第6話 教室
「あー、それで俺4組だっけ?」
「自分のクラスも忘れたの? 頭イイ癖に」
その間にテキパキと上履きに履き替える葵。
「お、覚えてるよ。えーと、俺の靴は……」
「3年4組、出席番号38番、夜咲耕平君、教室に行きますよー。まったく、耕平、重症だよ。自分の下駄箱分からなくなる何て」
仕方ないだろ15年も前の下駄箱何て覚えてるワケがない。……とは、言えず。
「……悪い……」
これまた謝罪を繰り返す。
「いや、別に謝らなくていいんだケドさ……まあ、いいや、早く行こ。この様子だと教室の場所も覚えてなさそうだし?」
「う……お願いします……」
図星を突かれた俺は大人しく葵の後を追う。
「ほんと重症……」
「俺はやっぱり変か?」
「え? うん? まあ、耕平は変わってると思うよ? でも、耕平は耕平でしょ? バカなこと言ってないで早く教室行くよ。予鈴鳴っちゃう!」
急ぎ足で、でも廊下は走ること無く、俺たちは教室へ向かった。
校舎に入ると色々と思い出して来た。この階段、何回も何回も登ったな。転んだこともあったっけな?
校舎の二階の真ん中に位置する、その教室が俺のクラスだ。
「間に合ったね」
「そうだな。で、俺の──」
「耕平の席は私の隣で同じ班だよ。一昨日の席替えの日に休むんだもん。私が耕平のくじ引いたんだからね。まあ、結果的によかったんだケド……」
俺の席ってどこだっけ? と、尋ねようとしたら先読みされ答えられてしまった。
これまた葵に付いていくと窓側の一番後ろという中々の席を獲得していた。
席に着くとクラスの視線が集まる。今度は何だ?
すると一人のクラスメイトが俺に話しかけて来る。
「ここここ、耕平、お前、どうした!? こんな時間に? 今日は雪でも降るのか?」
話し掛けてきたのは斜め前の席の野球部の道川和人だ。少し髪が伸びた坊主頭だ。
タイムリープ前は高校は別れてしまったが中学では、よく話した方の奴だった。数少ない友達と言ってもイイかもしれない。
「おはよう、和人。イイ天気だな。後、残念ながら、この気温じゃ、今日は雪は降らねぇぞ」
でも、桜の咲く日に雪と言う光景は見てみたくなくもない。確かタイムリープ前にネットニュースで4月に雪が降り、桜と雪のコラボレーションが長野や山梨で、激写されたとか見た記憶があるな。
「なんかお前、雰囲気変わったか? 少し大人びたような……」
「べ、別にそんなことねぇよ」
意外と鋭い野球部に俺は言葉を噛む。
「今日の耕平、少し変だよね。まあイイんだけど。朝から学校来てくれたし。それに折角席が隣になったのに、三日目にしてやっと来てくれたよ。うん、満足」
「つーか、朝お前、月島さんに抱きついたんだってな!? クラスで噂になってるぜ?」
うっ……マジか。
すると今までずっと前を向いていた俺の前の席に座る黒髪ボブカットの中学生にしては随分と胸部の発育の良い、女子が話しに入ってくる。
「それ私も聞いた。葵がコクられてるんじゃないかって噂になってる。夜咲君泣いてたらしいし、フラれて泣いてたのか、オーケー貰って泣いてたのか議論中。でも、仲良く二人で教室に入ってきたってことは……」
ニヤニヤと笑うこいつの名前は確か海崎遊莉。葵とは仲が良かった女子だ。
「ちちちち、違うよ! 別に耕平に告白なんてされてないし、それにあれは耕平が寝ぼけて──!」
──キンコンカンコ──ン。
葵の言葉を遮るように懐かしい予鈴の音が学校に響いた。ああ、何か学校って感じだな。
「ああ、もう予鈴のタイミングわるいっ! とにかく告白されてないからね!」
顔を赤くしながら、ピシッと、葵は海崎の話を否定すると、静かに椅子に座った。
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