第32話 日曜日の過ごし方
*
翌日、みんな大好き日曜日の昼間。俺はとある店に向かっていた。
和人には今日は予定があると言ったな? あれは嘘だ! ……何て酷いことはしない。本当に予定ありだ。
ちなみに和人と海崎には『昨日は寝落ちした悪いな』と、メールをいれといた。
すると海崎からは直ぐに返信があり、
『そう。で、好きな人はいるの?』
と、めげずに聞かれたので、すっとぼけて、好きな国民的男性アイドルグループのメンバーの名前を送っておいた。好きな女の子とは聞かれてないもんな。と、俺は頓知を聞かせる。
だが、ちょっとしつこい海崎さんは、
『……。私の聞き方が悪かったわ。好きな女子。もっと具体的には異性で恋愛的に好きな人はいるの?』
と、来なさった。
思春期真っ只中の中学生は好きな人がいても、恥ずかしがって好きな人はいないとか言う奴は結構いる。
だが、経験談から言わせてもらおう。それはダメだ。好きな人がいるって言うのは全くもって恥ずかしいことではない。寧ろとても素敵なことなんだと。元三十路の引きニートですら思う。あの時の俺みたいに後悔だけは残さないのがいいと断言できる。
なので俺は一歩前に踏み出してみることにする。
『いるよ。イイ片思いをさせてもらってる』
海崎にそう、偽り無く返信をした。
つーか、何でこんなこと聞いてくるんだ? この思春期のクラスメートちゃんは。
そんなことを思いながら、信号待ちをしてるとまた携帯が鳴った。勿論、差出人は海崎遊莉だ。
『驚いた。というか、返信来ないと思ってた。返信率悪いって聞いてたから。ちなみに誰?って聞くのは野暮なのでしょうね。でもまあいいこと聞いたわ。イイ片思いが両思いになることを陰ながら祈っているわね。頑張って☆』
メールを読み終えるとパタンと俺は携帯を閉じる。メールはここまでだ。少し不安も残るが言いふらしたりする奴ではないのは分かっている。
でも、何故そんなことを聞いてきたかは疑問は残るが、多分別に意味なんて無いだろう。『ふーん、そうなんだ』ぐらいで終わると思う。女子とは好奇心は旺盛だが、飽きやすい生き物だと本で読んだ気がする。
するとポツポツと雨が降り始めてきた。あー、こりゃ強くなりそうだな。傘持って無いんだぞ。
好きな人います何てらしくないこと言ったから、雨が降ってきたんですかね、神様?
つーか、神様。リリスは俺のこのタイムリープをどこからか見てるのか? うわ、そう考えると急に恥ずかしくなって来たな。
……まあいいか。そんなことより今は雨が本降りになる前に目的地に急ごう。
と、俺は軽い足取りで目的の店まで走るのだった。
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