第13話 エルフ達との話し合い
エルフ達と出会ってから、異変が起きてからの事について仮説を立てていた信吾はその仮説が正しいかどうかの質問をした。
サリオンは頷き、お茶を一口すすった。
「そうですね、一つ一つ答えたいのですが、、まず酸素濃度に関してですが大体その通りですね、火の大きさ、昆虫の大きさはそうですが、、昆虫の大きさは個体差があります、一番強い個体は補食し、体を大きくし、強くなります。大きさには種族的な限界はありますが。昆虫は特有の補食強化能力を使い魔物や他の種族に負けないように進化しました。そして、信吾さんの身体能力ですが、酸素濃度だけじゃなく、御神木の影響もあります。生物全ては御神木の聖気や魔力循環の影響下にあります。」
一呼吸つきお茶を一口すする。
信吾も頷き、お茶を一口すする。
(なるほどね、昆虫特有でよかった。クモスケもこれ以上は大きくならないかな?でも、やっぱり魔力、魔法があるんだな、マンマゴルの治癒魔法で確認済みだけど、、、、ん??いや、ちょっとまて蜘蛛って昆虫ではなかったような、、)
「御神木の聖気や魔力についてはすこしながくなりますが、、どこからどこまで話せばよいか、、」
サリオンが間をおいた時、横にいたティリオンが口を開く
「その前に信吾殿のことを聞きたいがよろしいかな?」
信吾は頷く。
「この世界に人間がいること事態がおかしなことで、、、ふむ、まず信吾殿はおそらく勘違いされていると思いますが、『自分はこの異変に巻き込まれた』と感じているかもしれませんが、逆です『巻き込まれに来た』と言った方がいいのか。そもそもこの世界はコピーされた世界で、いわゆるパラレルワールドを作ったということ、この世界にあえてコピーしていない物がいくつかあります。
発電所全て、軍隊の施設、武器関係全てを初めとしたある一定以上のエネルギーが必要とされる物、そして、人を含め体温のある動物全て、コピーしていないはず。それを何故いるの?と聞いてもわからないと思うのですが、なにか心当たりなんかは?」
マンマゴルも気になっていたのか大きく頷きながら信吾を見る。
信吾は眉間にシワを寄せながら、伸びてきた顎髭を人差し指と親指で挟むように撫でた。
「そうですね、多分異変を感じたのは昨夜遅くにトラックでトンネルを走ってた時で、その時に何らかの力でこちらに転移してしまったと、、何らかの力ってなんだ?」首を傾げて考える。
ティリオンが呟く様に言う
「なるほど、何らかの力か、、考えられなくもないが、普通の人間では考えられない、、こんなこと例がないからな、、いや、偏見は止めよう、、ううーん、、ん、、、」
2人で首を傾げながら考え込んでいる。するとマンマゴルが信吾向かって言う。
「信吾さん、もしかしたらですけども、今まで死にかけたこととかってあります?しかも何度も?」
信吾は答える。
「あぁ、何度かありますよ。そうですねザックリ言うと、子供の時に頭打って意識不明、医者に今夜が峠ですね、って言われたのとか、台風の前に海にいって波にのまれて溺れて助けられたとか、現場仕事で足場の上でお酒のんで酔っぱらって落ちたところ助けられたとか、工場の機械に巻き込まれて死にかけたけど怪我ですんだとか、自転車で走ってたら車に轢かれたとか、バイクでタクシーに突っ込んだとか、あとトラックにも突っ込んだな、、考えればもっとありそうだけどパッと浮かぶのはそんなもんかなぁ?」
ふとマンマゴルを見るとあきれた顔をしながら
「死にかけすぎですよ!よく生きてましたね!」
突っ込みをいれてから、一呼吸ついて再びマンマゴルは言う。
「人は死にかけると魂と精神力が内面で強化されます、要するに死ににくくなると言うか、ある程度の困難は乗り越えてしまう、そんな現象を昔の人は神の御加護と言っていたが正にその通りで、それを何度も経験すればするほど強くなるのが道理。通常では人は転移の力に耐えられずに弾かれてしまうが、信吾さんは耐えられてしまったと、そしてコピーの歪みの隙間をぬって転移してきたと、、」
そう考えると納得できる為、みんなで頷いている。「しかし想定外を考えて対策もしたはず、コピー後少し時間を置いた後、体温のある動物を探すため温度調査で地球全土をスキャンして調べたがそれらしき反応はなかった、心当たりは?」
マンマゴルが言うと、信吾は答えた
「あぁ、多分その時にサウナで寝てた、体温と同じ位の温度で少し暑かったけど、疲れてたし、少し休むつもりだったけど、ガッツリねちゃった。そのスキャンもサウナの余熱だと思ってスルーしちゃったとかかな?」
エルフ達4人は頭をかかえて固まっている。
信吾はお茶をズズズッと飲み干し
「おかわり!」と
わざと少し大きな声でコップを差し出す。
エルフ達はフリーズが溶けて動き出した。
「それで、その様子だと元の世界には戻れないと、、であれば今後の事だけど、どうなるのかな?何故この世界を作ったのか理由も聞きたいところだけど、大体の予想はつくかな、、多分元々の世界が危機的状況で退っ引きならなくなり作ったってとこかな?で、必要ないものは除外してつくり、今後危機的状況に陥った元々の世界の住民が引っ越してくる、そんなとこかな?」信吾がエルフ達4人に尋ねる。
それにサリオンが答える。
「そうですね、十中八九合ってます、が、住民が引っ越し、いや転移してくる前にやらなきゃならないことがあります、それは地下施設と、海や、川、山、森や、崖など自然のものも以外は全て消滅させて更地にする事、徐々にですが、、そうしないとアレがアレなので、、」最後の方は小声でゴニョゴニョ言った感じに聞こえた。
「なるほどね、でもなんでそんな効率悪いことを?最初からそういう風に作ってしまえば楽だったのに」
信吾が疑問を口にした。
「確かにそうですが、時間がなかった、というのが答えですかね。一つ一つ細かく設定する事も可能でしたが、色々な事情が重なり実現しなかったと。
そしてコピーでつくられる世界もまたとんでもない魔力とエネルギーと聖気が必要なのです、なので発電所などの大量にエネルギーを使う施設は細かく設定して除外したのです。要はいろんなものが不足して、後程徐々にエネルギーを溜めながらやっていきましょうと、ちなみに更地にする理由は、元々の住民だけでなく、魔物含めてありとあらゆる生物全てを転移させるだけではなく、国や、街、ダンジョン、地下施設など、地球の地形にあわせてバランスよく転移させるためです。」
「なるほどなるほど、ところで、地球って人口が70億人位いたんだけどそちらの世界では何人位いたんですか?」
「そうですね、、3億人位ですね、ヒト族、亜人種、魔族含めてですが」
「うん、やっぱり大分少ないね、それなら地球全土にバラけさせなくてもユーラシア大陸か、アメリカ大陸どっちかだけでも十分だね。
あと一つ、建物や、なんやらかんやらを更地にするのに、膨大なエネルギーを必要とするのは消滅させようとするからでしょ?なら消滅させずに埋めてしまえばいいんじゃないかな?住む場所だけをとりあえず消滅させて、それ以外を徐々に埋めて遺跡みたいにしちゃうとか?あるんでしょ?そんな魔法が?」
言葉のキャッチボールが続いてしばらく沈黙が続いた。
「なるほど、そうか、我々はどうしても地球にあるものは全て消滅させなければいけないと、そんなつもりでいたが、別に魔法で沈めてから土をかけるだけでも問題はないのか、確かにそれなら魔力だけの消費ですむということか」
納得といった顔で頷いている。
とりあえずキリがついたので一旦終了して、また明日話し合うことになった。日も暮れかけていて腕時計を確認すると5時を回っていた。




