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第22話 朝飯前のカニ道楽

 翌朝、日の出とともに目が覚めた信吾は朝の身支度をして、軽い朝食をクモスケと一緒にとる。


 プレハブ小屋の外に出ると崩れ去ったレインボーブリッジ跡が見える。

 昨日は暗くて見えなかったが、ここは台場公園らしい。


 昨日の事を思い出して鳥肌が立ったがすぐに頭を横に振り後ろを向く。

 すぐそこにあるテレビ局を見上げる。


 プレハブ小屋を空間収納に入れて、飛行でテレビ局の玉の上に乗っかった。

 しばらく東京湾と海岸やお台場の景色を眺めながら悦にひたる。

 スマホで写真を撮るのを忘れない。


「さて、そろそろ出発しますか!」

 そういってクモスケを見るとピョンと跳びはねた。

 行き先はとにかく西へ、太平洋側を通りながら暖かい場所を目指す。目的なんてあるようで無いのだからゆっくり行こうと思い辺りを見渡す。

「あったあった」

 おもむろに国産高級車のドアを開けてエンジンをかける。ガソリンは満タンに入っている。


 クモスケを連れて車で走り出した信吾はまず西へ向かった。

 神奈川の横浜、鎌倉と観光名所を堪能した信吾は

「やっぱり車だと1日で周るのは少ないな、江ノ島でもちょっと遊びたかったけどもうあと一時間で日が落ち始めるよ」

 そういって江ノ島の海岸でプレハブ小屋を出した。

 ご飯どうしようか迷っていると、ふと思った。

 ここは海、ということは魚。

 魚でも釣って食べるかと思い近くにあった船に乗って風魔法で沖に出た。


 釣竿を出して糸を通しエサをつけて準備完了。

 正直言うと信吾は釣りなんて全くしたことがなくて、子供の頃に何度か父親に連れていってもらった程度だ。

 なので、ど素人同然だ。

 竿を振って飛ばし、しばらく待つ。

 するとバカでかいイカが出てきた。

 信吾は冷静にその大きさを推測してみた。見た感じ5メートル程か。


「ダイオウイカ?いや、普通のイカがでっかくなったのか」


 でかいイカが出てきたせいで船が転覆しそうになるが魔法で制御して陸へ引き返す。引き返しながらクモスケの糸でグルグル巻きにして引っ張っていく。

 陸に上がりそのままイカを浜辺に打ち上げて火魔法でこんがりと焼いた。

 クモスケに

「これって釣りって言うのかな?」

 クモスケは前足を横に振った。


 イカの足の部分を切って、残りは空間収納に入れた。

 イカゲソをマヨネーズと醤油で食べてみる。

「うまい!」

 そういってクモスケにもあげる。

 そのまま晩御飯にして、日が少しずつ沈んで行く。


 クモスケはイカを補食した後、脱皮をして、特殊能力のイカスミを吐いた。

 どうやらクモスケは微妙な感じだ。


 それを一部始終見ていた信吾は

「いや、それって使えるの?攻撃性なくない?防御にしてもアレだなぁ、、」

 クモスケは図星をつかれて少しイラッとした。

 ブーーーーっと音と共にイカスミが信吾に吐き出された。クモスケは嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねている。

「おーーーいぃぃー何すんねん!まっ黒けっけっじゃねーか!お前も真っ黒にしてやるっ!」

 言いながらクモスケに抱きつこうとするが、機敏な動きで躱される。

 近寄るなとばかりにまたブーーーーっとイカスミを吐き出した。


 一人と一匹で遊んでいる内に、あっという間に日が暮れて辺りは暗くなった。


 その日も終わり、次の日は早々に動き出した。


「昨日はあんまり遊べなかったから、江ノ島を堪能した後に走って西に向かうよ」

 クモスケは前足をあげて返事をする。


 箱根、熱海を経由して御前崎に到着した。展望台でしばらく景色を眺めてから、また移動を開始した。

 浜松辺りで昼食にして、一気に名古屋を経由して大阪に向かった。

 着いた頃にはもう薄暗くなっていた。

 目についたのが通天閣だ。

「よし、いくぞ!」

 通天閣の天辺を指差してクモスケ言った。

 腕と足だけで登って行くとあっという間に天辺に着いた。

 そこで1泊することにしてプレハブ小屋を出して晩御飯にする。

 食べ終わった時には辺りはもう真っ暗で景色も何も見えない。

 諦めて寝ることにした。


 翌朝目覚めて外に出ると辺りを見渡す。

 そこには壮大な景色と大阪の全貌が見える。

 大阪城、なんば、道頓堀と行き先を決めていく。

 スマホを片手に写真を撮りながら。


 すると、道頓堀付近に何か動く物が見えた。視覚に集中して見ると5匹のカニが動いていた。その先にはカタツムリがカニから逃げている。

「カニか、上手そうだな」

 ぽつりと独り言を溢すと、クモスケがピョンピョン飛び跳ねながらカニの方に前足を向ける。

「行くか?」

 クモスケは頷いた。

 空間収納にプレハブ小屋を入れて、クモスケを肩に乗せる。少し助走をつけて通天閣の天辺からダイブする。

「エスカルゴォォーーーーーーーーー」

 掛け声はただ言いたかっただけである。

 重力魔法と風魔法で一直線にカタツムリに向かって行く。ぶつかる直前に急停止してゆっくりとカタツムリの殻部分に乗る。

 そうカタツムリも通常よりかなり大きくなっている。軽自動車位の大きさで、対するカニは軽自動車よりも一回り小さい位の大きさだ。

 カタツムリはビックリして目を伸ばしてギョロギョロしている。ちょっとかわいい。

 そのままカタツムリに乗ったままカニに向かってファイアーボールを放つ。

 ボウッ!ボウッ!ボウッ!ボウッ!ボウッ!一気に5匹がファイアーボールに飲み込まれて真っ赤になった。微妙にまだ生きている。

カタツムリはビックリしすぎて伸ばした目をクルクル回している。かなりかわいい。

 次に片手剣を出して魔力を込める、そして上から振り下ろす。硬い甲殻ごと真っ二つになった。

 クモスケも負けじと前足を鎌状にして瀕死のカニを両断する。その調子で全てのカニを両断したクモスケはクルッと回転してカタツムリの殻と頭を切り離すように縦に真っ二つにした。


「えっ!カタツムリ斬るの?いや、そりゃそうなんだろうけど、何て言うか、、、容赦が無いな」


 クモスケは何言ってんだコイツは、みたいな感じで8つの目を細めて信吾を横目で見る。するとおもむろにカタツムリに食らいついた。


「えっ!カタツムリ食うの?いや、そりゃそうなんだろうけど、何て言うか、、、うまいのか?」


 信吾は昔、エスカルゴは上手いと聞いたことがあった。少し興味を持ったが止めておいた。確か下処理や味付けが大事みたいなことも言っていたのを思い出したのだ。

 カタツムリはクモスケに任せてカニを茹でることにした。5匹中4匹を空間収納に入れて残りの1匹を足と胴体に分けて鍋に入れた。だがバラバラにしてもまだ大きく、更に細かくして5つの鍋に放り込んだ。

 グツグツと煮たっている鍋に塩を入れて蓋をする。

 クモスケがカタツムリを食べ終わったと同時にカニがいい感じになってきた。

 そのまま朝御飯にした。

 文字通りカニとの戦闘は朝飯前となった。


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