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26.見習い騎士からの激励(マーク視点)


遅くなってしまって申し訳ありません!

今日はちょっと長めです。


早速ブックマークと評価をくださった方、本当にありがとうございます!!

とっても励みになっております!



「マクミラン殿のお陰様で次の週末は一緒に出掛けることになりました。ありがとうございます」


 目の前ではにかむ美少年になんだか俺の方が恥ずかしくなってくる。朝一にわざわざ騎士科の校舎くんだりまでやってくるなんて、何かあったのかと思えば律儀にお礼を言いに来たらしい。


「とんでもない。俺はただ先輩からの情報を横流ししただけですから。」


 だから本当に気にしないで欲しいと困った顔で笑えば、サフィール様はおかしそうに笑いかえしてくる。


「その横流しのお陰で自分に素直になろうと思えましたから。だから、ありがとうございます」


 自分に素直になるきっかけになったのなら良かったけれど、本当に大したことしてないんだけどなぁ…。

確かに俺のお節介を真摯に受け止めてくれている様子ではあったけれど、と先日のサフィール様とのやり取りを思いだして溜息が出たのだった。


◇◇◇


「先日はご協力いただき、ありがとうございました。今日はどうかされましたか?」


キラキラした笑顔で俺の呼び出しに応じてくれたサフィール様が眩しい。そして若干警戒されている。そりゃ自分の天敵のような先輩が明らかに可愛がってる後輩が、わざわざ教室まで訪ねてきたら警戒もするか。しかも人目につかないところがいいといって、人がまばらな廊下のつきあたりまで連れ出したのだから当然だな。


「嫌だな。そんなに怯えないでくださいって。貴方に危害を加えたいなら、わざわざ人目のある教室へ呼びに行ったりしませんって。今日はトラス嬢のことでお話があって」


「トラス嬢ですか?ペイル殿じゃなくて?私に何の話が?」


 心底嫌そうに先輩の名前を出すあたり、先輩とサフィール様が険悪なのは本当のことらしい。王太子様の側近同士なのだから、せめて見かけだけでも仲良く取り繕うくらいして頂きたい。まあ今回の話には全く関係ないから俺は指摘しないけどね!本当はこれからする話だって本当はしたくないんだけど!


「つかぬ事を伺いますが、サフィール様はトラス嬢の婚約者についてご存知ですか?その事でお話ししたい事がありまして」


 先程までの警戒の表情までも削ぎ落とした無表情になってしまったサフィール様が少し低めた声で話しだす。


「彼女には婚約者はいないと聞いていますが?それと貴方と私にどの様な関係が?」


 最後に私には関係ない話ですと言い切ってしまったこの人は、やはり不器用な人だな。トラス嬢のことが気になるのだろう。関係ないと言いつつ、婚約者の話が気になってこの場を立ち去ることもできない彼は噂通りの完璧な貴公子とはいかなかった。こんないたいけな少年を捕まえて、先輩に続いて俺までいじめっ子になりたくはないので早々に本題を切り出す。


「だってトラス嬢のこと気になってるでしょう?レオニダスさんから聞いたんですけど、あの二人って今は婚約者がいないってのは本当らしいんです。でも、レオニダスさんはお互いにこのままだったら、トラス嬢と結婚するつもりなんだそうです」


 鳩が豆鉄砲を食ったような顔ってこういう表情なんだな。こんな儚げな美少年がやると、ぽかんと開いた口も男なのにかわいいと思えてしまうのだから凄い。なんてどうでも良いことを考えていたら、ようやく思考を取り戻したのだろうサフィール様が話しだす。


「……僕がトラス嬢を気にしていたとして、同意の上の婚約ならどうしようもない事です。それよりも。一体、貴方にどんな関係があると言うのですか?マクミラン殿が先日も僕のことを気にかけてくださっていた優しい方だと分かってはいるのですが、話が見えてきません。もしかして貴方もトラス嬢の事が気になるのですか?」


 硬い表情でとんでもない方向へと話が飛躍していく。確かにトラス嬢は素敵なご令嬢だったけど、そんなつもりは毛頭ありませんから!安心していただきたい。あー!!!もう本当に先輩が帰ってきたら1週間は組手の相手をしてもらわないと割に合わねぇ役回りなんすけど!?


「俺には婚約者はいませんが、恋人いますから安心して下さい。それと、俺がどう関係してくるかっていう話なんすけど……。レオニダスさんに頼まれたんですよ。遠征に行ってる間トラス嬢を気にしておいて欲しいって。サフィール様は好きな子ほどいじめちゃう人だから、やりすぎない様に気にしてくれってね」


 途端に顔を真っ赤にしてしまったサフィール様だが、それは先輩に気持ちがバレバレだった事への照れからなのか、はたまた先輩への怒りからなのかは、顔を手で覆ってしまったから俺には分からない。でも、もし仮に、俺がライバルだと思っていた男に恋心が知られていたなんて分かったら、恥ずかしくてじっとなんてしていられないと思う。そんないっぱいいっぱいの所に申し訳ないのだが、まだ誤解してそうだから最後に余計なお世話で俺から一言いわせていただこう。


「誤解されてそうなので繰り返しますけど、あくまでも先輩は妹としてトラス嬢のことを気にかけている様子でした。このまま婚約者が決まらないなら家同士の付き合いも考えて最良だろうって話してましたし。トラス嬢がその辺を認識してるかどうかも怪しいです。……これは完全な第三者かつ恋人のいる俺からのアドバイスなんですけど……」


 聞きます?とちょっと偉そうに問いかけると、サフィール様がお願いしますと素直に返してくる。なんだか不思議と世話を焼きたくなっちゃう雰囲気もってるんだよなー、この人。


「先輩がいない今のうちにトラス嬢へ素直な気持ちのまま接してみたらどうですか?トラス嬢に恋人なり婚約者なりができてしまえば、先輩がわざわざ"妹"と結婚する必要もないですから」


 にっこりと笑ってマセガキは終わりにしとけと教えてやった俺は偉い。良い奴だと思う。


「……なるほど。おっしゃる通りですね。……まずは彼女の今の気持ちを確かめるところから始めてみます」


 ありがとうございますと晴れやかに返したサフィール様はやっぱり素直で可愛がりたくなる弟って感じがして仕方ないなと思ってしまう。俺も一応、お兄ちゃんだからな。弟っぽい奴はつい面倒みちゃうんだよな……。


◇◇◇


 どうやら鬱陶しがられることなく、俺のお節介なアドバイス通り素直になったらしい。俺の教室まで呼び出しに来たのだから、大きな進展があったのかと思えばデート……。出掛ける約束を取り付けただけで付き合った訳でもないのだが、やたら嬉しそうにしているサフィール様を見ると肩の力が抜けてしまう。色々言いたいことはあったけれど、とりあえず良かったですねと思わず頭を撫でてしまったのだった。




閲覧ありがとうございます!


明日も更新予定ですので、是非また読みにいらしてください!


お済みでない方は、よろしければ是非ブックマークや評価、コメント等してくださると大変嬉しいです。よろしくお願いします!!

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