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第43話 再び神界へ

「じゃ、ちょっと神様んとこ行ってくるわ」

 信吾が突拍子も無いことを言った。

「ど、どうやって行くんですか?」

 サリオンが疑問に思ったことを口に出した。

「空間を開けて色とりどりの空間の中を進んでいけば神界に行けると思ってるんだけどどうかな?」


「た、確かにその通りですが、霊体にならなくてはなりませんよ?でなければ信吾さんの肉体は神界に行った瞬間に消滅してしまいます」


「えっ?あれ?でも前に一回神様に呼ばれた時には肉体はあったような?」


「恐らくはアマテラス様がお造りになった空間ではないでしょうか?そこでは思っていることが筒抜けになってしまいませんでしたか?」


「あ、あぁ、確かに、、、だったとしたら霊体になればいいんでしょ?多分大丈夫」

 そう言って座禅を組み意識を集中し始める。


「あっ!俺の意識が抜けて身体が倒れちゃったらベッドまで運んでもらえるかな」

 そう言ってまた集中する信吾。


「あっ!俺の意識が抜けても身体に変なことしないでね、怒るからね」

 そう言ってまた集中する。


「あっ!、、、」

「さっさと行くじゃ行って下さい!」

 フォルガイムが突っ込みを入れて、また集中する信吾。すると信吾の身体がうっすらと光った後に色とりどりの空間が開いた。

 発光体が空間に入っていくと同時に空間は閉じた。


 残された一同はポカンとしたまま固まっている

 クモスケが信吾の横で同じ様に座禅を組み何やら集中している。だが霊体にはなれない。


「自分はここで信吾さんの帰りを待っているんで、皆さんは解散してもらっても大丈夫ですよ」

 フォルガイムが言うとマンマゴルが

「すまないな、では何かあったらすぐに呼んでくれ」

 そう言って戻って行った。


「クモスケさん、もし霊体になったとしても空間を開けないと行けませんよ」


 クモスケは一瞬ハッとした表情になったが何事も無かったように普通に信吾の横に座って様子を見ている。


「クモスケさん信吾さんを弄ったり、いたずらすると怒られますからね」

「うるさいな雄也は、わかってるよっ!」

 プイッとそっぽを向くクモスケ

「フォルガイムなんですけど、、、」


  __________


 霊体になった信吾は色とりどりの空間を進んで行く。

 スムーズに動けるのに驚いた信吾は、前回自分で開けた時に霊体にならずに入ったときの事を思い出した。空間に入った時に動きづらくて、吸い込まれそうになった時に、クモスケに糸で引っ張られたということを。


 そして色とりどりの空間を抜けるとそこには受け付けの様なカウンターがあり、奥には一人の女性が立っていた。

「はぁーまた日本からかぁ、参ったなぁ、、資料にはなんにも書かれてないし?どうなってるのよ」

 言い終わったと同時に女性と目が合った。


「どうぞこちらへ、ここは閻魔の間、死した魂を天界か、地獄か、はたまた転生出来るかの審判の場所です」

「あ、あのー閻魔様?俺は死んで無いんですけど?ってかアマテラス様に会いに来たんです」


「えっ?えっ?えっ?あれ?あなた名前は?」

「信吾です、向井信吾です」


 ガタガタッと姿勢を直して閻魔は言う

「あっ、その節は主人がお世話になりました。その後は順調に仕事が上手く行っている様で、ありがとうございました」

「主人が?その節?えっと~まさかクシナダヒメ様?ですか?」

「はいっ!」

 さすがにビックリした信吾は一瞬頭が真っ白になるくらい驚いた。

「え、閻魔様やってるんですね、、」

「そうなんですよ、また日本人だったから困っちゃってたら信吾さんだなんて、もうビックリー、どう?お茶でも飲んでゆっくりお喋りでも?」

 テンション上がったクシナダヒメが言う

「いやいや、こっちもちょっと忙しくて、、でも一ついいですか?」

「なーに?なんでも聞いて聞いて」


「また日本人ってどういう事ですか?日本人っていうか人間は地球にはいないんじゃないですか?こっちのコピーされた世界には」

「あ、そうなのよ、また手違いで何人かは信吾さんとかそちらの雄也さんみたいにこっちの世界に残された人達がいたんですよ、それで残された人達が強くなった昆虫とか悪魔達に殺されてくるのよ」


 信吾がなるほどと思っていると

「それでねそれでね、この間アラクネちゃんがそっちに行ったらしいじゃない?でも世界に干渉するのはご法度なの、で、アラクネちゃんが罰を受けているんだけど、、信吾さんの方でなんとか出来ない?」


「い、いや出来るわけ無いじゃないですか、しかもアラクネさん?とは合ったことも無いんですよ?気絶してたから」

「そ、そうなんだ、残念です」

 見るからにしょんぼりした感じになっている。

 残っている日本人の事を聞こうと思ったが、勢いに押されて聞くタイミングを逃してしまい、すっかり飛んでしまった信吾。


「あのーそろそろアマテラス様に会いたいんですけど?」

「あっ!そうだったそうだった、ちょっと待っててね、、、」

 そう言うと目を閉じてなにやら念じている様だ。

 数秒が経過して目を開いたクシナダヒメ

「アマテラス様は今ものすごい忙しいらしいんだけど、信吾さんが来たって伝えたら直ぐに案内しろだって。そこの扉を開いて中に入ると直通でアマテラス様のところにいけるわよ」

 指をさした方を見ると扉が現れた。

(直ぐに案内しろ?なんか嫌な予感がするな)

 と思った信吾だが、ここまで来て引き返せないと思い意を決して扉を開く。


 ガチャ

「こんにちはー、失礼しまーす」

 恐る恐る扉を開いて中を確認する。

 そこには社長室の様な場所で机には山のような書類が積み重なっている。

 そしてその机の奥には汗だくになってるにも関わらず平静を装っているアマテラス様が椅子に座っている。

「おお、信吾じゃったか久しいのぅ、息災であったか?」

 言うほど久しぶりか?と、そんな気もしなくもないが

「はい、お陰さまで」

「ふむ。して、今日はどのような用件じゃ?」

「はい、いくつか訪ねたいのですが、忙しそうなので早速話題に入りますのをご了承願います」

「前置きはよい」


「はい、まずは悪魔の事をお聞きします。私の推察なんですが、ルシファーが裏で暗躍していて今は配下を集めている状況。そしてその目的は恐らくコピーした地球を乗っ取ろうとしているのでは?と考えます、そしてあわよくば神界にも、と考えてもいますが、どうでしょう?」

 神界にも?と思ったのはこの神界の忙しさから推察した。

「、、、ほう、よくわかったのう、その通りじゃ、地球を乗っ取ろうとしているのは確かじゃが、、ふむ、神界に進出してくるかはまだわからん、その傾向はあるにはあるのじゃが大した問題にはなっておらん。対処できておるからの。まぁ何があろうと悪魔達はこの神界には来れんよ、地球を乗っ取るにもかなりの時間がかかるじゃろうて、、、、」

 所々間があったのを訝しんで横目で見る


「アマテラス様、何か隠してますよね?」

「い、いや、そんなことはないぞ?他には?他に何かないかの?なんでも聞くがよい」


 仕方がないので次の質問に入る

「私のこの力なんですが、そろそろ人間としては限界なのではないかと、、どうも最近仲間達とは強さが離れていってるような感覚がありまして、もう強くなれないのでしょうか?」

「ふむ、、、」

 目を閉じて数秒、なにやら信吾の事を調べている様だ。


「そなたは以前魔力を5000付近まで上げたと思ったのじゃが、、何をした?そなたの魔力は今や50000を超えておる。しかもまだまだ伸びるぞ。」


「は、はぁ、魔力だけでしょうか?」


「いや、その時に物質創造の能力を与えたのじゃが、これも熟練度が跳ね上がっておる、こんなことは今までないぞ?とんでもない成長率じゃな、、、」


「その物質創造って錬金術の事ですよね?」

「ふぉっふぉっふぉっ、全然違うぞ、、そうじゃな確かに今はそう思うのも仕方がないじゃろ。じゃがな熟練度が上がっていき、最高レベルまでいくとじゃな、思っただけで物質を創造できるのじゃ、普通じゃ到達できるレベルでもなければ魔力も相当に使うからのぅ、、、しかし今のそなたならば前人未到の領域に届くやもしれんな」


 一呼吸おいて再び話し出す

「それと肉体的の強さは限界とまでは言わんが、、、ふむ、成長率は遅くはないぞ?神の加護があるお陰もあるが、酸素濃度が地球の標準に戻ったのが成長率を下げた原因かもしれんな。しかし通常の人間と比べれば成長率は高く、訓練次第で強くなるはずじゃが、比較対象がおかしいのではないのか?」


 それを聞いて信吾は納得した。確かに比較対象がクモスケとフォルガイムだから、規格と言うか基本自体がが違うのだ。



「そ、そうですか、なるほど、、、わかりました。ちなみになんですけど、二つ以上の魔法を行使したりとかは出来ないんでしょうか?」

「んん?出来るぞ?あぁ、確かに人間は二つが限界のようじゃな。しかし対処法はあるぞ」

 それを聞いた信吾は食いついて聞く


「そ、それはどんな?どうすればできるのですか?」

 信吾の食いつきに少し驚いたアマテラス

「なんじゃ、そんなに強くなりたいのか?」


「それはそうですよ、仲間達においてけぼりにされて、守られるのはどうも性に合いません。物質創造だけじゃ戦えないし、、ま、魔力も上がるのは嬉しいんですが、、、あ、いや、すみません。取り乱しました」

 少し興奮してしまい、珍しく声を荒らげてしまった信吾は、少し落ち着いてから謝罪して頭を下げる。

「ふーむ、そうじゃな、少し相談に乗ってくれたらヒントを与えようではないか」


 信吾は

「ありがとうございました。それでは失礼します」

 そういって踵を返して後ろを向いた。

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