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第105話 一時帰還

「記憶を消すってなんとかならないのか?」

 トワが心配するように言う


「どうしょうもない、これは君達にとっても大事な事でもあるんだよ、わかってくれると嬉しい」

 ヨグ・ソトースが本当に悲しそうに言う。


 悲しそうにしてるヨグ・ソトースを見て信吾達三人も神妙な面持ちとなる。


「そうか、悲しいけど仕方がないんじゃしょうがない、、でもこれだけは覚えててくれ、短いやり取りだったけど、お互い本音で話せて心が通ったと思ってる。更に色んな事も教えてくれたって事は俺達を信じてくれたって事でもあるから、こっちも当然のようにヨグ・ソトースを信じる。その先に良い未来がやってくるって信じてる、だからまたいつかあった時には優しくしてくれよ」


「う、うん。ありがとう信吾君、でもこれ以上いると別れが辛くなるし、、、でもありがとう、短い会話だったけど、楽しかったよ、、やっぱりボクのいるステージとは違って別の意味で楽しかった、こんなに喋ったのも君達の概念で言うと140億年ぶりだから久しぶりだったし、、信吾君みたいな存在を見るのも初めてで、、あと、お茶もお菓子も美味しかった、、ありがとう」


 140億年という年月に実感が湧かず無意味に笑顔になる信吾。


 少し逡巡したヨグ・ソトースは更に続ける。


「信吾君、君の考えてる事は間違いじゃない、自分を信じて突き進めばきっと上手くいく。辛いかもしれないけど、頑張れ。またいつか会おう」


 そう言って消えていったヨグ・ソトース、時の精霊を連れて。


 ヨグ・ソトースは信吾達の記憶を消すとともに一つの能力を行使する。

 それはこの星に対して、時間の経過を遅くする能力を行使した。

 サービスとして時間を遡り、信吾達が来た時からとした。この能力はヨグ・ソトースにとっては簡単な事だが、能力を行使する事自体が珍しく、一部始終を見ていた地球の神は驚愕した。最初からヨグ・ソトースに驚いて半ば呆然と見ていたが、最後に能力を行使すると、それこそ暫く動けずにフリーズするのが証拠に。それほどまでに遥か上のステージの存在が下の為に能力を行使する事など無いのだ。


 そしてヨグ・ソトースが信吾の前から消えたと同時にアマテラスの前にヨグ・ソトースが現れた。


「地球の神の一柱、アマテラスか?」

 突然現れたヨグ・ソトースに一瞬戸惑ったが、すぐに腰を90度に折り謝罪するアマテラス


「ももも、申し訳ありませんでした!」

 後ろに控えているアラクネも90度に腰を折る。


「あぁ、見ていたと思うけど信吾には内緒だからな、ボクの存在」


「はい、分かっております」

「まぁ、確認も取らずに勝手に時の精霊を使ったことは不問としよう。神のルールも分かってるつもりだからな」


「ありがとうございます」

「うん」

 ヨグ・ソトースとアマテラスのやり取りを黙って聞いていたアラクネはひとまずお茶を取りにその場を離れた。


 低いテーブルにお茶を置き勧めるアラクネ

 長居をするつもりがないヨグ・ソトースは一杯だけ呼ばれる事にした。

 ソファに座ったヨグ・ソトースはお茶を啜りながら口を開く。


「全く、信吾君の方が神として適任なんじゃないか?」

 含みのある言い方をするヨグ・ソトース

「お、おっしゃる通りかと」

「なら信吾を神にするつもりはあると?」

「はい、一度提案はしましたが、やんわりと断られてしまいましたが、いずれは、と」


「ふーん」

 ヨグ・ソトースはなにやら考えてから再び口を開いた。

「信吾君達と悪魔達との戦いってどう見てる?」

「えっ?えっーと、なんとかなるのではないかと、?」


「ふーん、、信吾君自体はそうは思って無いみたいだけど?」

 アマテラスは面食らった顔をする。


「まぁ、それはいいとして、信吾君の邪魔をするなよ、そのまま信吾君を信じて待ってればいいから」


 そう言ってお茶を飲み干したヨグ・ソトースは立ち上がり片手を上げて消えていった。



 ***


 記憶を消された信吾達は空間転移で帰る前の記憶と繋がった。


「えっと、トワ?」

「どうした?」

 信吾がトワを呼び、続けてクモスケにも声をかける。

「クモスケ?」

「なぁに?」

 返事をするトワとクモスケ。何の異常はない。


 だが、何か違和感を感じた信吾


「何か変な感じになった、今??、、心の中でぽっかり穴が空いたような?」

「気のせいじゃないか?なんの違和感も感じないぞ?」

 トワが答えてクモスケも頷く。

「何か変だぞ?信吾ちゃん、やっぱり相当疲れてるね、早いところ地球に帰ろうか」


「お、おう、そうだな、帰るか」

 疲れてると、気のせいと、そう納得して違和感を払拭した信吾は空間転移を行使する。


 地球に戻った信吾達はすぐに志保達の元に行く。

 地球では信吾達の半分の時間、三ヶ月程が経過している。


「やっほーお久〜」

 軽い感じで信吾が志保に声を掛ける。


「お久しぶりてす」

 続けて一緒にいたマンマゴル、雄也、イズナも挨拶する。


 久々の再開にお互いの成果を確認する。


「皆結構強くなったんじゃない?特に雄也の変わり様は度肝を抜かれたよ」


 雄也は見事に脂肪を筋肉に変えていた。異世界のヘビー級戦士の風格まで出ている。背中に大剣を背負っていていつでも抜ける格好となっている。収納袋を使わないのは重さを活かしてトレーニングも兼ねているからだ。


 志保も一通りの属性魔法は使えるようになったが、重力魔法と空間魔法だけは出来なかった。

 今は障壁系の魔法を強化している最中だった。


「とりあえず休憩しないか?腹も減ってきたし」


 信吾の提案に全員が賛成する。



 皆でテーブルを囲んで昼ご飯にする。

 この後もトレーニングの予定だから軽く済ませることにする。


「こっちもかなり修行したから実力は伸びてるよ、特にクモスケとトワは底が知れないほど伸びてる」

「うわぁ~なんかヤバそうっすね、自分ついていけますかね?」

「雄也ならすぐ追いつくぞ」

 信吾と雄也の会話に疑問を持った志保が尋ねる。

「信吾さんは?どのくらい?」

 少し逡巡してから答える信吾。

「うーん、まぁ、そうだな、少しずつ?」

「信吾ちゃんは、いい線まで行ってるんだけどねぇ、いきなり気功操作やり出して気功波とか打とうとしてたね」

 ニヤニヤしながら言うトワに信吾は顔を赤くさせて反論する。

「いや、出ると思ったんだよ、てかいずれ出す」


「ふふふ、だから言ったじゃん、無理だって、あくまでも気ってのは超能力を行使する為のものだって」

「わかってるよっ!だけど俺は生命力が多い、、んだ、、ろ??」


 信吾が言葉につまりながらフリーズした。


「お、おい、信吾ちゃん?どうした?具合悪い?」

 フリーズした信吾を心配してトワが声を掛けるも反応がない。


「なぁ、トワ、クモスケ、俺の生命力か多いって言ったのってトワだったか?クモスケだっけか?」


「は?いや、知らないけど?何言ってるの信吾ちゃん?大丈夫?」


「あ、あぁ、何か変な感じになった、、かな?気のせいか、、」

 信吾が考えてると話しが進まなくなりそうだったのでトワが話題を変える。


「ところでもうそっちのグループもこっち側に来て一緒にやらないか?志保ちゃんももう一通りの魔法は使えるようになったんだよね?」


「いいですね!」

 トワの言葉に三人は声を揃えて答えた。


「私も今は魔力を増やす事と、障壁系の魔法を訓練してる所で、特に大きく伸びてるって感じじゃないんで、そっちの方がいいかも」


「そっか、なるほどね。ならこっち来て訓練メニューもガラッと変えたほうがいいかもね」


「メニューを変えるんですか?」


「そそ、雄也もイズナもね」

 言いながら雄也とイズナの方を向く。


「ですね~、自分もフォルガイムの姿と人間の姿は交互に訓練してますけど、ベースはあくまでフォルガイムなんでそっちでみっちりやりたいですね」


「オイラも志保に戻ってみっちりやりたいぞ」


 ワクワクしながら答える二人。


「そうそう、その通り、アタイが言おうと思ったやつ、志保ちゃんはあくまで後衛に徹する感じでフォーメーション組んで戦って見るのもいいかもね」


「フォーメーション?ですか?」


 なんとなくわかるような、わからないような感じの志保。


「そう、フォーメーション。志保ちゃんってさ、狙撃上手いじゃん?魔法も銃と一緒に使ってみたり、それを前衛の人と上手く合わせて敵にダメージを与える役目だね。ただフレンドリーファイアに気を付けないと味方がダメージを負ってしまうからそこら辺の連携かな」


 ハッとした感じで志保が頷いた。


「確かにその連携は練習しないとまずいですね」


「でしょ?でしょ?そうだよね?信吾ちゃん」

「んあ?あ、あぁ、そうだな、連携な」

 黙っていた信吾が我に返ったように返事をする。


「大丈夫?信吾、疲れてる?」

 異変を感じたクモスケがすぐさま信吾の隣で声を掛けた。


「いや、大丈夫だ、何でもない」

 一つ頷いた信吾は続ける。


「そうだな、向こうに行ったらチームで別れて模擬戦とかするのも有りかもな」

 気持ちを切り替えて答える信吾。

 全て気のせいと、疲れてるし、やはり伸び悩んでるのが精神的にキテるのだろうと自分の中で納得した。



 昼食を食べ終わった信吾達は早速移動するべくマンマゴル達に一言言いに行く。


「てなわけで、帰ってきて早々また出るけど、大丈夫?」

 先程とは打って変わってハッキリと喋る信吾。

「それは構わないが、あまり無理をするものじゃないぞ」

「あぁ、分かってる。休息も取るし危険な事はしないよ」


「ふむ、それならいいが、、」

 と答えたマンマゴルは思い出した様に続ける。

「そうだ、、言われてた計画、全て埋めてしまう計画だが、この三ヶ月で全てか終了した。もう地球の痕跡は残ってはいない。これで全ての任務は完了した」


「そうか、ありがとう。これで神様も安心だな」

 マンマゴルは深く頷いた。


「完全に地球が異世界になったのか、、感慨深いけど、、物思いにふけってる場合じゃないんだよな、今度はその異世界の地球を守らなきゃならないんだから、、なんか言ってて混乱してくるな」


「ははは、異世界なのか地球なのかってね」

 マンマゴルが信吾に合わせて笑顔になる。


「んじゃ、行ってくる」

 そう言って空間転移で例の星に旅立っていった。


「慌ただしいな信吾は」

 一言呟くとマンマゴルも動き出す。


 何から何まで信吾に頼るのはもう止めて、少しでも約に立つ様にと、サリオンとマンマゴル二人は悪魔達の動向を探ることにした。

 居場所だけでも掴めればと思い、まずはトゥトゥナの所へ行き情報収集など、出来る事を話し合うことにした。


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