第92話 独白
「ごめん、私全部聞いちゃってたけど……よかった?」
今までの話をしっかり横で聞いてた海崎が申し訳なさそうにボブカットの髪を撫でる。
「まあ、分かってたけど。別に聞かれて不味い話しはしてねぇよ」
むしろ待たせて悪い気がする。
つーか、何で待っててくれたんだろ?
「ねぇ、知ってる? 私、ミニバスやってたのよ」
「いや、初耳だ。ずっとテニスだと思ってた」
「まあ、小五小六の二年だけだけどね。夜咲君のことはたまに見かけてたよ。夜咲君、目立ってたから」
……まあ、ミニバスは我ながら目立ってたな。
毎回得点の半分以上は俺が取ってたし。
「昔の話だ。まあでも、イイ思い出だよ」
「そう? でもカッコ良かったわよ? 私が言うのもあれだけど、本当にいいの? バスケ辞めちゃって」
「……大野にはああ言ったが、願わくばもう一度なんて考えたこともあったよ」
「じゃあ……」
「でも、どうしても中條と、折り合いが合わないんだ。大好きだったバスケを嫌いって言うまでになった原因は人のせいにして情けないが、あいつにある。だから中学ではバスケはもうしない。したくないんだ。もうこれ以上、俺はバスケを嫌いになりたくない」
崩れた関係はそう簡単には直らないんだ。
友人や身内ですらそうだ。部活の顧問と生徒となれば尚更、修復は難しいだろう。中條も自分が悪くても謝るタイプじゃないしな。可愛げのない奴だ。
「中條は私も嫌い。バスケ部の子がスゴい理不尽に怒られてる所も見たことあるもの」
「メンタル弱い奴はそれだけで色々と塞ぎ混んじまう。知ってるか? 毎年必ず一人二人はバスケ部を辞める所か、不登校にまでなっちまう奴がいるって」
「初耳。PTAは何とも言わないの?」
「問題にはなってる。でも、言っちまえば犯罪ってワケじゃないしな。でも、PTAは中條も怖いんだろうな、保護者の前ではご機嫌取りしてるよ。見苦しい」
ズル賢いというか上手くやってると思う。
人生なんて所詮ズルい奴が勝つんだよ。
「はぁ、まあこの話しはここまでだ。海崎、部活はいいのか?」
「聞こえない? 外の音、スゴい雨。この雨量なら今日は部活休みよ。最近は新入生の部活見学とかで忙しかったし、今日の部活休みはありがたいわね」
そんなご機嫌な海崎と共に教室に戻る。
たまには休みも必要だよな。
ちなみにバスケ部は週7、勿論雨天決行だけど。
あーあ、この雨だと桜は全滅だな。
通学路で桜見るの楽しかったんだけどな。
まあ、また来年……
あ、来年はもうこの学校にはいないのか。
義務教育だしな。留年もない。強制卒業だ。
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