第27話 葵の家5
「ちなみに場所まで忘れてないよね?」
「確か京都奈良だろ」
タイムリープ前の葵の土産の八つ橋が無ければ忘れてたな。いや待て、葵のことだ。沖縄でもなんかお土産っぽいし。って理由で八つ橋を買ってきても可笑しくはない。ちょっと天然だし、葵……
「流石にそれは覚えてたみたいだね。今から楽しみだな。修学旅行♪ いろんな所を観光して、美味しい物をたくさん食べるんだ♪ バスの長旅もいいよね♪」
本当に楽しみなのだろう、葵はご機嫌に話す。
修学旅行か、俺も楽しみだな。その物凄く。
「そりゃ楽しそうだな」
「それだけ? もっとあるでしょ?」
もー、とムクれる葵。
「──楽しみだよ。楽しみで仕方がないんだ。思わず、躍りだしちまいそうだ。それぐらい楽しみだ」
本当だ。と、付け足すと、葵は目をパチクリさせて、不思議なものを見たような顔をする。
「耕平変わったね。何か大人びた感じ? 何かあった?」
逆だ。何もなくてこうなったんだよ。普通の人なら当たり前にあった筈の宝物のような時間を無駄にただ浪費して過ごした。それが悲しいぐらい長く感じた。
「何もなかったよ」
「でも、心境の変化はあったんでしょ?」
「まあ、それはな」
「聞かせてよ……気になるじゃん」
「また今度な。長くなるし」
「えー、長くても聞くよ」
そう言われても未来からタイムリープしつ来ました。何てある意味、中二チックな事は中々言えない。
つーか、タイムリープして来た今からすると、あの引きこもってた時間は──長い夢を、長い長い悪夢を見ていたかのようにしか思えない。
でも、きっとあれは現実で。こっちが夢なのかも知れない。いや、両方現実なのか。あー、もう頭パニクってくるぜ、いきなりタイムリープ前に戻ったりしないよな!? 神様──そしたら俺引くぐらい泣くぞ?
「つーか、葵、宿題はいいのか?」
ここで俺は家に呼ばれた理由である筈の宿題が手付かずなことに疑問を抱く。
「? 宿題? ……あ……」
「あ、じゃねぇよ。その為に俺を呼んだんだろ?」
つーか、期末テストの勉強とかならともかく、たかが中学の宿題をわざわざ見ると言うのは、どうなのだろうか? いや、1を素数だと思ってた葵のことだ。結構、たかが宿題でも頭を悩ませているのかも知れん。
「あはは……うん、宿題。わ、忘れてないよ……!」
いや、絶対忘れてただろ? コイツ……
そう言うと慌てて葵は学校の鞄から宿題のプリントと筆箱を取り出して来て、今度は向かいに座る。
「じゃ、じゃあ、よろしくお願いします!」
「はいよ、宜しく。で、どこが分からない?」
「え、分からないの前提っ!?」
「訂正があるなら聞くが?」
「何もありません。最初から分からないです」
……前途多難じゃねぇか……全く……
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