第102話 ラーメンを食べに行こう2
天候を司ると言われている、有Tの言った通り、あの大雨が夜になるに連れて止んできた頃、俺たちを乗せた軽自動車は無事に鳥幸食堂に到着した。
母さん、随分と安全運転だったな。うん、安全運転、いいな。平和と安全と健康が一番だよ。
ありがとうございました。と、言いながら葵と海崎が車から降り、俺も梅酒を持ちながら車を降りる。
「うわ、何か年期が入ったお店だね。あ、営業中の札、割れちゃってる。直さないのかな」
「本当にボロいわね。営業中の札の営の字が消えかけてるわよ。何か縁起悪いわね」
同じ物を見た感想でもこうも違うかと言う、二人の感想に俺は苦笑いだ。海崎は食べ物でも不味い物は不味いってハッキリ言うタイプかな。
てか、立て札は確かに縁起悪いな。
今度、新しいの買ってってやろうかな。松爺には世話になってるしな。Amasonで売ってるかな。いや、恐らく売ってるだろう。本当に何でもあるからなAmason。
タイムリープ前にミサイルでぐるぐる検索で調べたら『ミサイルならAmasonで!』とかさらっと出て来て、Amasonさんパネェ! ってなったしな。まあ実際に売っていたのはミサイルの図鑑だったんだけど。
これまた年期の入った暖簾を潜り、横引きの扉を開け店内に入ると厨房で洗い物をする松爺と目が合う。
「耕坊、いらっしゃい。雨は止んだかの? ……って、ん? なんじゃ、今日は偉く賑やかじゃの?」
俺の後からズラズラと入ってきた母さんと葵と海崎をみて、松爺は優しい顔で笑って向かえてくれる。
「雨は止んだ。松爺、母さんの梅酒を持ってきたぞ。あとこいつらは学校の友人だ。今日はひょんなことから一緒に飯をってなってな。松爺の店に来たんだ」
「梅酒、いつもすまんの。わしはあれが好きでのう。ついつい綾子ちゃんにねだってしまうんじゃ。それにしても耕坊も隅に置けんの。こんな可愛らしいお嬢さんを二人も連れて来るとは」
本当に驚いたって様子の松爺。俺も驚いてる。タイムリープ前じゃ考えもしなかったことが、この数日の間にたくさん起きている。これも一種のバタフライエフェクトなのかね。
バタフライエフェクトとは『ブラジルで蝶が羽ばたけばアメリカでハリケーンが起きる』等と言った、まあ簡単に言えば、非常に小さい些細な出来事が予想もしてなかった大きなことに繋がるという意味だ、この些細な出来事が今回の話だと俺が学校に行くという行動に当たる。
結果、タイムリープ前には起こりえなかった。葵との映画や海崎とのクレープとかが起こったと言うことだ。
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