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第55話 地球

 遂に地球と対面となった一行はトゥトゥナに連れられて入ってきたドアの反対側のドアを開けて進む。

 そこは長い廊下になっていて壁はガラス張りで何やらレーザーの様な線が無数に飛び交っている。

 そのままトゥトゥナが進んでいき、信吾達も恐る恐る進んで行く。どうやら何かを調べているようなレーザーの動きで身体全体をスキャンされたような感覚だ。


 奥は真っ暗なのに進んで行くと次々と明かりの様な光が照らされる。電気ではないのでどうなっているかは信吾にはさっぱりわからない。


 スキャンされて少し進むと廊下の突き当たりにドアがある。ドアを開けて中に入る。


 そこは全体的に少し薄暗く、広さは学校の教室より少し大きい位で黒板の様に大きなモニターが前についている。床には大きな魔方陣が描かれていて、魔方陣を中心に六芒星を結ぶように石で出来た台座が六つある。その台座一つ一つが全て光っている。トゥトゥナは台座に近づき右手を置いた。するとモニターが光りテレビの砂嵐のような画面になった。そしてどこからともなくとても低い声なのか音と言った方がいいのか分からないが空気が振動する。


「向井信吾、神の加護を複数持つ男、その仲間達。地球で生まれ、地球で育ち、地球を愛し、地球を育て、地球を守る。全ての命は平等に、贔屓(ひいき)はしない、地球を害する悪には罰を」


 空気が振動する度にモニターに写った砂嵐が歪む。


 部屋に入ってから信吾達は不思議な感覚になっていた。もういままでの事全てがどうでもよく思えて、このまま何もしないで、ただ地球と共に、地球に寄り添って平和に暮らしていきたいと、そんな感覚に陥った。

異変を感じたトゥトゥナは

「信吾さん、一度ここを出ましょうか。さあ」

 信吾とフォルガイムの手を引いて出口に向かうトゥトゥナ。

「TSR5号、クモスケさんをお願い」


 するとまた空気が振動してモニターが歪む。


「向井信吾、深く深く奥底に蓋をしてある強大な邪悪、向井信吾、邪悪に気を付けろ」


 最後の言葉を後にして信吾達は部屋の外に出た。

 我に返った信吾は一瞬で鳥肌が全身を巡って、人間が来るべき所ではないと悟った。

「大丈夫ですか?信吾さん」

「あ、は、はい、なんとか、、、トゥトゥナさんは大丈夫何ですか?」

「ええ、私は平気ですが、信吾さん達はどうされたんですか?なにやら様子がおかしかった様なのですが?」

「ここは人間が来ていい場所ではないと思いました。少なくとも三次元の世界にいる俺達だと多分精神がおかしくなるんじゃないかと、、もっと高次元の世界で生きているそれこそ神様やレプティリアン、もっともっと高度な文明を持つ未知の宇宙人とか、とにかく五次元、六次元、七次元とかの高次元の存在じゃないと、ここは相応しくない、、と思いました」

「な、なるほど、確かに私達レプティリアンは高次元の存在で信吾さん達に今はただ合わせているだけなので違和感はなかったですが、そうですね、確かにここに入って来た人間はいないですね」

 信吾、クモスケ、フォルガイムの三人は具合が悪そうに下を向いている。アンドロイドの5号は平然としている。


  _____


 研究施設に戻って来た一行は少し休むべく、椅子に腰掛け一息つく。お茶が用意され黙々と飲んでいる三人。ふと腕時計に目をやる信吾。だが今が何時なのかわからない、時計がおかしな動きをしている。磁場のせいかさっきの部屋のせいなのかはわからないが、とにかくわからない。感覚的にはおそらく夜だろうと推測する。


「トゥトゥナさん、多分今は夜だと思うんですけど、そろそろお暇しようかと思いまして、、」

「あぁ、もうそんな時間でしたか。もしよかったら泊まっていきます?なんかせっかく来たのにもう帰っちゃうなんてもったいないじゃない。また明日にでも色々とお話がしたいし、聞きたいのですけど、どうでしょう?」

 信吾は確かにこのまま帰るのも気持ちがスッキリしないので、トゥトゥナの提案に乗ろうと即断した。

「そうですね、じゃあお願いします」

 頭を下げた信吾にトゥトゥナは言う

「分かりました。よかった信吾さん達にリフレッシュも兼ねて休める施設があるんですよ」


  _____


 居住層まで戻って来た一行は木造の平屋にやって来た。大きさは老人ホームや保育園程度の大きさで、中に入ると病院の受付前みたいなソファーがあり結構な広さがある。奥に扉がいくつかあり、その一つに入っていく。ぶ厚い扉を閉めて明かりがつくと多目的ホールのようになっていて床には絨毯が敷き詰められている。トゥトゥナが5号含め信吾達四人に指輪を渡す。

「これは安眠できるどころかいろんな機能がありまして、例えばこれですね」

 そういってトゥトゥナは指輪をはめて、なにやら空中で操作し始めた。するとシャボン玉のような膜に覆われたトゥトゥナは中で口を大きく開き何やら喋っているようだが聞こえない。また操作したかと思ったらシャボン玉が消えて

「こんな感じで今のは防音の効果があります。とまあ、こんな感じでもっといろんな機能があるので使って見てください。それでは今日はこれで失礼します。みなさんおやすみなさい」

 そういってトゥトゥナはぶ厚い扉を開けて部屋を出ていった。


「なんか凄いな、未来の世界にタイムスリップしたような感じだな」

「そうですね、じゃ早速指輪はめて見ましょうよ」

 四人は指輪をはめてみると指輪からホログラムのように空中に画面が表示された。

「こ、これがさっきトゥトゥナさんが使ってた防音かな、、、、って凄いいっぱい機能がありますね」


 防音以外の機能は、無重力、温度調整、映像表示、移動、クリーン、健康管理、音楽528Hz、音楽432Hz、通信、となっている。最後に全て解除の欄がある。


 信吾はまずシャボン玉の膜を張り、膜を触ってみた。すると膜が触った形になり留まった。

 信吾が膜に向かってお尻を付き出して座ろうとすると、膜がそれに合わせて形を変えてリラクゼーション

 チェアの様に変形して肘掛け、足も乗せられる形になった。そのままリクライニングして寝ることも出来るようだ。


 他の三人も信吾を見て座ったり寝たりしている。


 面白くなって色々と試してみる。無重力はシャボン玉事態が浮いてフワフワと漂う。温度調整は自分の体温をベースに一番心地のいい温度を読み取って最適な温度に保つ。映像表示は宇宙や海や大自然といった風景が表示される。移動はその名の通り意のままにゆっくり移動する。クリーンは身体や服がキレイに洗浄される。健康管理はスムージー的な飲み物が空間から出てくる。その飲み物は身体に不足している栄養分を補ってくれる。弄っていると通信の所がチカチカと光っている。そこをタッチするとクモスケの声が聞こえた。

「この指輪凄いね、貰えないかな?」

「さすがに無理だろ、しかもこれ多分ここでしか使えないようになってるっぽいよ?あのぶ厚い扉とこの絨毯がなにかの機能を果たしてるんだと思う。いや、絨毯は関係ないかな?わかんないな、でもこの扉を閉めたら空間というか空気そのものが変わった感じがしたんだよね」

「そうなんだ、じゃしょうがないね」

「そうだな、でも凄いなこの空間は」

「うん、でもこの音楽528Hz、音楽432Hzってどう違うの?」

「あぁそれか、話すと長くなるしクモスケにわかるかな?」

「それ自分も気になってたんですよね」

 フォルガイムが通信に入ってくると同時に5号含めた三人が信吾の周りに集まってくる。

「お、フォルガイムか、長くなるけど聞くか?」

「あ、じゃあ軽くでオナシャス、原稿用紙一枚位で」

「難しい注文だな。ま、頑張ってみるよ」

 そういって話し始める。


「まずはそうだな、これも一つの都市伝説って言われてるんだけど、元々の音楽の周波数が今の周波数に変わったのは確か戦後間もない頃だったかな?記憶が定かではないからなんともだけど、で、今の音楽の周波数が440Hzで、その周波数はどうも人間に悪影響を及ぼすだかなんだかでよくないらしい。その周波数を変えずに作曲していた人が結構なインフルエンサーで、それをよく思わない組織が、、カッ!とな。それこそが都市伝説なんだけどな。信じるか信じないかはあなたのアレです」

 舌をカッ!と鳴らした信吾は親指を首に当てて横にスライドさせて言った。


「いやいや、大事な所でアレはないでしょアレは、ちょっと笑っちゃいましたよ。でもなんか聞いたことあるような感じがします、多分忘れてるだけなんでしょうけど、、でも結構有名なんじゃないですか?ちょっと調べればすぐに出てきそうな話ですよね?」


「そうだな、結構いろんな所で取り上げられてはいると思う。ネットで調べれば一発だけど、もうネットも何もないからなぁ、、、、まぁまぁまぁそれでだな、ここにある528Hzと432Hzなんだけどどっちかが睡眠を促す方で、もう一つがリラックス効果をもたらすんだけど、どっちか忘れちった」


「私はわかるぞ」

 いつの間にか聞いていた5号が話し始める

「432Hzの方が寝つきが良くなる周波数だ。さらに寝た後がスッキリするとかのアルファ波が発生する周波数だ。528Hzの方はストレスホルモンの値が下がりリラックス効果がある周波数だ。まぁこの二つは殆ど同じ効果を示すが、敢えて違いを言えば今の話になる。ちなみに生前のアインシュタインやニコラ・テスラも推奨していたぞ」


「さすが最新のAIだな。補足として432Hzの方を推奨していたんだよな、理由が宇宙の規則性と似ているとか?なんかスピリチュアルな事も言ってたような気もするけど、432Hzの振動が与える身体への影響は内側から良くしてくれるとかそんな感じだったな」


「確かにそうだ。信吾は人間の癖によく知ってるな、地球が言ってた複数の神様の加護のおかげか?」

「どうだろうな?わからないけど、よく友達から言われてたのは、【よくそんな昔の事覚えてるね】だ。だから記憶力がいいだけなのかもな」


「いや~信吾さん長いですよ、多分原稿用紙一枚は越えてますよ」

「あっはは、やっぱり無理だったか、長すぎてクモスケはもう寝ちゃったのかな?」

「まだ起きてるよ」

「お、お前達は仲がいいんだな」


「おおそうだよ、5号も俺たちの仲間になったんだから遠慮することはない、、いや、遠慮ははなっからしてないか、、、まぁこれから一緒に旅をしたりするんだから仲良くしような、何かあったら何でも言ってくれ。俺は仲間を家族みたいに大切にしたいと思ってるからさ。よろしくな5号」

 と信吾が言った。


「自分も仲間を守りたいと思ってます。つい最近信吾さんにネガティブだって怒られたけど、もっともっと努力してもっともっと強くなります!一緒に頑張りましょう。よろしく」

 とフォルガイム


「信吾が言うなら大丈夫。よろしく」

 とクモスケが言い、全員が歓迎モードだ。


「あ、ああああありがとう。こ、こここここちらこそよろしく」

 みんなには見えていないが5号は顔が赤くなっている。


「うーん、やっぱり5号って人間だよな、今の反応もそうだけど感情が豊かなんだよ、アンドロイドにしては。だから受け入れたってのも一部あったけどな。ま、楽しくやろうぜ!人生楽しんだもん勝ちってね」

 そう信吾がしめた。


 それから暫くは他愛の無い会話をいつものようなノリで楽しみ、いつの間にかみんな眠りについていた。


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