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第101話 限界の先へ

 息も絶え絶えの信吾。

 すぐさまクモスケが信吾を支える。

「信吾大丈夫?」

 クモスケが心配して声をかける。

「あぁ、なんとか、サンキュなクモスケ」

 そう言って安心させる信吾。


 残った三体の霊獣達はトワによって帰還される。


「どう?信吾ちゃん強いでしょ?」

 と、トワが自慢気に言う。それに対して信吾は脱力しながら返す。


「メッチャ強いな、勝てる気がしない」

「そうでしょそうでしょ、だって四体同時ならクーちゃんだって無事ではすまないと思うよ、、まぁ勝てない相手ではないけどね。だからこそ一体一体はそれほどでもなく、連携を警戒してた信吾ちゃんは凄いと正直思ったよ。信吾ちゃんの戦闘のセンスが抜群で、カリスマ性があるのがわかったよ、更に更に苦し紛れとはいえ青龍をやっつけちゃうなんて大したもんだよ、うん」


「おだてるな、勝てなきゃ意味がない」


 まだ少し息を切らし、苦しそうに片手を上げながら答える信吾。

「そんなことはないよ、マジでさ、アタイとやってみてもアタイが負けるかもよ?」

「それはない」

 短く答える信吾。


「うーん、そうでもないんだこれが、実は信吾ちゃんの頭の回転の速さもそうだけど、色んな手段を持ってるのは強みだよ、奥の手を隠してここぞという時に使われるのは、こっちとしては対処のしようがないんだよね。まぁでもそれも最初だけで、初見殺しなんて対処さえ出来ちゃえば後は圧倒的なスピードの元、圧倒的な攻撃で叩き伏せればなんてことはないはず」


「上げて落とすのが上手いなトワの姉さん」



 そして治癒と休憩を挟み何度と無く霊獣達に挑戦する信吾。


 クモスケも負けじとトワに挑戦する。

 強くなっているのは確実で、トワも徐々にだが実力を伸ばしている。

 そして、クモスケがトワの攻撃や、多彩な術に対処出来るようになってからは、たまにトワが攻撃を受ける。

 それに高揚したトワは人の姿から龍の姿に変わってクモスケと戦う。

 龍の形態は基本のベースとなる攻撃、防御、スピードといった能力が格段に上がる。


 クモスケが苦戦する中、苦し紛れに獄炎ブレスを放った。

「カッカッカ、龍にブレスとはな、本場のブレスを見せてあげるよ」


 すると龍形態のトワは大きく口を開け強化ブレスを放った。


 両者の中間でぶつかったブレスは眩い光を帯びて一瞬拮抗するが、徐々にというか、明らかにトワのブレスが押し始めた。

 それもそのはず、本気なら一気に押し勝って、クモスケは死にはしないが、重体に陥るだろう。

 トワは手加減しているが少しずつブレスを強めていく。


 押し切られる、そう思ったクモスケは上空に飛翔し回避した。

 それを見逃さないトワは尻尾でクモスケを叩き落とす。


 勢いよく地面に叩きつけられたクモスケは背中を地面につけて空を見上げる。


「強いなぁ」


 そう一言言って意識を手放した。


 トワは人の姿に戻りクモスケをお姫様抱っこして信吾の元へと行く。

 信吾は霊獣達となかなかいい戦いをしていた。


「おーい、そろそろ休憩にしよう」

 と、トワが言うと信吾と霊獣達はビタリと止まって戦闘を終了させる。


「お、おい、クモスケ大丈夫か?」


「ちょっと気を失ってるだけだから、大丈夫。一応治癒魔法かけてあげて」


「分かった」

 信吾が治癒魔法をかける。ついでにトワと自分にもかける。

 その後休憩をとるが今日はこれで終わろうということになり、その日1日が終了した。


 それから更に数日が経つ。


 クモスケとトワは明らかに実力を上げている。

 さすが最強種のドラゴンとアラクネだと思い、種族の違いを痛感する信吾。


 ここ数日というもの、信吾は伸び悩んでいた。

 前に言っていた人間の限界なのではないかと、これ以上は伸びないのかと。

 悔しくなり歯噛みする所だが信吾は違った。

 限界なら違う方向から伸ばせばいいと思った信吾は、色々考えた末に5号がアップデートする前に気になることを聞いたのを思い出した。

 それというもの、5号のスキルの中に気功操作なるものがあった。教えてもらった事を頭の中で整理する。

 数分後考えがまとまった信吾は早速実践してみることにした。


 おもむろに座禅を組み丹田に集中する。

(あれ?これってクモスケと初めて出会った時にもやったな)

 と思いながら集中する。

 するとやはり前回と同じ様に幽体離脱してしまった。

(違う違うそうじゃないっ!これは神界に行く時にいつもやってるやつ、、そうじゃなくてもっと体中を巡らせる感覚をイメージ、、)

 幽体離脱から戻り、今一度やり直す。


 集中する、、周りが静かになった気がした。

 熱を感じる、、魔力でもない、、もっとサラサラした何かの熱を、、

 回り出す気功が丹田から背骨のチャクラ、頭の先、無造作に置かれた膝の上の手のひらを通って不思議な紋様を体内に描く。


(あ、これが5号が言ってたフラワーオブライフってやつか)

 と思った瞬間霧散した。


 集中が切れてしまった。

「ふぅーなんか一気に疲労感が、、」

 汗をかきながら息を整える。


「信吾ちゃん、僧侶にでもなったの?」

「うわっ!びっくらこきまろっ!」

 突然トワの声がしてびっくりした信吾。


「いや、気功に興味があってちょっと試してる」

「変な宗教にでも入ったの?」

「そんな訳ないだろ!俺は無神論者だし、やりたいことがあるだけ」

「無神論者って信吾ちゃん、君は神様にあってるよね?アマテラスちゃんに」

「あ、、まぁ、それはそれこれはこれ、、ははは」


 その後、暫くは気功の練習するからとクモスケとトワに断りを入れてから、もう一度挑戦する信吾。


 ここへ来て何故信吾は気功操作なのかと、何故気功操作を習得したいか。答えは簡単であった。漫画の知識で気というものを操れれば魔法とは違う気功波が打てるのではないかと信吾は思った。

 単純に子供の頃憧れてよく真似をしながら友達と遊んでいたからだった。

 それを実現したいが為に、5号の気功操作に目を付け、根掘り葉掘り聞いていたのだった。


 気功波が出るかどうかは別として、気功操作の基本は身体のメンテナンスのようなものだと言われている。身体のバランスや体調を整えてくれて、精神面でも心から落ち着かせてくれる。

 一般的に最も言われているのがエネルギーと、生命力の活性化と増幅、そして集中力、直感力、想像力の増幅とされている。


 フラワーオブライフをイメージして体内で気功操作をしてひたすら巡らせる。段々感覚を掴んできた信吾は、もっと精密にゆっくりと巡らせる。


 そして数日が経過した。


「大分慣れてきたな、そろそろ打ってみるか」

 そう言うやいなや、両手首を合わせて手のひらを前に突き出す。

「かーめー、、いや、違うな、、うーん、、魔は入れたいな、魔を倒す、、打倒?あ、いいね」

 それから数分。


「邪って使いたいな、それを滅殺するみたいな、、邪滅?」

 更に数分。


「気功波、、波は使いたいから、、うん」


「倒魔邪滅爆裂波、、、でどうよ、上出来だろ?俺としては」

 一人納得してから気を取り直す。


「では、行きます。」

気合いを入れて手を前に突き出すと、集中する。


「倒魔邪滅爆裂波ー!!・・・・・・・出ねぇじゃねぇか!」


「いや、なんで出ると思った?信吾ちゃんのやりたいことってそれ?かわいいとこあるぅー」


 遠くから信吾の様子を見ていたトワとクモスケが近くに来て声をかける。


 ハッとしてトワとクモスケを見る。


 トワとクモスケの接近に気付かなかった信吾は恥ずかしくなり顔が真っ赤になった。


「ち、ちがうんだ!これはその、体操というか、トレーニングだよ」

 苦し紛れに言い訳を言って誤魔化す。


「ほぅ、倒魔邪滅爆撃波と言うトレーニングかな?」

「倒魔邪滅爆撃波?」

 トワは薄っすら笑いながら、クモスケは真面目に聞いている。


「倒魔邪滅爆裂波な、爆撃じゃない、、ん?いや、ち、違うんだ、だって、、」


それに対してトワは、そこはどうでもいいけど、技名が長すぎると言おうとしたが止めた。


 追い詰められた信吾に何とも言えなくなったトワが言う。

「さすがに疲れてるのかもな、一旦帰ろうか?地球に」


「あ、あーそうだな、ここに来てもう六ヶ月は経ったかな?そうなら向こうでは三ヶ月って所だろ、ちょうどいいかもな」


 と、言う事で、とりあえず今日はもう休んで明日帰ることに決めた三人であった。


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