第11話 物資調達と移動
「よし、行き先も決まったし早速準備するか!」
クモスケを肩に乗せて車に乗り込んだ。
エンジンを掛けると故障を疑う回転数だが、気にせずに走らせた。
肩から降りたクモスケは車の中をピョンピョンと跳ね回り徘徊している。
信吾は昨夜訪れたショッピングモールに行きホームセンターに向かう。「やっぱり鍵しまってるな」
そう、この現象が起きたのが昨夜23時過ぎの為、全てのお店が22時には閉まっていたのだった。
「なら搬入口のシャッターが空いてるはず」
信吾はお店の裏側にトラックの搬入口があり23時から0時までは業者が荷物を運んでいるのを知っていた。
すぐにお店の裏側に行き、搬入口を見る
「ビンゴー!やっぱ開いてたわ~思った通り!」スキップでもしだす勢いで中に入って行き、片っ端から使えそうなものは空間収納に入れていく。武器になりそうなもの、料理は出来ないが調理器具、キャンプ用品、毛布、タオル、下着、電池全種類、釣りは出来ないが釣具、いろんな用途の工具全部、
外にあるでかい木の板全部、
電気は止まっているが一応電化製品全部。発電機も考えたがガソリンに困るから、、と悩んだが結局全部収納した。空間収納は無限に入るし大きさも関係ない、使わなくても入れてて困らないので片っ端から入れた。細かいことは拘らなかった。
空間内は時間が止まるのも腕時計を入れて確認済みだった。
てことで次は食料の確保に向かう為歩きだした。「近くの畜産業者の倉庫が確か地下にある冷凍室で運が良ければまだ大丈夫なはず」チラッとクモスケをみると喜んでいるようにも見える。
ホームセンターから歩いて5分のところにある○○畜産に到着。
「うん、もう今さら何したって変わらないだろ」と言いながらドアノブに手を掛けて、バキバキっと音を立てながら鍵が壊れて扉が開いた。
地下に入ると真冬の朝方並みに冷気がまだ残っていた、通常ならマイナス25~30℃位まで下がっているが、この寒さならまだ大丈夫だと思い、大量の牛肉、豚肉、を空間収納に入れた。クモスケはやはりこの寒さに耐えられないので外で待機中。なかなか新鮮な肉をゲットして、また移動。
次はスーパーマーケットだが、冷凍物やチルド品なんかはもう痛んでる可能性があるので手を出さない、と思ったが火を通せばなんとかなるだろ、と思い収納。他にも米、缶詰、レトルトのラーメン、レトルトカレー、レトルトゴハン、調味料、野菜、果物、お菓子、飲み物、その他諸々。
「はい次ー」
そういって次々と靴や服、日用品などを片っ端から入れた。ただ腕時計だけは空間収納に入れてしまうと止まってしまうので、気に入ったヤツだけ1つ身に付けてあとは収納。
そして次に向かったのはパチンコ屋。
箱一杯に玉を積めて、それを10箱程収納する。
パチンコの玉は程よく重さがあり頑丈に出来ている、それを敵への遠距離武器として使うつもりだ。石よりも使い勝手がよく、今の信吾が投擲したら簡単に貫通出来るはず。ついでにメダルも同じ位入れておく。
次は薬局に行きふと気付いた、これ棚ごと入らないかな?と思い試してみると出来た。
店内を空っぽにして次に本屋、レンタルDVDと次々とお店を周っては入れていく。
「さてと、こんなもんかな~、忘れ物はないかな~」
キョロキョロしながら車に向かって歩いているとふと海コンと呼ばれているコンテナが目に入った、「これも収納~」
プレハブ小屋、
「これも収納~」
プレハブ物置、
「これも収納~」
自販機、
「これも収納~」
段々いい加減になって本当に必要なのかどうかわからないものまでいれはじめた。
目についた車を収納しようとしたときだった、
「キーがささってる、、」
横の車を見ると、やはりキーがささっていた。
信吾はハッと我に返る。
(、、、今までどこの駐車場も不自然に満車だった、そして道路上には1台も無い、、昨夜異変が起きた時に道路を走っていた車が人間が消えたと同時に、いたるところの駐車場に収まったと考えると、、動いていた車全てにキーがささってる事になる、、、!)
「ヒャッホーー」
只今お昼過ぎで、駐車場でのとんでもない事実が発覚した後、テンションマックスで好きな車を探しては収納、軽自動車から高級乗用車、SUV、ワンボックス、バイク、トラックまで、そして一番好きなスポーツカーを片っ端から入れた。
そして今はスポーツカーに乗って目的地に向かって走っている最中。
上機嫌で誰もいない、何も走っていない道路を疾走するのは最高に気持ちがいい。今は河口湖の近くで目的地にも近い。高ぶっている気持ちを無理矢理落ち着かせ
「ふぅー興奮したら腹減ってきたな、
クモスケなんか食うか?」
前足を上げながらクモスケは頷いた。
律儀に車を道路の端に寄せて停車する。
空間収納からパンと水を出してクモスケに空けてあげる、水はクモスケの大きさに合わせて大きめの茶碗にいれてあげる。自分もパンとビーフジャーキーとブラックの缶コーヒーを出して食べる。
「そう言えばクモスケ、チーズ選んでたよな、、はいよ」
剥いて上げると美味しそうに食べはじめた。「これも食うか?」そういってビーフジャーキーを差し出したらこれも美味しそうに食べはじめた。
そんな感じでまったりと過ごしていた。
完全に気が抜けていたその時、
急にぬっと車の周辺が影に覆われた。
「んぁ、あぁ蟻か、、って蟻デカーーーー」
おもわず二度見で驚いてしまった。
信吾の選んだ車はスポーツカーで車高が低く完全に蟻を見上げる形になっている。「おいおいおいおい!ジャイアントアントかよぉー」叫ぶと同時にアクセル全開、「シートベルトをおしめくださいーーーー」タイヤを鳴らしながら急発進、クモスケは後ろに吹っ飛ばされそうになったが上手く糸を出してシートベルトに固定する。ルームミラーで後ろをチラッと見ると、全部で10匹!さっきの一番でかいヤツ以外は小型犬位。小さいヤツはこのスピードについてこれて無いが、デカイヤツはものすごいスピードで追いかけてくる!
「くそっ!やるか!」
ヤンチャしてた若い時に培ったドリフトテクニックで振りきれるかと思ったが甘かった、フットブレーキをチョンっと踏んで軽く前に荷重を移しサイドブレーキを引いてリアタイヤをロックさせクルッと180度ターン、デカ蟻と向かい合いになりアクセル全開、ぶつかる瞬間にハンドルを切りデカ蟻を躱す、窓を開けてデカ蟻の後からついてきてる小蟻に狙いを定めてパチンコ玉をサイドスロー
「バスッ!」と音と共に小蟻の眉間を貫通した。
「よしっ!」
続けて2発サイドスロー「バスッバスッ!」
小蟻が2匹崩れたがその2匹が道を塞いでしまった為急ブレーキ!
すかさず降りて3連投で小蟻を沈める。
「あとデカイの入れて4匹か、、クモスケやれるか?」
答えを聞く間もなくデカ蟻が迫ってきた、デカ蟻は鋭い牙で足を狙って飛び込んで来た。
すかさず距離をとりつつ空間収納から取り出した金属バットを突き出して
「つまらないものですがどうぞ」
言いながらながら口に差し込んであげる。
同時にクモスケがすかさず窓から飛び出て向かってくる小蟻達3匹をあっという間に糸でグルグル巻きにして無力化完了。
バットを差し込まれたデカ蟻が牙を折られて「ギギギギギィィー」と悲鳴にもにた音を発して触覚の付いた頭を振り回して攻撃してくる、バットで受けるも軽く吹っ飛ばされたが、すぐさま体勢を立て直してバットでフルスイング!
本当はプロ野球選手のモノマネをしながら打ちたかったが止めておいた。正解だ。
「バコォォン」と音と共に蟻の硬い甲殻が割れて透明な体液が出てくる、完全に動きが止まって瀕死状態でかろうじて立っている感じ、「戦意喪失ってとこか」
ボソっと呟くと、クモスケがやってきて、ヒュンヒュンガブッ!っと
「喰うのかよ!」




