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第69話 ドラゴンとの対話

 信吾達と志保イズナを乗せた空飛ぶ絨毯は猛スピードでアメリカのロッキー山脈に向かう。

 アメリカの大陸まで飛行機で大体十時間前後で距離はおおよそ1万キロメートル、故に飛行機(旅客機)の速度は時速役千キロ弱。実際は約九百キロと言われている。


 信吾は魔力を多めに放出してスピードを上げ、一時間が少し過ぎた頃、何やら光の柱が見える。UFOが分かりやすく光の柱を空に放っていると思われる。


 北海道から飛び立ち約一時間と少しで着いたということは単純に考えても時速1万キロは出ていたという計算になる。音速を軽く超えている。だが信吾、クモスケ、フォルガイムの本気の瞬間トップスピードも軽く音速を超えている。ちなみに音速は温度によっても若干異なるが、時速約1225キロ。すれ違う鳥や、絨毯の魔法の障壁にぶつかる鳥等も信吾達三人はしっかりと見えていた。さすがに三人も時速1万キロは出せないが目が追いついているのでいずれは出せるのではないだろうか。


「あそこだな、地図だとどうなってる?フォルガイム」

「そうですね、えっと、ロングス山?ですかね、富士山より高いらしいですね、大丈夫ですかね?高山病とか」

「さあ?でもテッペンじゃなさそうだぞ?中腹あたりか?」

「うわっ!凄いですね!木がある所から上はゴツゴツした岩ばっかりですね」

「そりゃそうだろ、過酷な環境では木なんか生きていけないだろ、あるのは環境に適応した草ぐらいなもんじゃないか」


 信吾はスピードを落として近づいて行く。

 光の場所に近づいて行くに連れてドラゴンの全貌が明らかになった。

 こちらから近いドラゴンはまさに西洋のドラゴンといった姿で、恐竜の様な顔と漆黒の鱗をまとい大きな翼が背中に生えていて後ろ足が太く前足には鋭い爪が生えている。見ただけでその威圧感に押されて震えが全身を駆け抜ける。そんなドラゴンが5匹もいる。


 一方敵対していると思われる姿形が違うドラゴンは一匹だが、なんとも美しい雰囲気をまとった東洋の龍だった。顔は長く、口元には長いヒゲのようなものが二本生えている。頭に二本の角があり。胴体がとても長くこちらも立派な漆黒の鱗を持っている。前足と後ろ足は短いが鋭い爪が生えている。

 そして今の状態は何故か寝ているようだった。


 信吾達はUFOに近づき話しを聞くことにする。

 UFOは信吾達が来たのが分かったのか光の柱を消して、今度は信吾達にその光を当てた。

 すると光に吸い込まれるようにUFOの中へと吸い込まれた。


 UFOの中に入った信吾達は絨毯を降りるとトゥトゥナの部下と思わしき人物が操縦席に座っていた。近づいていくとゆっくりと立ち上がりこちらを向いた。


「初めまして信吾さん。私はトゥトゥナ様の部下、シュメール族のウトゥと申します、こんな老いぼれ故にお力沿いになれずに申し訳ない」


 信吾はウトゥの言葉に一礼をしてから、簡単な自己紹介と仲間を紹介した。

 全員が一礼をして一呼吸おいた。

「早速ですけど、今ってどんな状況ですか?見た感じ龍は寝ている様にも思えるんですが?」

「そうですな、私も一触即発なところに出くわして、チョロチョロと高速で動き回り、なんとか気をそらしていましたが、段々と追い詰められているのが分かり、イチかバチかで大量の食料を落として距離を取ったのです。それを見た龍は目の色を変えて食料に食らいつき、今はお腹いっぱいで寝ているのではないかと思います」


「は、はぁ、、」

「なんともいいがたい状況ですね」

「今のうちにやっつける?」

「そりゃムダだろ、殺気を放った瞬間に起きるのがオチだ」

「そして食われるとか?」

「だろうな」

「なら逃げる?」

「いやいや、何しに来たんだよってなるだろ」


 信吾達の緊張感のない会話にイラッとしたイズナが口を開いた。

「お前達、少しは緊張感を持ったらどうなんだ?高校生の会話じゃないんだから真面目に作戦を立てたらどうなんだ?」

「イズナは真面目だな、ま、そのうち俺達のペースになるんだと思うけどな」

 ニヤニヤしながら信吾が言うとクモスケも信吾に同調する

「そうだね、なんか段々5号もそんな感じになってきたし、そのうち志保とも話しがしてみたいよ」


「どうだかな、、、」

 一瞬間をおいてイズナが呟いた。

 間をおいたのは裏にいる志保が少し反応したのに驚いたからだ。イズナはうつむきながら少し笑みをこぼした。


「よしっ、じゃまあ、作戦というかなんというかアレだけど、とりあえず喋れるかどうか確かめる為に近づくしかないだろ?」

「確かにそうですけど、、アレってなんですか?」

「アレはアレだよ、スルーしてもいいんだよ」

「気になりますけどね」

「いや、また脱線してる」

「話しを元に戻すぞ、、、ってかそんなことに食いつくフォルガイムが悪いだろ」

「いや、信吾さんが気になることを、、」

「ゲフンゲフン!あーゲフンゲフンッ!」

 5号が信吾とフォルガイムを睨みながらわざとらしく咳払いをする。

「すまない5号、、ってことでまずは西洋のドラゴンからお話しをしに行きますか!ヤバくなったら転移で逃げる。ドラゴンもさすがに転移されたら追っかけようもないだろう。まぁ、念の為逃げるときは何かの肉を置いて逃げるけどね」


「わかりました、ここにいても何も進まないですからね、さっさと任務を終わらせましょう」

「だな、じゃ早速俺と5号で行ってくるわ」

「は?えっ?皆で行くんじゃないんですか?」

「大勢で行って向こうさんを刺激したくないし、何より二人の方が素早く転移で逃げやすい、で、俺と5号が転移で逃げたのを見たらUFOでワープして皆も逃げるって作戦だ。行き先は地下施設のUFOが置いてあった広場な」

それを聞いたクモスケは不満そうだが理由を聞いて渋々納得している。


 信吾はUFOがワープできるかどうか分からなかったが、チラッとウトゥをみると大きく頷いていたので、それを見て安心した。

「確かに討伐に来たわけじゃないんだから、、、いや、でも向こうが暴れたらなんとかして止めに来たんじゃないのか?そんなことをトゥトゥナ様は言ってなかったか?」


「あーもう、進まないぃー、そうなったらそうなったでなるようにしかならない、行くぞ5号」

「お、オーケー」


 それを聞いたウトゥは操縦席の横にあるボタンを操作し始めた。すると信吾と5号の立っていた場所の床が抜けて、エレベーターの様に下がっていき地上へと降りていく。


「う~寒い!」

「人間は面倒だな」

「もう人間やめたい」

「寒さの為にか」

「うん」


 二人は下らない会話をしながらドラゴンに近づいていく、攻撃の意図が無いことを示すために両手を上げて武器を持っていない事をアピールする。


 ドラゴンまでの距離約五十メートルのところでドラゴンが反応した

「ガアアアアァァァァァァ!」

 威嚇を軽くしてきた。が、向こうも攻撃をするつもりは無いようだ。ひとまず距離を置いて立ち止まり様子を見る。

「あのっ!自分は信吾って言います!敵対するつもりはありません!少しお話が出来れば、と思いここに来ましたー!話しできますかー?言葉分かりますかー?」

 声を張り上げてドラゴンに向かって叫ぶ

 すると

「何をしに来た」

 急に頭の中に重量感のある低い声が聞こえてきた

「えっ?あれ?5号、翻訳の能力使った?」

「いや、使ってないが、私にも聞こえるぞ」


「人間よ、我は貴様の頭の中に直接念話で話しをしている。よって意思そのものを送っている故に言語など必要ない。そのまま喋るがいい」


「あ、はは、便利ですね、、、えっとー、単刀直入に聞きますけど、アレって敵なんですか?戦いを避けることは?」

 信吾が寝ている龍を指差して問うと

「人間よ、我の質問に答えてからだ。何をしに来たと聞いた」

「あ、そうか、、ドラゴンが暴れて地球に被害が出そうだからなんとかして止めに来た、、、」

「ふむ、矮小なる人間が偉大なるドラゴンを止めるとな。フハハハハ、面白い人間よな。してどう止める?まさか力ずくとは言わんよな?」

 完全に上から目線で人間をなんとも思っていない事に少し腹を立てながら信吾が言う

「話し合いで解決出来ればと」


「もう良い、何も話すことはない、去れ」

 話し終わると同時に前足を振るった。

 それだけで衝撃波が発生し、こちらに向かって4本の風の刃となって襲って来た。

 咄嗟に5号の前に立ち、空間収納からミスリルの剣を瞬時に取り出して一つ相殺、一つ受け流し、残りの2つは回避した。信吾も5号も無傷だ。


「行こうぜ、5号」

 信吾はミスリルの剣をしまい踵を返した。

「えっ?い、いいのか?」

「あぁ」

苛立っている信吾を見て5号は黙った。


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