第17話 夢
*
スマホの音が鳴り目が覚める。
ったく、誰だ? こんな時間にスマホが鳴るなんて──え? スマホ……? 何でスマホが!?
タイムリープした筈だろ? 何で?
……夢、だったのか? 嘘だろ?
「ああ、もう何だよ、うるせぇな!」
さっきから鳴り続けているスマホに俺は切れ気味で手に取ると、発信元は──『有坂癒康』? 有Tから電話? え? 何で?
「はい、もしも──」
そこで俺の視界はぐるりと回転する。
そして意識が覚醒する感覚と共に俺は目を覚ます。
「……ゆ、夢オチ……」
夢からの更に夢オチかよ……!!
チクショー、夢でよかったぜ、コノヤロー……!!
俺は頬を叩き夢か否かを確認する。
痛い、夢ではない。意識もハッキリしてる。
よかった。タイムリープしたままで、実はタイムリープは永住では無く日帰りとかだったりしたら本気で泣くぞ? 俺?
タイムリープは永住でお願いしますよ。神様。
──今気づいたが、眩しい朝の光が窓から射し込めている。どこか懐かしい光だ。
太陽なんていつの時代も同じ筈なのにな──
──って、昼の12時!?
待ち合わせまで1時間しかねぇじゃん!
つーか、俺半日以上寝てたのかよ!
どばっと、俺は飛び起きる。
寝癖も凄いし、てか、着てく服どこにあったっけ?
まさか制服で行くワケにもいかねぇし!
とにかく、急ぎ洗面台に向かい、寝癖を水で直し、歯を磨く。
飯は抜きだな。と、思ってたら、しっかりと朝食──いや、もう昼食か、が用意されていた。
また急ぎ、あまりよく噛まずに胃に流し込む勢いで素早く昼食を済ます。残したら折角作ってくれた母さんに悪いしな。「ごっそさん」と、食事を終えた俺はまた歯を磨く。二度手間だったな。
再び自室に戻ると着替えを探す。
うわ、いかにも中学生な服ばかりだな。
その中でも比較的まともな、黒いTシャツに黒のジャケットを羽織い、ダークグレーのスラックスに、多分何かのおまけで貰った安物というかタダ物の銀のネックレスを首から下げた。お洒落とまでは言えないが、制服よりは幾らかマシだろう。
後は携帯と映画のチケットと──財布。
財布は机の上に不用心に放置されていた。一応中身を確認すると驚くことに千円札が20枚と小銭が少しと思ったよりかなり入っていた。
中学に上がってからは小遣いは月に3000円ほど母さんがくれる。俺はそれをあまり使わずに取っておいたのだろう。中学生に取っては1000円すら大金だ。
それを20枚も持っているとはちょっとした小金持ち気分になる。ちょっとした駄菓子屋ぐらいなら枯らせるかもな。そして俺は駄菓子屋のVIPになるんだ。
……いや、しないけど。まあ多分?
夜勤明けで寝てるとは分かってたけど、映画のチケットをくれた母さんに「映画行ってくる。ありがとな」と伝えて家を出る。聞こえていたのか聞こえていなかったのかはわからない。でも、少し大きめの寝息だけが聞こえてきたので多分伝わってない。
まあ、こ恥ずかしかったから聞こえてなくていいんだけど。っと、本当に遅れる! と、玄関の扉を開けようとすると何やら封筒がセロハンテープで貼られている。
『少ないけど飲み物代です。楽しんできてね』
封筒の中には千円札が1枚入っていた。
(……母さん……)
全く、映画のチケット代だけでも大変だったろうに。それにこれピン札じゃねぇか──何か色々使いづらいだろ。勿体なくて。
って、じーんとしてる場合じゃない! と、込み上げてきた涙を拭き、マジで待ち合わせ場所の公園に急がなければ! と、俺は駆け足で待ち合わせ場所に向かうのだった──。
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