第19話 映画館
「はいよ。お待たせ」
「わ、ありがとう。お金ほんとにいいの?」
「ああ、母さんには俺から礼を言っておく」
「それは自分で言うよ。後で耕平のお母さんにメールしとくね」
「……は? 待て何で家の母親のメアド知ってんだよ」
『俺の片想いの幼馴染みが家の母親とメル友だった件』とかそんなありふれたタイトルで小説投稿サイトに一作品投稿されてそうな事態が現実に起こっていることに俺は戦慄する。
「半年ぐらい前かな、耕平の家に迎え行った時に交換した。その日も耕平、部屋に鍵かけて寝てて起きなかったけど。しかも普通にそのまま休むし」
最後はジト目な葵。わざわざ家まで迎えに来てくれてたのに学校をサボられたんだ。ジト目ぐらいしたくもなるだろう。ここは大人しくジト目で見られよう。
「そ、そろそろ並んどこうぜ。いい席が取れない」
さっき思い出したのだが、この頃の映画館(特にこの古い映画館)は、チケット購入の時にタッチパネルで選ぶ指定席もなければネット予約も無い。
そもそもスマホも発給してるかしてないかのギリギリの時代だ。映画館の座席がタッチパネルで選べる時代はもう少しだけ未来の話だ。
というワケでアナログ式に目的の映画の上映番号の部屋の外で入場開始になるまで待つのである。席も先着順、真ん中周辺は人気で直ぐに埋まってしまう。
それにしても、科学って凄いよな数年であちこちが、10年もすればどこもかしこも、人でさえ様変わりしてしまう。まあ、何も変わらず、ただ効能と時間だけを過ごしてしまうタイムリープ前の俺みたいな奴もいるけど。
「あ、もういつもそうやって巧妙に話を逸らすんだから……迎えに行ったのに遅刻ならまだマシだけど、学校すっぽかされて休まれた件は私まだ許してないんだからね?」
「分かった、分かった、何かで埋め合わせする」
「別にそこまではしてくれなくてイイけど……今日も映画誘ってくれたし……」
葵は、まあ、私が好きで勝手にしたことだし。と最後は笑ってくれた。
でも、埋め合わせはしよう。俺がしたいんだ。
「あ、ほんとに早く並ばなきゃ、折角だからイイ席で見たい!」
「あ、おい。引っ張るなって、転ぶだろ?」
いいからいいからって葵は俺の手を引っ張る。
てか普通に腕を握ってるんですだが……!
(ったく、ああ、もう好きだなぁ……)
今回見る映画の上映する部屋の外には2組ほど先に並んでる人がいた。俺たちは3組目だ。この順番なら何とかイイ席を取れるのではないだろうか? つーか、公開初日の土曜日でこの客入りは少し心配になるな。この映画、普通に面白いのに。映画に問題ないなら映画館に問題があるのかね? 隣の市にできた新しい映画館の方に皆行っちゃってるのかな?
★★★★★★作者からのお願い★★★★★★
作品を読んで下さり本当にありがとうございます!
・面白い
・続きが気になる
・タイムリープしたい
などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!
(また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)
★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!
長々と失礼しました!
何卒よろしくお願いします!




