第47話 学校の冒険6
小一時間そこにいただろうか。少し春の風が涼しくなってきた。つーか、頭に桜の花弁が積もってて何か痒い。桜の木が俺を応援してくれてるのかな。
『次に咲くのはお前だぞ!』みたいな感じで──って、なんてな、俺の春は随分と先みたいだ。桜さん。
つーか、来ない可能性まである。実際タイムリープ前は春なんて夢のまた夢の話だったし。
そろそろ帰るか──と、本当に重い腰を上げて帰宅しようとすると。
(──げ、また中條だ)
体育館の外でタバコを吸っているみたいだ。つーか、いくら外とは言え、学校敷地内で吸うなよ。
お前、教師だろ? しかも生活指導教員のくせに。
上履きで体育館裏を彷徨ってた事がバレると、まず間違いなく怒られるので俺は中條に気づかれないよう、ひっそりと校舎に戻る。
部活見学の一年はもうこの時間には下校してるらしく、残っているのは二年と三年だけみたいだ。
すると俺は下駄箱でそいつに出会った。
「あら、こんな時間に珍しい顔に会ったわね」
「そっちは珍しい格好してるな。寒くないのか?」
会ったのはテニスウェアを着た、海崎遊莉だ。半袖にミニスカ(多分スパッツ穿いてる)なので四月の春の夕暮れには少し冷えが来てもおかしくは無い。
あー、今思い出したがテニス部だったなコイツ。
「少し冷えてきたわ。私は部活中だけど夜咲君はこんな時間まで何してたの? また有Tに出席日数のことで何か話しでもされてた?」
「いいや。えーと、ちょっと学校探検を少しな」
「ふふっ、何それ? 何か見つかった?」
「懐かしい物と者、それと出来れば気づきたくなかった部類の現実を少々。後は学校敷地内喫煙教師を見つけた」
「本当に何それ? 夜咲君やっぱり変わってるわね。特に最近ここ数日で変わり者度合いが増したわよ」
クスクスと海崎は楽しそうに笑う。そしてそっと俺の耳の近くに顔を寄せ小さな声で囁いた。
「で、今日は好きな子に会えた?」
ぶっ! 予想外の発言に俺はむせる。
「お前なぁ……他人事だと思って楽しんでんだろ?」
つーか、近い! 後、イイ匂い! 女子中学生、犯罪! 三十路! 引きニート! あ、でも今は俺も身体は中学生か。なら、合法? 合法なのか?
「ええ、まあ他人事かはともかく楽しいわよ。知ってる? 女の子は恋の話が大好きなのよ?」
「知ってる。つーか、他の奴に言うんじゃねぇぞ?」
海崎は口が固いとは思うが、忠告をしておく。
「えー、いーじゃない盛り上がるわよ」
「盛り上がらねぇよ。俺の恋愛話なんて」
「そんなこと無いわ。盛り上がるわよ。一部では」
どこの一部だよ? と、聞こうとするが、その前に海崎は、
「あらイケない。そろそろ戻らなきゃ。じゃあね、夜咲君。気を付けて帰るのよ」
と、走り去ってしまった。
あいつもかなり自由だよな。
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