇で倒れてしまう為、極力撃たないようにと決めた。倒れてしまうと数日と目を覚まさなかった時があった。

それを心配したイズナが雷魔法は撃たないようにと言及した。

多少の静電気程度なら、と妥協してそれだけ許可した。

志保はそれをスマホの充電位にとどめた。


この雷魔法に関しては信吾と違い魔力量が違いすぎて信吾は軽く撃ってるように見えるが、実のところ相当の魔力を使用している。

これを同じ様に行使すると回復するのに数日がかかってしまうということである。


更に志保は重力魔法や、空間魔法を行使しようとするが全く出来なかった。

それもそうだ。

まずは魔力量が足りてなさすぎるのと、なにより重力と空間というものを理解していない志保は当然行使する事は出来ない。


これに関しては信吾はよーく理解していた部分もあり、解明されていない点も自分なりに解釈、持論でオリジナリティを出していた。


それから更に数日が経ち、志保はひたすら基本の属性魔法を行使しては枯渇させ、魔力量の底上げをする。


次に属性の無い魔法として、身体強化で体術も習得していく。しかしこれは上手くいかずイズナと試行錯誤しつつ結果的にはイズナが憑依した上で身体強化をするのが一番効果的であった。


そして更に2ヶ月が過ぎた。

信吾からの助言もあり確実に魔法が上達している志保。


魔力量も上り次に障壁魔法を覚える。魔法障壁と物理障壁それぞれを習得した。

そして最後に治癒魔法を練習する。が、上達はせずに多少の傷を治す程度となる。


これは練習する事ができないのと、信吾と違い人体の構造を知らないからである。一般の人はある程度は医療等の知識はあるが、あくまでも一般的である、

しかし信吾は興味があったのもあるが、若い頃法医学を勉強していたことが関係していた。

実際にはある法医学者が好きで、尊敬し、この人みたいになりたいと、その人の著書を多数読んでいた事で知識を得たのが殆どである。


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