第48話 モヤモヤ
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時刻は黄昏時、日が沈み始め、赤い夕日が、少し寂しげな街を照らす。
俺と同じく学校帰りの学生、まあ大半が部活帰りだろうが、それに中にはこれから塾に行く、まだ勉強をする奴もいるだろう。学生って変な社会人より忙しかったりするんだよな。金は一銭も貰えないのに。
その横では行き交う家庭自動車に強い排気ガスを噴出する仕事中の大型トラックが走り、仕事帰りのサラリーマン、空には二羽で飛ぶ真っ黒な番の鴉までいたよ。『カァー』だってよ。昔、そんな歌を聞いたな。
懐かしい匂いのする、15年と8ヶ月ほど前の街を歩いていく。
でも、頭の中は葵が告白されていたことで一杯だった。恋って凄いな。こんなにも世界が楽しいのか。
同時に些細なことでスッゴいヘコムんだな。断ったってのに葵が告白されている場面が頭を離れない。
まあ、好きな人がいるって方が驚いたけど……
ああ、もうっ、中学生かよ! あー、うん。中学生なんだよな身体は、中身は三十路だけど。
でも、思ってることは中学生と一緒って、三十路の俺の精神年齢ヤバくないか? ある意味中二病だよ。
もやもやしながら帰宅すると、母さんが「鳥幸食堂に行くわよ」と言ってきた。気分的に飯を食べる気分でないので「今日は飯はいいや」と言うも「ダメよ、ちゃんと食べなさい」と、車で連行された。
うへぇ、食欲ねぇー。今は葵のことしか考えられない。飯とか本当に今はマジで要らない。これが15年振りの鳥幸食堂とかならアレだが、昨日食ったしな。
「いらっしゃい。お、何じゃまた耕坊か、昨日振りじゃの、今日は二人か、まあゆっくりして行けいの」
「ああ、邪魔するぜ。松爺」
「お邪魔しますでしょ! 梅松さん、すいません。いつもウチの息子がお世話になっていて」
「ほっほっほ、なあに気にすることは無い。気遣いも無用じゃ。孫みたいなものじゃからの、耕坊は。わしに子供がいたら、丁度耕坊ぐらいの孫がおったかもしれん。そう思うと可愛くての、つい甘やかしてしまうわい。っと、老いぼれの話は退屈じゃろう、注文はいつもの醤油ラーメン2つでよいか?」
「はい、それでお願いします」
「あ、松爺、今日は普通盛りで頼む」
「はいよ、ちょっと待っとれ」
余談だが、聞いた話だと松爺は俺が生まれるよりもっと前に奥さんがいたらしい。だが、若くして病で亡くなってしまい、子供もおらず。かと言って新しい女性を見つけるワケでも無く、この歳になってまで奥さんを思い続けてるらしい一途な人だ。
結婚指輪はわしの数少ない宝物なんじゃよ。と、昔、一度だけ見せてくれたことがあったっけな。
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