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第66話 本音と建前のクロスロード

「アバドンと巨人スルト」

 トゥトゥナはゆっくりと目を開き天を仰ぐ。

「出来れば信吾さん達には関わってほしくないのが本音ですね」

 少しの沈黙の後に信吾が口を開く


「関わりたくないですね、できれば、、でも正直向こう次第じゃないですかね?大人しくしてるのであれば関与しないし、逆に攻めてくるのなら俺は出来る限り仲間を守りたいと思っています、、それに俺は、、レヴィアタンを許せそうにありません」


 トゥトゥナは大きく溜め息をはいた

「レヴィアタンは信吾さんでもなんとかなりそうですが、上位の悪魔達は次元そのものが違います。例えればレヴィアタンは一国を滅ぼせる力があるとします、一方上位の悪魔達は個にして地球そのものを破壊出来る力を持っています。分かりますか?この意味」


 一同は沈黙する


「沈黙は肯定と受け取ります。故に絶対に関わってはいけません」

 信吾は腕を組んで考え込んだ。しばらく静寂が訪れる。


「って言うのがトゥトゥナ様の本音ですね、で、建前は?」

「えっ?」

「いや、何か他に伝えなきゃならない事があるんじゃないですか?だって石化を解く薬からメデューサの話し、更にはアバドンと巨人スルトまで話したって事、実際俺達は知らなくてもいい事というか、知らないのが自然の流れ。石化の事だけで良かったはずなのに。でもトゥトゥナ様は俺達にその存在を話した。メデューサの事を聞いただけなのに急にルシファーの名前が出てきて話し始めた、、初めから誘導されたかのように自然に質問させて流れに乗せる」

 今度はトゥトゥナが黙った。


「沈黙は肯定と受け取ります。神様とトゥトゥナ様達で何をしてるんですか?もしくは何をするつもりですか?そして俺達に何をしてほしいのですか?」


 しばし黙考した後にトゥトゥナは観念したように語りだした。


「魔界からやってきた悪魔達は、、、悪魔達の目的は、人間の殲滅と神々の殲滅。この世を悪魔族の世界にする為に虎視眈々と狙っています。それぞれの悪魔達は人間を嫌い人間を恨み人間を妬んでいます。そして元天使のルシファーは人間を敬えと神に言われ、それが許せなく神に戦いを挑み敗北した後に堕天使ルシファーとなりました。戦いを挑んだ理由ですが決して神が嫌いだったからではなく、逆に忠誠心が強すぎて神しか敬えず、もちろん人間など目もくれなかった故に神の言葉に怒りを覚え更には人間にまで、、、とまぁルシファーの過去はここまでとして。このままでは世界が闇に包まれて理不尽なことに悪魔の世界になってしまいます」

 信吾はトゥトゥナから目を逸らさずに真剣に聞いて頷いている。

「信吾さんの質問ですが、私達地下にいるレプティリアン三人と神とでなんとか悪魔達と交渉と言いますか、阻止している状況です。神界はいつも以上に忙しく慌ただしく動いています。しかし交渉は上手く行きません。それどころか着々と悪魔軍は力をつけています、虫の配下であったり、アンデッドの配下であったりと、他にも強力なゴーレムであったりと多岐にわたります」


「ちなみに悪魔達は今どこにいるんですか?」

「砂漠地帯。ピラミッドがある場所です。あそこの地下に広大な拠点を作って少しずつ少しずつ配下を集めています」

「なるほど、レヴィアタンのやっていたこともその一環つて事か」

「そうです」

「厄介極まりないですね。なんとかならないんですか?」

「それを今神達がやっていますが、いずれ、、このままだといずれ、、」

 トゥトゥナが下を向き肩を落とす

「そうだ!地球は?地球はなんて?」

「地球はどんな存在も平等に、故に人間の世界になろうとも悪魔の世界になろうとも、はたまた虫達だけの世界になろうともそれが自然の摂理と、、」


「なるほど、わかりました。それで、神様とトゥトゥナ様達が何をしているか、何をするつもりかはわかりました。それで肝心な俺達に何をしてほしいのですか?」


「、、、本当は信吾さん達には関わらせたくはないのですが、いかんせん地上では神々は干渉できずに神界でしか行動が出来ません。なのでなんとか交渉を、と言いたいところですがなにしろ相手は悪魔、話し合いが通用するとも思えません。信吾さん達には悪魔に対抗できる様に力をつけて強くなってもらいたいのです。もちろん協力は惜しみません」


「なるほどね、俺が作れなかったチートアイテムであったり、ダンジョンでの戦闘であったり、ドロップアイテムであったりと、確かに俺達の戦闘力は底上げされた感覚があるな」


「さすがですね、ってあからさま過ぎたかな?さすがにわかっちゃっいますよね?」


「いや、トゥトゥナ様、言われなきゃわからなかったです。もっと言うと出来ればもう秘密とか無しにしてもらいたいです。報告、連絡、相談って意外と大事で、勝手に決められてそれを丸投げ、さらに後追い無しって事例が大きな問題を生んだケースがあるんです。細かいことでも人の価値観って十人十色で、例えば少し様子を観ようと言われて、少しの感覚は人それぞれ。ちなみに俺なんかは少し様子を観ようと言われれば二〜三日って思いますが、人によっては一ヶ月、はたまた数時間って人も中にはいます。そういった価値観の違いが不満やストレスとなりお互いの信頼に亀裂が入ったりするのです」


「信吾さんは賢者並みに博識ですね、聡明と言いますか、頭の回転が早いと言いますか、アマテラスが気に入る訳ですね」

「褒めても何も出ませんよ」

「はははっ、いやいや失礼しました。分かりました報告、連絡、相談は逐一します」

「よろしくお願いします」


「では、早速ですが戦闘能力の底上げをトレーニングで、、、、、、」

 急に黙ってしまったトゥトゥナは何やら誰かとテレパシーのような能力で会話をしているように見える。何やら頷きながら、時折魂が抜けたように、異次元を行ったり来たりしているようにも見える

「あ、あのトゥトゥナ様?」


「はっ!す、すまない。緊急事態だ!信吾さん頼まれてくれないか?」

「えっ?ちょっ、トゥトゥナ様落ち着いて、まず何があったか説明してから指示を出してください」

「あ、あぁすまない、、、」

 深呼吸して落ち着いたトゥトゥナは話を続ける


「日本人の生き残りが見つかった、と同時にアメリカ大陸の山脈で異世界から来た龍が、、ドラゴンが暴れているらしい」

「えっ?マジですか!」


「マジ!ドラゴンの方は何か様子がおかしいらしくてイマイチ状況が把握出来ないらしいけど、一触即発というか最悪大地が裂ける位の被害は出る可能性があるって報告だ、とりあえずドラゴンの方はなんとかこっちで気をそらしてみるけど、日本人の生き残りの方が厄介かも、今にも死にそうって報告が」


「分かりました!すぐに保護に向かいます!場所は?」

「北海道の札幌から北東に移動してるみたい、車で猛スピード出してモンスターのような何かから逃げてるって報告」


「了解!」

 信吾はクモスケ、フォルガイム、5号を見て頷くと空間転移のゲートを開いた。

「じゃ、行ってきます。ドラゴンの方は頼みましたよ、こっちも保護したらすぐにアメリカに向かいます」


 すぐに転移ゲートをくぐって転移先に出る。

「あっ!ここっていつかの空港?」

「そうそう、稚内空港。さっ乗って乗って」

 信吾はゲートを閉じてすぐに絨毯を出した。そして四人を乗せた絨毯は上空に飛び、太い道路沿いを南西に進み出した。

「信吾さん、道、分かるんですか?」

「あぁ、何となくな、札幌から北東っていったらこの国道かと思うんだ、だからいつかはかち合うはず、、念の為地図見てくれ」

 そう言って地図を空間収納から出してフォルガイムに渡す

「そうですね、合ってますね国道40号ですね」

「それを旭川経由で札幌方面に向かうぞ」

「分かりました、そのまま進めばオッケーです」

 それを聞いた信吾は徐々にスピードを上げていく


「これはどうなっているんだ?何気に凄い技術じゃないか?」

「あぁ5号、後で説明する。とりあえず今は集中して飛ばすから落っこちないように気をつけてくれ」

「わかった、、が、狭いな」

「仕方ないですね、当初は3人でも狭かったんですから」

「僕は狭くても大丈夫」

「今度もっと広く拡張するから、皆も集中して地上を探してくれ」

「分かりましたけど、、速すぎやしないですか?」

「今は大体時速1000キロだな、だから見落とすなよ」

 それを聞いた三人は目を見開いて地上を見だした。


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