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第42話 怪談話

 座敷わらしのリンと話をしていたら、とうとう降りだした雨。ひとまず雨宿りをしようと公園のベンチのところにある東屋に入る。


「ちょっと聞きたいんだけど、その捕らえていった奴等ってどんな姿で何人位いたかわかるか?」

「聞いた話ではありんすが、百の数が同じ姿だったと聞いておりなんし。その姿は見たこともない顔で禍々しい邪気を放ち、わっかで拘束して捕らえていったときいておりなんし」

「なるほどね、全部同じ顔か、、、なら大丈夫だろ。なぁリン、リン以外の仲間達はここにいるんだろ?ちょっと姿を現して貰ってもいいか?そうじゃないと助けるにも助けられないだろ?」


 信吾は考えた、リンの仲間達は何らかの方法で気配すらも消せる能力がある、そしてその能力で悪魔達に捕まらなかったと、さらに姿を現したら悪魔達も現れると。

もう助ける気でいる信吾は空間転移で御神木のある場所にて保護して貰おうと考えていたが、その前に悪魔達の確認をしようと、要は囮作戦だ。


「わかりんした。どちらにしてももう主さんを頼るしか、わっち達はどうしようも」

 言い終わる前にリンの仲間の妖怪達が姿を現した。

 そうそうたるメンバーがリンの後ろに勢揃いしている。

 まず気配すらも消せる能力を持った隠れ婆を始めに雪女、山女、海女、小豆洗い、コロポックル数体、一寸法師、ケサランパサラン二体、カラカサ小僧、一つ目小僧、三つ目小僧、猫又といった面々。

 フォルガイムは驚き固まっている。さすがのクモスケも少しビックリしている。

「みんな低級の妖怪か、、これで全部か?」

 信吾が聞いて、リンに代わり今度は隠れ婆が答える。

「そうじゃこれで全員じゃ、後のみんなはもう捕まったか殺されたかじゃな。あ、それとわしゃ隠れババアって、そう呼んでおくれ」


 話をしていると複数の影が現れた

「おっ、お出ましだな低級の悪魔が」

 次々と影の中から悪魔が飛び出してくる。その姿は全身真っ黒で頭には二本の角が生えており目は赤く、コウモリの翼を羽ばたかせている。槍の先端が丸くなって捕獲できる様な棒を持っている。


「よし、フォルガイム行くぞ、クモスケはここでみんなを守っててくれ」

 少しクモスケのお腹の事を心配した信吾であった。


 フォルガイムが大剣を持ちポーズを取ってから走り出した。

雨でビショビショになりながらバッタバッタと悪魔達を切り払っていく。

 信吾は魔法を中心に悪魔達に放つ。

 ウィンドカッターで両断していた信吾はキリが無いと判断して広範囲での攻撃に切り替えた。

トルネードだ。その名の通り竜巻による攻撃で、飛んでいる悪魔達を一網打尽にした。

最後の一体もフォルガイムが切り伏せて戦闘が終了した。信吾のトルネードで上空の雲が吹き飛ばされてここら辺一帯だけ雨が止まった。


 クモスケの後ろにいる妖怪達は目を丸くして驚いている。

「よし、早いとこここを離れよう」

 そう言って空間転移のゲートを開く信吾。

 妖怪達はおっかなびっくり信吾に続いて、最後にフォルガイムが入ってゲートを閉じる。


 御神木の目の前に出た一行。

「みんな大丈夫か?この御神木の近くには悪しき心を持った悪魔なんかは近付けないって話だが、、みんな大丈夫そうだな」

 一行を見渡して確認した信吾。間もなくしてエルフ達がやって来た。

「こ、これはどういった事なんでしょうか?信吾殿?」

 サリオンが信吾に聞いた。

 簡単にいきさつを説明した信吾は続けて言う


「ってことで、みんなをここに匿ってやってくれ」

「な、なるほど、そう言うことでしたら構いませんよ」

 サリオンは快く承諾した。

 低級と言えど妖怪だ、何故そんなに快く承諾したかはやはり低級だからだろう。悪さをしたところでマンマゴル達がなんとか出来る範囲だ。承諾したとたんに妖怪達は嬉しそうにはしゃぎ、お礼を言っている。


 カラカサ小僧と一つ目小僧、三つ目小僧は嬉しそうに周りで遊びだした。

 猫又は木の上で寝だした。

 小豆洗いは「洗い物とかありませんか?」と聞いている。

 コロポックルと一寸法師とケサランパサランは周囲を探索しているリンに纏わり付いている。


 隠れ婆と雪女、山女、海女はその場に残ってもらい、信吾達とエルフ達と詳しい話をする。

 ちなみに雪女、山女、海女は仲が良く三姉妹などと呼ばれている。

 雨が降っているが御神木のお陰で雨宿りが出来ている。


 始めに口を開いたのは信吾だ。

「今は低級の妖怪って話だけど中級、上級の妖怪が復活するのって、あとどのくらい時間が残ってるかわかるか?」

 その質問に雪女が答える。

「そうですね、私の推測でしかありませんが、中級は数ヶ月、上級は数年と言ったところでしょうか」

「うん、意外と時間はありそうだな、、で、上級ってどんな妖怪がでてくるんだ?」

「強くて恐ろしいのはやはり、酒呑童子や茨城童子、そのペットの妖狐なんかも、、、」

 信吾が片眉を上げた

「なるほど、河童や天狗、ぬらりひょんとかのっぺらぼうとか、餓鬼とか、ヌエなんかは?」

 雪女に代わり今度は隠れ婆が答える

「よく知ってますな、その中じゃと天狗が上級に入るかのう」

 続いて補足で山女が早口で言う

「それ以外は中級の部類に入ると思います」

 山女は喋りたかったのか少し嬉しそうだ。

 海女が山女を押さえながら喋り出す

「あ、あの、他にも怨霊ですが、平将門も恐ろしく、上級として復活するって言われています」

 ニコッと微笑んで言うが、内容と合っていないのが違和感を醸し出している。


「ちょっと何あんたはいきなりっ!私が喋ってるでしょ」

「何言ってるのよあんたこそ抜け駆けは許さないわよ」


 下がって小声で言い合っている山女と海女。丸聞こえだ。

「すみません信吾様、と、とにかく今言ったのが主な上級妖怪と中級妖怪になります」

 雪女が謝罪しながら答えた。

「わ、わかった」

 チラッとクモスケを見ると、能面の様な顔でこっちを見ている。


 隠れ婆がずっと黙って考え込んでいたが、ポツリポツリと喋り出す

「これはいにしえより言い伝わっておるのじゃが、見た者はおらんでの、眉唾物かも知れんが一応言うておくと、、、」


 隠れ婆が少し間を置き、震えながら何かに怯えたように喋り出した。

「とにかく大きいらしく、頭には二本の角が生えており、怒ると空を飛び回り嵐を呼び、異な妖術を使い炎を吐き、尾を振っただけで大地が裂け人々を呑み込んでしまうと言う伝説じゃ、その化け物は日本の誕生と同じ頃生まれているにも関わらず確認した者は殆どおらん」


「お、おおう、なんかヤバそうなヤツだな、、それだけ強いんだったら復活するのもまだまだ先なんじゃないのか?心配する事はないだろう」


「それがじゃな、酒呑童子達の魂は復活を待って力を溜めているのはわかるのじゃ、、じゃがもっともっと強大な魂ならば、いとも簡単に察知できる筈なんじゃが、、おらんのじゃよ、どこにも、、」

 ブルッと身体を震わせる隠れ婆。


「うーーん、まぁ、逆にいないんだったら悪魔達に捕まることも無いだろうし、結果オーライって事で。考えてもしょうがない事は棚上げだな」


 信吾がまとめると珍しくフォルガイムが口を開いた。

「でも、悪魔達は何がしたいんですかね?妖怪達をさらって」

 その問いにサリオンが答える

「恐らくは魅了かなにかで洗脳して、挙げ句には悪魔に変えてしまうと、そうすれば妖怪達の力は数倍にも跳ね上がるでしょう。ルシファーにはそんな能力があるそうです」


「ま、そんなことだろうと思ったけど、さすがにちょっと厄介かもな、徒党を組まれたんじゃなぁ、、数の暴力には今の俺たちじゃ到底太刀打ちできやしないからな」

 信吾が言うとみんな下を向いて沈黙する。


「じゃ、ちょっと神様んとこ行ってくるわ」


 一斉に信吾を見る一同。



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