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自己紹介をしよう。


俺の名前は銀城(ぎんじょう)(ゆう)。誕生日は12月2日。今年21歳になる大学三年生だ。


小学校、中学校とバスケをやっていたが高校では帰宅部。大学の附属中高だったので今通っている都内の私立大学まで内部進学。受験というイベントは中学受験が一番の山場だった。大学は経済学部に通っており、勉強は嫌いでないので中の上くらいの成績だ。


バイトは複数掛け持ち。頼まれたら断れない性格の為、友人から人手不足の依頼があればどこにだって駆けつける。

この夏休みで経験したバイトは、

・着ぐるみの中の人

・競馬場の馬の世話

・テーマパークのクルー

・お化け屋敷のお化け

・迷子犬の捜索

等、多種多様だ。


一方で困っている人を助けたいという思いはいき過ぎた行動に発展する時もしばしばある。過去にコンビニバイトをしていた際、一緒に働いていた女の子が店長にセクハラを受けており、相談を受けた俺は店長を殴り飛ばしてしまった。


身長は173cm、彼女いない歴=年齢だ。


以上が俺のプロフィール。


ちなみに、先ほど出会った彼女はテトラ=ギーグリンクというらしい。名前しか教えてくれなかった。なぜ森にいたのか聞いても、「別にあんたには関係ないでしょ!」と素っ気なかった。


この世界ではドラゴンや精霊など地球では架空の生き物とされてきた存在がこの世界には実在するらしい。ただ、魔法という概念は存在しないそうだ。「マホー?マホーって何よ?」と逆に聞き返されてしまった。


ただ、この世界にも異能の力は存在する。コマンドというらしい。「コマンドっていうのはね、色々な物に命令する力のことなのよ」とのことだった。俺にはどうやら使うことができないみたいだ。何度も試したが全く成功しなかった。


____________________


テトラは自己紹介とこの世界についての説明を終えると当初目的地としていた街への移動を開始したので俺はとりあえずついて行くことにした。


先ほど飛行していたドラゴンは遥か先の山岳を根城にしており、たまたま散歩中に通りかかっただけのようだった。ドラゴンの見た目は体長20m程度で緑色の鱗に黒い2本のツノが特徴的だった。


20分ほど歩くと森の出口があり、さらに出口から10分ほど歩いた場所に大きな街があった。


街の入り口には【C. 626】という看板が掲げられていた。イニシャルの"C"は俺たちのいる大陸であるクランバルマ大陸という意味らしい。人口5万人程度、面積で20km2ほどの円形の広大な土地で中心には西洋風えんぴつ屋根の立派な城が建っていた。


「ここの宿が安くて冒険者に人気らしいの、街の探索は一旦荷物を置いてからにしましょう」


一時的にだが宿の値段はテトラが出してくれた。一泊35ゴールドだった。1ゴールド100円ぐらいの値段らしい。

安いという評判らしいが4階建てで60室ぐらいがほぼ満室とのことなのでかなり繁盛している。


「分かった」


____________________


バタンッ


テトラは部屋に入ると同時に荷物を地面に置きベッドに突っ伏した。


(ちょっとっっ!どんな顔して次あいつに会えばいいのよ!)



・数時間前・


「はぁ、はぁ...くっ!」


テトラは森の中、息を切らしながら剣を構えていた。


「小娘が、おとなしく観念して我の地肉となれ!」


向かい合うのは8m程度の紫色の表面をした蛇のような怪物だった。


「誰がなるものですか!ハァァァ!」


テトラは地面を蹴り目の前の怪物に向かって剣を振り上げた。

振り下ろした剣は怪物の紫色の表皮に当たったが無惨に折れてしまう。表皮には傷ひとつついていない。


「フハハハハ!実にくだらん攻撃よ小娘が!これで終わりにしてくれる!」


怪物は尻尾を大きく振り上げテトラの頭上に振り下ろす。テトラも覚悟を決めた様子で振り下ろされる怪物の尻尾をじっと見つめている。


キラッ


空が光り青白く光る何かが近づいてくる。怪物はまだそれに気づいていない。テトラは尻尾を仰ぎ見る姿勢だったためいち早く落下してくる物体に気づいていた。


「これで終わりだぁ!」


怪物の尻尾が振り下ろされる最中、テトラは後ろに一歩飛んだ。青白い光は段々と近づき、怪物を()()()()()()


「ばっ...馬鹿なぁぁッ!グハァッ!」


怪物は青白い光に押しつぶされ息たえた。光から出てきた人間はごろごろと地面を転がり、後方に飛んだテトラにぶつかり二人は揉みくちゃになりながら地面をごろごろを転がった。


(な、なに?この人...私を...助けて、くれたの?)


テトラは相手の顔を見ようとしたところで、相手の手が自分の胸に触れていることに気づいた。


「ん?ここ...どこだっ...ぐぎゃっ」


テトラは無意識に相手の顎に渾身のパンチを放っていた。

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