表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/40

28.取巻きイケメンは素直になることにした(アルベルト視点)


ブックマークと評価をくださった方、本当にありがとうございます!!


とっても励みになっております!


まだお済みでない方は是非ブックマークや評価、レビュー、コメント等いただけると本当に嬉しいです!がんばれます!



 待ちに待った日曜日。

素直になってリリーを振り向かせてみせる、という僕の決意を祝福してくれているかの様なすっきりとした晴天に気合いがはいる。デートが楽しみでいつもよりもかなり早めに起きてしまった僕はひとり、昨日の夜に決めた服装をもう一度点検する。白いワイシャツに皺は寄っていないか、スラックスの折り目は正しいか、靴の踵はみっともなく減ってはいないだろうか。もちろん使用人達がしっかりと管理してくれているのだから、不備なんてあるはずもないのだが、妙にそわそわして落ち着かないのは仕方ないだろう。


 それでも変な装いになってしまっていないかという不安だけはなかった。なにせリリーが作ったスクラップブックのデート特集に取りあげられていたコーディネイト例を参考にさせてもらったからだ。それだけでもデートへの不安感が軽減される。少なくともダサい格好はしていないと自信を持てるという意味で、僕はスクラップブックの有難さを痛感した。

ファッションに拘りのある女性なら、あくまで参考にする程度だろうが、服装に頓着しない男性は話が違ってくる。とはいえ自分は着道楽ではないけれど、男にしてはそれなりにファッションを楽しんでいるつもりでいた。

それでもそれは自分の好きな格好というだけであって、リリーに自分を格好良いと思ってもらえるかどうかと聞かれると途端に自信が無くなった。だからこそ、これが流行だという客観視があるとやはりとても心強かった。


 そんな事をつらつらと考えていたら、従僕が目覚めのアーリーティーを持ってやってきた。甘やかなミルクと茶葉の匂いに気持ちを一度落ち着かせた後、気合いを入れて朝の準備に取り掛かったのだった。


◇◇◇


 女性を待たせる訳にはいかないとかなり早めに待ち合わせ場所の"女神たちの噴水広場"に到着したが、驚いたことに既にリリーが待ってくれていた。リリーがスクラップブックで取り上げたからだろうか、周りには似たような年頃の男女がそわそわと落ち着かない様子で人を待っており、混雑していた。それでも一目、後ろ姿を見ただけでリリーだとすぐに分かってしまったのは恋の力だろう。


 心なしか普段よりもそわそわしているリリーを見て、彼女も僕と同じような気持ちで今日を楽しみにしてくれていたのだったら嬉しいと思う。待たせてはいけないと思いつつ、いつ僕が来るかと落ち着かない様子でしきりに髪を撫でつけるリリーから目が離せない。僕がやってくるまでの少しの間だけでも、僕のことで頭をいっぱいにしてくれているだろうリリーが可愛くて可愛くて、もう少しこのまま遠くから見ていたいとすら思ってしまう。やはり僕はペイル殿の指摘どおり、好きな子をいじめてでも気をひいてしまう奴なんだなと自分でも納得してしまう。


 でも今日は自分の気持ちに素直になると決めたのだから、と名残惜しいけれど噴水の中央にある女神像を見つめるリリーに声をかける。


「トラス嬢、お待たせしてしまって申し訳ありません。随分待たせてしまったでしょうか……?」


 肩を跳ねさせた彼女が振り返り、いつもよりも親しみのこもった柔らかな笑顔を浮かべて「本当につい先程着いたばかりですので、気になさらないで下さい。お陰様でちょうど、女神様に本日のお天気のお礼を言うことができましたもの。」と気遣ってくれた。その背後では噴水の水面と水飛沫が陽の光をキラキラと反射し、まるでリリーに後光が差しているかのように彼女を輝かせる。そのあまりの美麗さと煌めきに耐えられず、眩しいと目を眇めてしまう程だった。


 しかも!女神様に晴天へのお礼を伝えていたなんて可愛いことを言ってくれる……!

やはり今日を楽しみにしてくれていたのだと伝わってきて堪らない。それに結果として待たせてしまっていた僕が気にしない様にという優しい気遣いも感じられて、彼女の機転の良さにも驚きつつ、今日の目標通り自分の気持ちに素直になってリリーへ笑いかける。


「……それなら僕もお礼を言わないといけませんね。楽しみにしていた予定なので晴れて本当に嬉しいです。」


 普段とは違う僕の切返しに戸惑った様子の彼女だったが、何かを思いついた様子で女神の御利益について知っているかと聞いてくれたお陰で会話が微妙に擦れ違っていたのだと分かる。

そのままブロンズの名前からデート成功のゲン担ぎになっているのだと教えてくれたリリーは、こういった話が特集に載っていたら男性的にはどう思うかと真剣な面持ちで聞いてきた。


デートの事前準備を経験した僕からすると、ひとつでも多く事前に仕込めるものがあるなら是非活用したいと伝える。もちろん正直にリリーと同じ気持ちでデートの成功を女神様に祈ったという思い出も欲しいのだと伝える。


 そうですねと返しながら、僕に背を向けてもう一度女神像へ祈りを捧げ始めたリリーの耳は後ろからでも分かるほど真っ赤に染まっていて。やっぱりなんて可愛い子なんだろうとくすぐったい気持ちを抑えながら僕も女神様への感謝と今日のデートの成功をしっかりとお願いするのだった。



 

閲覧ありがとうございます!


月曜日に更新予定ですので、是非また読みにいらしてください!ドキドキデート編続きます!


お済みでない方は、よろしければ是非ブックマークや評価、コメント等してくださると大変嬉しいです。よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ