表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/105

第41話 結界崩壊

 雑談をしながらの食事を終えた後は、すぐに寝る準備をして信吾以外は床についた。

 信吾は少し錬金術でチート級のアイテム、スカーフ作りの続きをする事にした。


 黙々と続ける信吾、そしてそれを黙々とハンモックから見続けるクモスケ。一時間、二時間、、、時間が過ぎていく。

 クモスケは限界のようでハンモックの上で寝落ちするように意識を手放した。人型になる前、蜘蛛の時は寝ている時間はほぼなく、仮眠程度で十分だった。しかし、やはり人型だと睡眠を取らなければならなかった。かといって蜘蛛の姿に戻れば寝なくてすむ、という事はない。何故なら人型に戻ったときに急激に眠くなってしまうからだ。


 信吾は神経を集中して作業を続ける。

 また一時間、二時間、三時間、、、そして夜中の2時になり、作業中に信吾も寝落ちしてしまいチートアイテムは完成はしなかった。


 そして朝になる。

 プレハブ小屋の扉がノックされて外から声がする。

「おはようございます、信吾さん朝ですよー」

 フォルガイムが起こしに来てやっと目が覚めた信吾とクモスケ。

「わりぃ、また寝坊した、すぐに支度するからちょっと待っててくれ」


 すぐにバケツに魔法で水を溜める。

 クモスケ用にもう一杯溜める。

 やり取りをしてるとクモスケも起きて身支度を始める。

 収納袋からスカートや靴下を取り出して着る。

 フード付きのローブを部屋のすみに掛けてあるハンガーから外し羽織る。


 信吾も動きやすさを重視してツナギを着る。色は黒ベースの赤が入っている。そして信吾もフード付きのロングコートを羽織る。


 外に出た二人は早速朝御飯の準備をする。

 準備といってもサンドイッチとパンと飲み物ぐらいだが。

「食べながら聞いてくれ。今日の予定はまず、凧上げした空港に転移する。それから徒歩で東京の各所を周る。その後フォルガイムの実家に行ってみる、そんな感じだが、他にも何かあったら言ってくれ」

 信吾が今日の予定を説明をして二人に聞く。

 フォルガイムが答える

「特にないです。それで、大丈夫だと思います」

 クモスケも頷く。


「食べたら少し休憩してから、軽くストレッチから筋トレかな?今日は少し肩の力を抜いて気楽にやろう」


 それから一時間後、軽く身体を動かした後、準備を整えて信吾が言う

「よし、じゃ行きますか」

 エルフ達に出掛けてくる事を伝えて空間転移を展開する。


  ______


 空港に転移してきた信吾は少し空を見上げる。雲がチラホラ、午後には雨が降りそうな天気。

「杞憂であってほしいけど、、、」

 信吾がポツリと言う。


「信吾さん、雨降りますかね?」

「多分午後から雨だろう、めっちゃどんよりしてるからな、、悪魔でも出てきそうな空だな」

「縁起でもないこと言わないで下さいよ」

「じゃ行くぞ!二人ともついて来ーい」

 フォルガイムとの会話を終わらせて信吾は走り出した。


 まず皇居周辺の神社を確認する、全滅だった。靖国神宮、明治神宮その他諸々。

「クソッ!やっぱりか、しかもここから見る限り高い建物が全く無い。手当たり次第か」

 少し飛行を使って上空から眺める。


 スカイツリー、東京タワー、サンシャイン、その他諸々。高層ビル、高層マンション全滅

 きれいさっぱり更地になっている。


 下に戻り二人に告げる

「高い建物が一つも無い、全滅だ」

 フォルガイムが絶句する。クモスケは無表情。


「とりあえずフォルガイムん家行っていい?」

「あっ、はい、いいですよ、ここからだと、、、、こっちですね」

 北西を指差してから走り出した。

 しばらく進むと線路が見えてくる。山手線と中央線が所々破壊されている。

「ちょっと待ってくれ」

 信吾がフォルガイムに言って止まった一同

「信吾、どうしたの?」

 クモスケが信吾に聞くと、フォルガイムと信吾が破壊された線路を見ている。


「前に聞いたことがあるんですけど、山手線と中央線って何かのマークになってるって聞いたことあるんですよ、信吾さん何か知ってますか?」

「あぁ、陰陽道だな太極図ってヤツだ」

 信吾が地面に太極図を書いて説明する。

「あっ!見たことあるっす!」

「所々破壊されているって事は、陰陽道の力がほぼ皆無って言っていいだろうな」

 グルッと周りを見渡してから、先を急ぐ


「ここが自分の家です。汚いですけどどうぞ」

 そういって中に入ろうとするフォルガイム

「いや、俺とクモスケは外で待ってるよ。ここにはもう来れないかもしれないんだから、一人で行った方がいいだろう」

 フォルガイムは少し考えた後に答える。


「わかりました。じゃちょっと裏の公園で待ってて下さい、行ってきます」

 そういって中に入っていくフォルガイム。

 信吾達は言われた公園に向かいベンチに腰を下ろす。

 公園を見渡すとブランコ、滑り台、砂場、半分埋まっているタイヤ、埋まっているバネの上に乗って遊ぶ遊具がある。

「ちょっと暇つぶしに遊ばないか?クモスケ」

「遊ぶ!遊ぶ!」

 クモスケはピョンピョン飛び跳ねながら言う。


 滑り台、タイヤ、バネと試す。ここまでは普通に遊んでいたが、ブランコから信吾がふざけだした。

 ブランコに立って乗り、一番高いところでジャンプからの空中4回転ひねり、からのキレイな着地。完全に良い子は真似しちゃいけません状態。クモスケもそれを見たらやりたくなって信吾と同じ4回転ひねりを披露する。信吾を見てドヤ顔を決めるクモスケ。


 次に砂場に行き、最初から魔法を使い城を作り出した。それを見たクモスケも土魔法を使って砂場に大きな信吾の像を作り出した。二人で遊んでいたら不意に声がした。


「主さん、主さん、遊んでいるところ申し訳ござりんせんが、少し話を聞いておくんなんし」

 突然後ろから声をかけられて振り向くと、

「ザシキワラシ?か?」

 見た目がおかっぱ童女でちゃんちゃんこを着ている。

 見たまんまの容姿に思わず口に出してしまった信吾

「わっちの名前は座敷わらしのリンと呼ばれているでござりんす」

 信吾は目だけで周りを警戒する、が特に何も感じない。リンからも悪意も敵意も感じられない。

「俺は信吾、、向井信吾でこっちはクモスケ、で話ってのは?」

 クモスケも周りを警戒している。

「単刀直入にいいなんすね、わっち達を助けておくんなんし、時間がござりんせん」

「わっち達?やっぱり、何か周りがゾワゾワすると思ったよ」


 するとフォルガイムが戻ってきた。

「あれ?その子は?」

 何の警戒も無く走ってくるフォルガイム。軽く今までの流れを説明してから、信吾が話し出す。


「急に助けてくれって言われても事情もわからないし、いきなり信用できるかって言ったら信用できる方がおかしいと思わない?」

 信吾がリンに言う。

「わかりんした、事情は結界が壊れて怨霊やあやかしが復活してきているでありんす。低級のあやかしから徐々に時間が経つにつれて強いあやかしが力を取り戻して復活しなんし。今はまだ低級だけでありんすが、何者かに襲われ、殆どのあやかしが捕らえられてどこかに、、、、、、」

 信吾は顎に手を当てて考える。一気に話したリンにフォルガイムが気になった事を聞いた

「なんで花魁(おいらん)言葉?童女なのに?」

「そこ?お前の気になるところはそこなのか?」

 信吾が珍しく突っ込みを入れて続ける

「あのな、妖怪達って大昔から存在してるんだぞ?言葉が違って当たり前だし、、、察してやれよ」


 信吾は最初に廓言葉くるわことばに気付いたが、すぐに推測を立てた。

 なぜ廓言葉が生まれたかというと、その昔遊女達は出身地がばれない様にする為、廓言葉を使い出した。そしてなぜ廓言葉を使っているかは、おそらくその名の通り座敷わらしから連想すると、元々座敷わらしは一つの屋敷に留まり幸福をもたらす存在、故に留まっているうちに言葉が身についていったのだろうと推測した。


「わっちはかれこれ300年は存在してるでありんすが、それでもまだ若い方でござりんすよ」

 フォルガイムが驚きながら頷いている。考えがまとまった信吾が口を開く。


「やっぱり全部繋がってるな、多分さらったのは悪魔達の関係だろう。結界を壊したのも」

「やはり主さんは何か知ってるでありんすね。人並みはずれた身体能力と不可思議の術を使いなんし、邪気も悪気もござりんせんで、一縷の望みに掛けて姿を現したでありんす。どうか、どうかわっち達を助けておくんなんし」


ポツポツと雨が降りだした。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ