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第62話 クモスケの反省と対策

 鬼達との戦闘が終わり、奥を見ると下へ続く階段がある。

 とりあえずクモスケを抱きかかえて下の七階層の安全地帯まで行くことにした信吾。


 安全地帯に着いてクモスケをそっと下ろそうとしたらクモスケが目を覚ました。

 目を見開いて状況を確認しているクモスケを立たせて

「鬼との戦いは終わったよ、もう大丈夫だ」

 信吾の言葉にハッとしたクモスケは

「ご、ごめんなさい。僕は鬼の一撃でやられちゃったんだね」

「まぁ気にするな、次気をつければいいだけだから」

「うん、、、わかった」

 素直に反省して切り替えるクモスケ。


 フォルガイムがその場に座って息を吐いた。

「はぁーーしんどい。それにしてもクモスケさんがミスるなんて珍しいですね」

 信吾とクモスケもその場に座って息を吐いた。

「はぁーーしんどい。まぁ地上に戻ってまた特訓だな」

「うん。頑張ってもっともっと強くなる」

 身体強化の反動が体をきしませる。


「そういえば5号は?どこ?」

 クモスケがキョロキョロと辺りを見回す。


「おい、5号いつまで合体してるんだ?」

 すると鎧となって信吾の体に纏わりついていた5号が一瞬で元に戻る。顔を赤くしながら挙動不審に目を泳がせる。

「確か俺は剣になってくれって言ったんだけどなぁ〜、鎧になってくれとは言ってないんだけどなぁ〜」

 少し冗談交じりに言う信吾に

「い、いいではないかっ、剣と言えば鎧だろう!」

 と、無理矢理勢いで誤魔化そうとしている。


「いや、冗談だよ。正直ビックリしたよ、そんなことが出来るのかってね。合体に関しても地上に戻って色々検証しなきゃだな」

「えっ?あ、あぁ、そうだな、ももももっと検証しなきゃだな」

 挙動不審に目を泳がせながら言う5号。それを見たクモスケは

「そっか、、僕が気絶してた時の事か、、その後ってどうなったの?」

 クモスケの質問に信吾はことの成行を話す。


「とまぁ、そんな感じなんだけど、、今回の事で実感したよ、まだまだだなって。戦い方は色々あったと思うけど、それは今思えばの話しで、その時は思いつかないものなんだよ。でも多種多様な戦い方とか、その場での臨機応変に動ける判断力、他にも戦略なんかも考えていかないとダメなんだって事を痛いほど痛感したのはいい事だと前向きに思うよ」


 信吾の言葉に頷きながらフォルガイムは言う

「そうですね、、自分は信吾さんに言われた事、冷静に視野を広く、を意識して戦っていると確かに一つの事にとらわれずにいろんな思考もできて余裕も生まれますね。もっと言うとその先の事も考えられるから手数が増えたりって感じですかね」


 それを聞いたクモスケは自信なさげに信吾に聞く

「僕はどうかな?僕の戦い方は信吾から見てどう思う?どうすればいいと思う?」


「う~ん、そうだな」

 しばし目を閉じて考える信吾

「クモスケはいいところばっかりなんだけど、その長所が短所になってる部分はあるかな?うん、意味わかんないね、ま、分かりやすく言うと、積極的でいろんな戦い方というかスキルや魔法も駆使してるし、冷静でしっかり周りも見ている。俺の戦い方に似てるっちゃ似てるんだけど、一つ違うところがあるんだよ。わかるか?」

 信吾はクモスケ、フォルガイム、5号と順番に見ていくが皆首を傾げている。

「うーん、クモスケさんは最初から全力だけど信吾さんは徐々に上げて行くって感じですかね?」

 フォルガイムが顎に手を当てて思案げに言う


「あー惜しいけどあともうちょっとかな。でも俺だって速攻で一撃で倒す時だってあるよ?違い分かるかな?クモスケ」

 しばし沈黙する一同。そして自信なさげにクモスケが口を開いた。

「弱い敵と強い敵の違い?いや、最初からそんなこと分からないか、、あ、だから信吾は様子を見てるのかな?けど僕は一気に片付けたい、、そこの違い?でもなんで?ん?信吾は戦いながら考えてる?雄也が言うように先を読んでる?」


「ははは、こんがらがってきたなクモスケ。落ち着け、うん、ほぼ正解だ。こうやって考える事も大事だからな」

 信吾はクモスケの頭を撫でながら言う。

「俺の戦い方はっていうか何を考えて、何を優先するかって言うとまずは仲間の事かな。周りを見て戦況を確認する事、で、的確に指示を出すのは誰か一人はいなきゃいけないんだ。それはそれができる人がやればいいと思ってる。5号が出来れば任せたいし」

 チラッと5号を見ると真剣に信吾の話しを聞いている。


「で、次に相手の出方を見るんだ、どんな攻撃してくるか、どんな防御をするか、何が一番効果的なのかとかだな、とにかく頭を使うかな。相手の事が分かればそれに適した対処もできるだろ?で、更に奥の手はここぞという場面で使うんだ、最初から使って対処されたら後がないからな、まぁ余裕があればだけどな、圧倒的な強者だとそんなことしてられないから撤退も視野に入れたりとか、、、」

 信吾はレヴィアタンの事を思い出して苦い顔をする。


「そう、だね。今まで僕はとにかく相手を倒す事しか頭になかったかもしれない。今後はもう少し相手を見てもっと頭を使って戦ってみるよ」

「あぁ、こんなこと言うと元も子もないかもだけど、俺の考えが全て正しいわけじゃないからな、俺だって間違えることもあるし出来ないこともあるから、あくまでも参考程度に考えてくれ」


 と、話が一段落して、身体強化の反動も大分良くなってきた。


 信吾達は先に進むべく歩き出した。

 しばらく進むと水のような音がする、警戒しながら音の出どころを見るとスライムが一匹ウロウロしていた。

「ここに来てスライム?七階層だぞ?」

 と信吾が警戒しながら様子を見る。


 確かにスライムといえばゲームの序盤に出てくる弱いモンスターの定番だが実際にいたとしたらどうだろうか?


 フォルガイム、クモスケ、5号はスライムを見て気が抜けたのか警戒を解いた。

「おい!気を抜くな」

 と信吾が言った瞬間スライムが飛びかかってきた。

 咄嗟に蹴りを放って距離をとろうとしたがスライムは蹴りが当たった瞬間分裂した。フォルガイムが剣で分裂したスライムに斬り掛かる。クモスケも攻撃に入ろうとしたが少し様子を見ることにした。

 フォルガイムが切ったスライムは更に分裂をした。その分裂したスライムは何もせずともどんどん増えていく。

「マズいな、これ以上増えたら対処しきれないぞ」

 今ではスライムもう二十匹をこえていた。

「ど、どうします?信吾さん」

「物理攻撃は禁止だな、魔法で攻撃するしかないな」


 そういうとフォルガイムは土の弾丸をスライムに放った。だがスライムは土の弾丸を吸収した。

「えっ?効かない?」

「どうやら土の弾丸は魔法といえば魔法だけどダメみたいだな、、となると、フォルガイムは剣に魔力を込めて攻撃だな、それでまだ分裂するようならストップな」

「わかりました」

 信吾に言われた通りに剣に魔力を込めてスライムを斬ってみると蒸発するように消滅した。

「オッケー、てことで魔力を込めて攻撃だな」

 信吾が号令を出すとクモスケは背中の鎌状の足に魔力を込めて蹂躙を開始する。5号は両手を剣に変えて魔力を込めてスライムに向かって行く。

 信吾も攻撃に移ろうとしたが思い直して後ろに下がった。そして俯瞰して見ているとどうやら分裂のスピードが攻撃よりも上回っていてキリがない。最初の四匹までに対処していないと倍々で増えていくから対処しきれなくなってしまった様だ。


「おーい、みんな急いで俺の後ろに下がれ」

 五十メートル程距離を取った信吾の後ろに瞬時に移動した三人。すると信吾は両手に魔力を多めに注いで

「燃え盛れ獄炎の炎よ、蹂躙せよ炎熱の業火よ、拡散ファイア!」

 その名の通り拡散した炎がスライムに降り注ぐ。

 すると大量にいたスライムは一瞬にして蒸発して消えていった。

「おぉーさすがですね信吾さん」

 パチパチパチと手を叩いて称賛するフォルガイム。

「でもなんで詠唱なんてしたんですか?しかも拡散ファイアて」

「いや、雰囲気だよ、雰囲気。かっこいいだろ?それっぽいだろ?」

「いや〜どうですかね?詠唱自体が無意味なのに、その上拡散ファイアってダサくないですか?」

「ダサっっ、お前な、じゃあもっとかっこいい技名言ってみろよぉ」

「僕はかっこいいと思ったよ」とクモスケ

「私はノーコメントだ」と5号。


「おぉーやっばりクモスケは分かってくれるな」

 と言いながらクモスケに肩を回してポンポンする

 顔と顔が近い。

「あ、わわ私も実はかかかかかかかっこいいと思ったぞ」と5号が先程言ったことを訂正して言う。


「さて、先を急ぎましょう」

「おう、そうだな」

「うん」

 と、三人は歩き出した。

「おーい、無視かーい、私もポンポンーー」

 最後の方はゴニョゴニョと小声になっていた。

 顔を赤くして三人を追いかける5号であった。


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