第95話 傘
その後、葵と本当に楽しそうに数分会話を交わしてミーコは去っていった。廊下で待機していたスーツにサングラスの給食委員には「お前ら、解散だ!!」と、大気が震えるような大声で一喝してた。
「行った?」
ミーコの足音が遠ざかると、ひょこりと音もなく何処からか海崎が現れる。
「海崎、お前、どこ行ってたんだよ」
「お手洗いよ。ていうか夜咲君、普通にそれセクハラよ。女の子が何も言わず姿を消した時はお手洗いと察しなさい」
「いや、お前、さっき『行った?』って、ミーコの存在確認してただろ?」
「……あら、そうだったかしら?」
全くこいつは……
「ユーリ、別にミーコは怖くないよ。優しいよ」
「まあ、葵は付き合い長いだろうけど、私は中学からだから、一年から給食委員長のミーコさんしか知らないのよ。普通にあの存在感は恐怖よ」
まあ、存在感はヤバかったな。
そのミーコを忘れてた俺の記憶もヤバイけど。
何で忘れてたんだ? あんな存在感の塊。
「葵はミーコとはいつからの付き合いなんだ」
「ミーコとは保育園からの友達だよ。小学校は別だったけど。中学で再会して直ぐ分かったよ。ミーコ目立つから」
あれ、俺負けてる。俺は葵と小学校低学年からの付き合いだし。
そうか葵とミーコは幼馴染みだったんだな。
安曇野は俺と葵とは違う隣の小学校だったか、この中学は近隣の三校の小学校が集まった中学だ。
ちなみに海崎と和人も俺達と同じ小学校だ。
と、そこにツルツルした頭の有Tが現れる。
太陽神よ、この雨を晴らしてくれ!
……だがそんな我ながら馬鹿な俺の心の叫びも虚しく。
「おーい、早く下校しろー。この後の予報だと雨が強くなるみたいだぞ。まあ、夜にはあがるらしいが」
げ、マジかよ。俺傘持ってねぇよ。
「耕平、どうしたの?」
固まる俺に葵が問いかけてくる。
「傘忘れた。あー、濡れて帰るか」
傘を忘れた俺が濡れるのを覚悟していると、葵とは反対の場所から声が響いた。
「あら、なら私の傘に入ってく? 送るわよ」
「海崎、いや、流石に悪い」
「別にいいわよ。部活休みだし、それに夜咲君の家にも興味あるし」
「寄る気かよ?」
「いいなら、お邪魔するわ」
「待って、待って、耕平、私も入れて!」
「あら、傘に入れるのは私よ」
「じゃあ私も入れる!」
何だ、何の話しになってるんだ?
「葵、落ち着け。なにテンパってるんだ?」
「う、うん、落ち着く……ユーリずるい」
「まあ、じゃあ三人で行きましょうか」
「うん、そうしよ」
あれ? 何か話が纏まってきたぞ?
え? こいつらウチ来るの?
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