第53話 地下施設
アンドロイドのTSR5号は、TSR1号の命令に渋々従い信吾達を案内することになった。
体育館の大きさの広間を出口に向かって進む一向。
信吾は名残惜しそうにUFOを見ながら後に続く。
「マジであのUFOに乗れないかな?」
「それには許可が降りなければ無理だな。そもそも何かしらの目的がないと使用禁止だからな、ただ乗るだけは無理だろう」
「丁寧に説明ありがとう」
信吾が肩を落とす。
出口を出るとそこには地下施設と思えないほど明るく、先程までいた広間とは違う暖かさがあり、まるで太陽の日の光のようだ。
そして植物が生い茂っていて、木や花等の様々な植物が視界全体に広がる。
真ん中に川が流れていてその周りには居住区が並んでいる。そして居住区の前には広場があり、そこでなにやら植物を並べていて、横には看板が立っている。看板にはなにやら文字らしき模様が描かれているが解読できない。
スタスタと前を歩く5号。
「なぁフォルガイム、あの文字ってどこかで見たことないか?」
「いや、見たこと無いですね」
「ちょっとちょっと5号、待ってくれ。ここの事を聞きたいんだけど」
信吾が声をかけると5号は止まって言う。
「ここの地下施設は四つの層から成り立っていて一つ目がさっきの転移の層でここは居住層、もう一つが研究施設で最後が、、、まぁ行ってみればわかるさ」
「あぁ、いや、そういう事じゃなくて、ここの文字ぃ」
5号はまたスタスタと前を歩いて行ってしまう。
信吾はここの場所に来てからというもの聞きたいことが山ほどできてモヤモヤしている。
2キロ程歩くとそこには岩壁にめり込むように扉がある。また5号がスタスタと扉を開けて中に入っていく。するとまた室内のような明るさに照らされた丸い部屋があり、そこはまるでドアの部屋と言った感じで、今入ってきたドアを含めて全部で六つのドアが円を描くように並んでいる。
5号が対面のドアを三回ノックしてゆっくりドアを開き中に入る。
「失礼します、アマテラス様からの客人をお連れいたしました」
「ご苦労様」
言われた5号はドアの横に立ち微動だにしなくなり、警備員のような目付きになった。
「ようこそ地下施設へ。さ、どうぞ掛けてください、すぐにお茶を用意するから」
そこには木でできたテーブルと椅子があり真ん中にはなにやら葉っぱが置いてある。
そんなことよりも信吾は5号の上司らしき人に驚きを隠せなかった。人というか、もはや人型の爬虫類だ。一瞬リザードマンかとも思ったが考えを改めた。
「あ、あのあなたはもしかして、レ、レプティリアン?」
「ほう、よく知ってましたね。私はレプティリアンのトゥトゥナっていいます。本当は言語化出来ない発音なんですけど無理矢理日本語に直すとそんな感じですかね。基本的には私達はテレパシーで会話するもので、言語化しない意思の疎通をしてるのです」
声から察するに女性のようだ。性別があるのかどうかも分からないが。
「あ、すみません。ビックリしてしまいまして。えっと、私は向井信吾と申します。で、こっちがクモスケで、こっちがフォルガイムです」
信吾が恐縮したように自分達の紹介をした。と同時に普通の人間らしき人がお茶を持ってきた。
そして信吾を真ん中に左右にフォルガイムとクモスケが座る。
「よろしくね。さてといきなり本題に入ってもいいのだけれども、、何か聞きたいことが多すぎてモヤモヤしてる感じがするんだけど、どうかな?」
信吾がキョロキョロとクモスケとフォルガイムを見るが、フォルガイムが信吾を指差す。
「あ、俺?俺ね、そう、俺だよ、うんオレオレ」
かなり信吾はテンパっている。
「こんな信吾さんはじめて見ますよ自分は、、、とりあえず落ち着いてください信吾さん」
「いや、この前神界に行ったときもこんな感じになったぞ、あの時もビビった事だらけだったから、最後の最後でここの事を聞いた時なんかは頭が真っ白になったよ」
と、フォルガイムと話をして落ち着いてきた信吾が深呼吸をする。
「えっと、まずはあなたの存在ですかね?神様と繋がりがあるらしいんですけど、どういった立場と、ここでどんなことをしているのか、、ですかね」
「分かりました。まず私は地球出身ではありません、そこは信吾さんも分かっていると思いますが、私を知っているということはシュメール人も知ってますよね?」
信吾は無言で頷き先を促した。
「シュメール文明を築いたのは私達レプティリアンの知恵と知識がもたらした文明なのは薄々感づいているかと思われますが、その後シュメール文明が滅びたと歴史に記されていますが、実はその時にここ地下施設に来たのです、が、神の介入がありましてひと悶着ありましたが、仲介人とでも言いましょうか、その仲介人の方が私と神は上も下もなく同等と、決めていただきました。そして神はそのまま神界から、私達は地下施設から地球の管理、維持を任されてきました。手が空いた時には研究して色々なものを開発してきました。そこにいるアンドロイドなんかもね」
トゥトゥナが一呼吸入れてお茶をすする。
「仲介人の方の事聞きたそうな顔ですね。実はその方は地球です」
一同が首を傾げる。
「地球です、地球は神よりも古くから存在していますし立場は上ですね。昔地球を怒らせた時なんかは大変でしたよ、地上がしっちゃかめっちゃかになりましたからね、まぁ後で会ってみますか?ここ研究施設のもっと奥の層の管理施設にいますから」
一同が首を傾げたままポカンとしている。
「大丈夫かな?次の質問受け付けますよ?」
「・・・・・・・・・・」
「分かりました、次に聞きたそうなのは居住層の事ですかね?植物が地下施設で太陽光もないのに育っていて不思議に思っているかもしれませんが、あれこそ私達の研究の成果ですかね、電気を使わずに太陽光を地下施設にまんべんなく降り注がせる道具や空気の循環器、温度の調整等もできますよ。なのであそこでシュメール人達が植物を育てながら暮らしているのです。あ、それと途中で看板掲げて植物を並べていた人がいたと思うんだけど、あれは物々交換の品物です。ここにはお金というものがないので、ああやって欲しいものと自分が働いて作った植物を交換して生活しているのです」
「あ、あのその事なんですけど、、あの看板に書かれていた文字って、ヴォイニッチ手稿に書かれていた文字ですかね?」
「さすが信吾さんですね、よく分かりましたね素晴らしいです。そうですね確かにヴォイニッチ手稿って呼ばれていますね、地上ではね。あの書物はここ地下施設の事が書かれていましてね、意図的に地上に置いてきた物です。その理由はここ地下施設の人材が不足していて、その手稿を解読した人はここでの研究を手伝ってもらっているの。もちろん強制的ではなくてしっかりと確認もとっているから大丈夫。ちなみに断った人は今まで一人もいなかったけど。で、さっきお茶を持ってきてくれた人がその一人なの」
信吾は納得したように頷いた。
まだまだ聞きたいことはあるのに今聞いた事が頭の中を駆け巡っていてそれどころではない信吾。
するとフォルガイムが口を開いた。
「あ、あの、ここって地下何メートル位の所にあるんですか?」
「ここは地上から掘ったとして5000キロメートルって所かな?もうちょっとだけ深いですけど大体そんな感じです」
「!!」
一同驚いて声もでない
「ま、まぁ仕方ないですね。お茶でも飲んで少し休憩にしますか」
トゥトゥナが言って全員がお茶をすすった。




