第58話 学校の友達10
海崎の家は葵の家から割りと近かった。方向は少し違うけど。まあ、同じ小学校、中学校なら、別に不思議は無いか。
古い俺の家とは違い、築5、6年の新築らしき白い壁の海崎の一軒家は、やけに物静だった。
家のすぐ横にある車二台は止められそうな車庫には一台も車はなかった。
変わりに海崎の表札には、隼人、千恵子、遊莉、千香、みゃー、としっかり名前が書かれていた。みゃーは誰かな? 猫かな? 猫だよな。犬ではないハズ。
お邪魔します。と、恐る恐る家に上がると、家の中はしーんと、やはり静まり返っていた。
「あ、家ね、両親共働きでしかも飲食業だから土日も仕事なの。妹は山に芝刈りに行ってるわ」
「おい、唐突にボケるな。俺は突っ込ねぇぞ?」
平成の世で何処に山に芝刈りに行く小学生(妹)がいるんだよ。妹可哀想過ぎるだろ!
「隣の市にある〝海七〟って、海鮮料理屋知らない?」
(〝海七〟……〝海七〟……)
「!」
俺が気づいたような反応をすると海崎は満足そうに笑いながら話を続ける。
「あれ家のお店なのよ。海鮮丼がお勧めよ。原価が一番高いんですって。まあ売上も一番高いらしいけど」
へぇ、海崎の家は料理屋だったのか。
〝海七〟タイムリープ前も行ったことは無いな。
つか、芝刈りの件はスルーですか。そうですか。
「今度気が向いたら行ってみるよ」
そんな定型文みたいな返事をすると、海崎が急須で煎れた温かい緑茶とお饅頭をたくさん乗せた茶色く丸いおぼんを持ちながら、
「私の部屋はこっちよ、付いて来て」
と、遊莉とハート型のネームプレートの飾られた二階の部屋に案内される。
そんな時だ。バタバタと玄関の方から誰かが入ってきた音がしたのは。
海崎の顔を見ると『え、何で?』みたいな少し困った顔をしている。あれー、もしかしてお父様じゃありませんよね?
葵パパは然り、父親と言う生き物は可愛い愛娘の異性関係には敏感なのだ。そこらのヤクザより怖い。
バタバタバタと足音がこちらに近づいてくる。
バタン! と、開かれた扉からまず目に入ったのは、鋭く光るのは刺されたらひとたまりもないであろう刃物は──鎌だ! ……は、鎌!? 何で?
「お姉ちゃんが彼氏連れてきたぁ!」
右手に鎌、左手にストラップの付いた鍵をもった。小学五年生ぐらいの黒髪のツインテールの少女は、海崎パパ……ではなく、海崎妹だった。
え? これどういう状況? って、海崎を見ると額に手を当てた海崎が「はぁ……」と、大きな溜め息を吐いていた。
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