第80話 一人ぼっちの夜
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その日の放課後、葵は「今日は演説文書かなきゃだから、急いで帰るね! 部活も休んじゃう!」と、テキパキと帰って行った。ちょっと寂しい。
他はと言うと丸芽が「夜咲君、僕頑張るね! 僕だってやる時はやるんだ!」って、帰って行った。
驚くことに文章を書くの何て絶対苦手なハズの藤林までも「予言しよう。明日のクラスは俺の演説で大いに盛り上がる。給食委員に恥じない演説を見せてやるぜ!」と、超前向き。高笑いで帰って行った。
あいつは間違いなく落ちるな。うん。対抗馬の桐生が強すぎる。
つーか、我ながら対抗馬って普通に言ってるけど、だから、何なんだよ! 給食委員会!!
葵にも聞きそびれたし。
和人は部活行っちまって聞けないし。
他に聞けそうな海崎は……どこ行った? あ、あいつも部活か。
仕方ない大人しく帰って野菜ジュースでも飲むか。
トボトボと一人、夕暮れの帰り道を歩く。
少し寂しいけど何処か心地のイイ不思議な感覚だ。
一日が終わる、しかも『俺は一生懸命今日を生きたぞ!』と、胸を張って言える達成感と共にだ。
変わりばえも、意味も、何もない、つまらない、あのタイムリープ前の日々とは大違いだ。
歩道の白い所だけ歩いていたら、軽トラにクラクションを鳴らされ怒られた。すいませんね。小学生や中学生の男子は年に何回かは白い線だけ歩いてみたりするんですよ。ちなみに、この行為に得に意味は無い!
強いて言うならば、意味の無いことをするのに意味があるのだ。一人の学校の帰り道何てそんなものさ。
家に帰り、もぞもぞと冷蔵庫を漁ると。
な、無い! 野菜ジュースが!
あ、今日は朝食で一パック開けちまったんだった。しまった。野菜ジュースを切らすとは……
夜咲家に訪れた由々しき事態に俺は頭を抱える。
(仕方ない、買いに行くか)
コンビニでもイイが、コンビニはいかんせんコスパが悪いので近くのスーパーに足を運んだ。
中学生はお金が無いのである。ジュース一本の数十円の差は大きい。塵も積もれば山となる。貧乏な夜咲家は少し少しの節約を大事にするのだ。
これは自宅警備員時代に俺は学んだ。家計のピンチを節約でやりくりするのは自宅警備員の数少ない大切な仕事なのであります!(敬礼)
野菜ジュースを三日分(三パック)ほど、買い込み、家に帰宅するとラップに包まれた夕飯が置いてあった。母さんは仕事に出掛けたらしい。
買ってきたばかりの野菜ジュースを開け、夜、ぼっち飯……じゃなくて、ソロディナーを始めた。
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