第94話 世界平和2
「株ってのは儲かりそうで、そう簡単に儲かるもんじゃないぞ? 本当の成功者は1%も居ないだろう」
「そこはあたしの腕の見せ所さ。皆から預かった大切な金は何がなんでも無駄にはしないよ」
真剣な目だ。それに路上生活者の支援に拘るのは何か理由があるのだろうか?
「俺が口を出すことじゃなかったな。悪い。俺も応援してるよ。頑張れ、給食委員長?」
「お前に言われなくても頑張るさ。それにしても、夜咲、お前は手伝ってくれないのかい?」
「……まあ、手伝えることがあるなら可能な限り少しは協力するよ」
「期待してるよ」
「そう言えば安曇野」
「ミーコでいいよ」
「そうか、なら、ミーコ、給食の残りを集めてたのはお前か?」
毎日謎だったんだ。残った給食が何処かに運ばれていく。その奇怪な現象の発端はこいつじゃないのか?
「ん? そうだよ。それがどうかしたかい?」
「それを今日食う飯も無い奴に贈っていたのか?
それこそ路上生活者の人たちに」
な、何て、イイ奴なんだ。
スゴいな! 給食委員会。
まだ全然食べられる余った給食を廃棄にするのでは無く、今、食料を必要としてる人たちに届けるなんて、普通の中学生ができることじゃない。
ミーコの名は伊達じゃないな。
「いや、あれはあたしが食べてるよ」
ガクッ。と、俺はお笑い芸人張りにリアクションをしてしまう。てか、違うんかい!
俺の感動を返せ! いや、勝手な妄想だけど!
「あれだけの量を食ってるのか? 全校から集めてるんだろ? 何キロあると思ってる?」
「あれぐらい朝飯前さ。あたしは大食いだからね」
するとドヤ顔のミーコに葵が話しかける。
「でも、ミーコあれは食べ過ぎだよ。食べ過ぎは健康に悪いよ」
「あ、葵ぃ、でも残したら勿体ないし、何より食べ物に失礼だろ? あたしは食事は絶対に残さないのさ」
あれ? ミーコ、テンパってるぞ? 言葉も噛んでるし、もしかしてこいつ葵に頭上がらないのか?
「うーん、そうだけど。体調崩したらもともこも無いよ。私はミーコの身体のが心配だよ」
「あたしをそうやって気遣ってくれるのは葵だけだよ。ありがとう。食べるのは止めないけど健康には少し気を使うようにするよ。野菜を食べたりね」
「うん、約束。また家に遊び来てね。栄養価の高いごはん沢山作っておくから」
葵とミーコ家に遊びに行く仲なのか? これは知らなかったな。いや、タイムリープ前の葵の死後のミーコの行動を思えば不思議では無いか。
当たり前だが、俺が葵の知らないことまだまだたくさんあるんだな。
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