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第71話 トワと永遠に

「で、本題なんだけど、、」

クモスケに促されて信吾が本題を切り出すが、歯切れが悪い。

「えっと、本題ってなんだっけ?」

フォルガイムが手を額に当てて後ろにのけぞる。

「確かドラゴン同士の喧嘩を止めに来たんじゃなかったっけ?」

「おお、そうだったそうだった!」

信吾が思い出したように龍に向かってまた話しかける

「ドラゴン同士の喧嘩を止めに来たんだけど、、ってかなんで喧嘩してるの?」

「えっ?えっ?うーんと、、あっそうだよ!あいつらちょームカつくんだよ!ちょームカつく!一方的に上から目線で話しを終わらせやがって!挙句の果てに攻撃してきやがったの!話しにもならない!」


「ん?どこかで聞いたようなセリフですね?」

「信吾と同じ事言ってる」

「あぁ、確かに昨日俺がいったセリフだな」

「信吾と似てるな、気が合うわけだ」


「あぁ、わかるぞその気持ち、あいつら問答無用で攻撃してきて話もできないんだよな、俺もやられてムカついたよ」

「でしょ!でしょ!だからやっつけちゃおうか迷ってたんだよね」

「だよな?シメちゃうか?」

「いやいや、ダメでしょ!それを止めに来たんだから」

「あ、そっか、ところで龍のねぇちゃん、あいつらと話って何を話すつもりだったんだ?そもそもなんでここにいる?ここは日本じゃないぞ?」


「あそっか、アタイの事まだ話してなかったね、アタイはあいつらの卵から生まれたの」

「は?」

「えっ?」

「だって伝説の、、、」

「うん、訳ありでね、実は結界が壊されて後は妖気を溜めて出るだけだったんだけど、どうも集まり難くて数十年かかる遅さだったの、それで魂だけ抜け出して依代っていうか、アタイの魂が入れる器を探してたら、たまたま運良くあったのがあいつらの卵ってわけ、で力を溜めるのだけのエネルギーが卵にあってそれを吸収して孵化したの」

「だから姿形が違うって事か」


「そういうこと。それで生まれたはいいけどあいつら姿が全然違うから悪魔の子だー忌み子だー、みたいな事言ってご飯くれなかったの、アタイもお腹空いてたから説得しようと、お父さんお母さーんって言って甘えてご飯食べよう作戦を決行したの、そしたらブレスうってきた。酷くなーい?ムカついたからアタイもちょっと暴れたら地面が揺れてマグマが活発になっちゃった、てへ」

「てへじゃないよ!マグマは大丈夫なのかよ」

「うん、落ち着いたみたい」

「ならいいけど」

信吾がホッとして息を吐いた。


「だからどうしようか困ってたの」

少し逡巡した後に信吾が切り出す


「なら俺達と一緒に来るか?すぐに怒って暴れたりしなければだけど」

「えっ?いいの?」

「あぁ、皆もいいだろ?」

皆の方を向くと全員笑顔で頷いている

イズナは引きつっているが、、

「じゃあ今日、今からお前は俺達の仲間だ。よろしくな」

「あ、ありがとう、、ありがとう、アタイめっちゃ嬉しい、、今までずっとひとりだったから、、、」

信吾の言葉に感動して目をウルウルさせている。

「うん、名前決めたよ、今からお前はトワだ」

「トワ、、、」

名前をもらったトワは目を瞑り上を向く。喜びを噛み締めているように見えた。


「信吾さんにしてはまともなネーミングですね」

「なんでトワにしたの?」

フォルガイムと、クモスケが信吾に問う


「ん?えっと、こいつは日本の誕生と同じ頃生まれたんだろ?そして今まで、さらにこれからの未来。未来永劫、永遠に俺達の仲間って意味」


信吾が言い終わると突然トワが光り出した

光ったトワはグングン小さくなっていき人の姿になった。

「うえっ?えっーー!これってまさか?」

「まさかの?」

「名前をつけたから何か異変が起きて人の姿になったとか?」

「パワーアップですかね?」


やがて光が収まりトワが目を開ける

「うん、違うよ、アタイは元々人の姿にはなれるよ」

「違うんかーい!」

「紛らわしいな」

トワの見た目は二十歳くらいの外見で、格好はギャルっぽい服装、金髪で少し巻いてある。上品で決していやみったらしくなく自然体である。


「そりゃそうでしょ、名前を付けたからってパワーアップなんてあるわけがない、あったらその代償として名付けた側に何らかの負荷がかかるのがセオリーでしょ?アタイに名付けてパワーアップするなら相当なエネルギーがいるでしょうし。となると、名付けで命を落とす人間もいるかもしれないって考えれば簡単には出来なくなる。ってことは、名無しがいっぱいいることになる。でも名無しはいない、てことはやっぱり名付けにパワーアップ要素はないって言えるよね」

「なるほどな、それもそうか」


信吾は当たり障りのない返答をしたが、名付けた瞬間ごっそり魔力を持ってかれたのがわかった。しかし本人も気付いて無く違和感もなさそうなので、特に言及することはなかった。



「そもそもアタイのことを誰も見たことがないって時点でなんかしらあるんじゃないのか?とかって思いなさいよ、あんなでかい姿で見つからないわけないじゃない」

「いや、透明になれたりするから見つからないとか?」

「残念ながら透明にはなれないねぇ」

「なるほどな。でもさ、今ギャルっぽい格好と姿だけど、他にも色んな姿に変身もできるのか?」

「うん、基本は女だけど、男も出来ない事はないよ、ただし詳しい部分まではムリだけどね、、、筋肉とかなら簡単だけど、アレは見ただけじゃ難しいからねぇ、、ちょっと信吾ちゃん触らせてもらっていいかな?」

トワは信吾の股間を凝視して指を指す


「アホか!こんなとこで出せるかっ!」

「おっと?こんなとこでってことは、ここじゃなきゃオッケー?」

「信吾の何を見るの?」

クモスケが参戦した。

「どどど、どうした?わわわ私にも見せてもらおうか?フンフンッ」

ほんのり赤くなった5号も参戦。

イズナは何故か距離を取った。


「お前らバカな事言ってないで、まだお互いよくわからない同士なんだから自己紹介でもしろって」

「あっ、そういえばクモちゃんだっけ、それはアラクネ?進化したってこと?もしそうなら相当な確率らしいからビックリだよ?」


「そう、アラクネさんが手伝ってくれて、進化したの。そのとき一緒に信吾の子供もお腹に宿った」

クモスケがニコッと微笑んだ


「「えっ?そういう関係なの?」」

トワと5号がハモった。そして二人は信吾を見た


「いや、、違う違う違う そうじゃ、そうじゃなーい」

信吾は空間収納から取り出したサングラスをかけて言った。

「‥‥」

トワ、クモスケ、5号は無反応

「信吾さん、自分はそれ知ってますからいいですけど、知らない人が見たらサングラスかけて目が泳ぐのを隠してるって取られますよ」

フォルガイムの突っ込みでやり場のない思いは解消された

一応5号とトワにはクモスケの子供事情を説明して納得してもらった。


「ところで、5号?は生気が感じられないんだけど、ロボットかなんか?」

「アンドロイドってとこだな最新式のAIだ」

「なるほどねー」

5号の周りをグルグル回りながらじっくり観察するトワ

「こんなことも出来るぞ」

5号が信吾にくっつき鎧と剣となった。

「ちょーすごーい!なんかペガサスなんちゃら拳とか出来そうじゃん!」

「なんちゃらじゃない、覚えてないなら言うな。ってか5号も戻れ戻れ」

信吾が言うとすぐに戻った5号。少し残念そうにしている。


「ちょっといいか?」

和気あいあいとしている信吾達を見てイズナが言う

「どうした?イズナ?」

「あぁ、話の途中悪いな、志保がお前達と話しがしたいらしいが、いいか?」

イズナの言葉に皆が温かい目で微笑んだ。

「勿論だ、志保も一緒に・・・」


信吾が言い終わる前にイズナに何かが飛んできた

ドスンッと音と共にイズナが吹っ飛び岩に叩きつけられた。叩きつけられたイズナは気を失ってピクピクと痙攣している。投げられたのはバスケットボールぐらいの大きさの岩石だった。

飛んできた方を向くとドラゴン投げたようだ。

「5号!イズナを頼む」

「わかった!」

すぐにイズナのところに向かう5号。と同時にクモスケとフォルガイムがドラゴンに飛び掛かっていた。

フォルガイムは大剣を振り上げて高くジャンプ、クモスケはドラゴンの首目掛けて鎌状の後ろ足を横薙ぎに振るう、

「ガキンッ」

と音がしてクモスケの攻撃が漆黒の鱗に阻まれる。

続けて高く跳んだフォルガイムがドラゴンの頭を上から一刀両断するかのごとく振るう。

「ガキンッ」

と、こちらも漆黒の鱗に阻まれて全く通用しない。

ドラゴンの尾が動くのを捉えた信吾が、声を張り上げる

「クモスケ!フォルガイム!戻れ!」

少し遅かったのかドラゴンの尾がクモスケを捉える。

信吾がマズいと思うやいなや、当たる直前で尾は上に弾かれた。トワが尾を蹴り上げてクモスケを守った。


信吾の声を聞いた二人はすぐに戻ってきて信吾の前に立つ。

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