第22話 ゲームセンター2
開いたアームはぬいぐるみの下半身を潰すように降りていく。一見、下手くそなミスに見えるだろう。女の子も『この人下手』みたいな感じで見てくる。
隣に来た葵も不思議そうにぬいぐるみを見ている。
たが、狙いは上々だ。後は上手く持ち上がってくれればいいが。
閉じた右アームはぬいぐるみのタグの間にガッチリと入っている。
そのままプー様のぬいぐるみはタグに引っ掛かり持ち上って獲得口にプー様のぬいぐるみは落ちてくる。
「凄い! 取れたよ、耕平!」
無邪気に葵は凄い凄いと声をあげる。そしてこれには小さな女の子もビックリ、お母さんも目を見開いている。そんな大層なことじゃないのにな。
「ほれ、持ってきな」
ぽふっと俺はさっきの小さな女の子にプー様のぬいぐるみを渡す。
「え、お兄ちゃん、プー様のぬいぐるみくれるの?」
「ああ、俺は要らないしな」
そう言うと小さな女の子は『わーい!』と、プー様を掲げあげて、見て見てと母親に見せびらかしている。
「す、すいません。本当にいいんですか!?」
女の子のお母さんは中学生の俺にも丁寧な言葉遣いで話しかけてくる。
「ええ、大丈夫ですよ。むしろ返されても困ります」
「でも、せめて100円を。あ、財布の中身の12400円を使い果たして無かったんでした……! ATMもここには無いし、どうしましょう!?」
パニクるお母さん、この人は少し天然だな。
てか、12400円も使ったのか……
「あー、本当に大丈夫なんで、気にしないでください」
行こうぜ。と、葵に言いその場を後にする。「本当にありがとうございます」と何度もお母さんに言われた。小さな女の子も「お兄ちゃん、ありがとう! プー様、お父さんと違ってふさふさだ!」と、ご満悦。さっきの初老の研修中の男性店員もよかったねと喜んでる。こういう店員は増えることを祈るよ。つーか、親子が取れなかったのは店のシステムが悪い。
……で、それで俺が今気恥ずかしい原因なんだが、
「凄い、凄い偉いよ! 耕平、私感動しちゃった!」
キラキラとした目で俺を見てくる葵だ。
「耕平って、無愛想だけど、優しいよね♪」
「無愛想は余計だ。まあ、自覚はあるけど」
「ヒーローみたいでカッコよかったよ、耕平♪」
何故か嬉しそうに笑う葵は上機嫌だ。
「100円でヒーローになれるなら安いもんだな」
「もう、値段じゃないよ。でも、うん、カッコよかったかな」
「そりゃどうも」
女子にカッコいい何て言われたの何年振りだろうな。タイムリープ前の引きこもってた13年間には言われた記憶は無いな。でも、タイムリープ前も俺をカッコいいと言ってくれたのは葵だった気がする。
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