第88話 清掃委員会
理科室に入ると俺らは最後だった。
う、皆の視線が辛い。まあ、でもチャイム前なのでちゃんと間に合ってますよー。
──て、げ!! 清掃委員会の担当教師──中條じゃねぇか! こいつ生活委員会とかじゃねぇの?
うわ、目があった。完全に俺の存在バレてるじゃん。最悪だ。こいつには関わりたくなかったのに!
そしてもう一人、俺のバスケ部時代に縁のある人物を見つけた。
その人物は俺とミニバス時代からの付き合いのある──大野隼人だ。俺に気づくと少し驚いた顔をした後に軽く手を振ってきた。
「3年2組、大野隼人、バスケ部の部長ね」
そんな様子を見てか、見なくてか、海崎が大野のプロフィールを簡潔に伝えてきた。
「お、正解だ。お前ら知り合いか?」
「中1の時、同じクラスだったでしょ?」
「ん、ああ、忘れてた」
ウチの中学は中二でクラス替えがある。
「あの人もモテるわよねー」
「何だ? 海崎の好きな人ってもしかして大──
げし!
痛てぇ、思いっきり足を踏まれた。正解か!?
「ち が う わ よ ? というか、名指しで質問はズルいんじゃない? 消去法にできるし。友達に大野君のこと好きって子がいるだけ」
え、ちょっと待て! それって葵じゃないよな?
またバスケにトラウマが増えちゃうぞ!? いや、落ち着け、俺、もし葵のことなら、海崎は友達ではなく親友という筈だ。
海崎の交友関係は詳しくは知らないが、部活もやってるし、普通よりかは広いと思う。その為、その友達と言うのが葵の可能性は低い。
「全員集まったな。じゃあ、委員長と副委員長と書記を二名決めろ。まず、委員長、立候補手をあげろ」
中條が立候補者手をあげろと言うが、その視線は委員会全員にでは無く、バスケ部の大野隼人に向けられていた。お前やれよ? と言う無言の圧力だ。
中條のバスケの指導方針は学校生活との両立、どころか、バスケ部が上に立つような教育方針だ。
具体的には中條の担当科目の英語の授業ではバスケ部が中心的に当てられたり、今回のような委員会活動の委員長などを半ば強制的にやらされたりする。
バスケ部はその伝統が受け継がれており、中條の言葉には前ならえだ。ちなみにPTAは中條信者と中條アンチの正反対に別れる。PTA同士でぶつかることはまず無いがPTAからの苦情は中條の数少ない弱みの一つだ。頑張れ、PTA!!
「はい、俺、やります!」
あーあ、早速、大野は嫌な顔一つせず中條の期待に応えて委員長になっている。中條は満足そうにうんうんと頷くと、じゃあ後は大野任せた。とばかりに椅子に座る。これだからバスケ部は……
バスケ部員はお前の道具じゃねぇつーの。
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