表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/32

第22話 王家

部屋に戻るとどっと疲れが襲ってきてソファに寄りかかった。

レイージョが紅茶ローテーブルに置くとミヅキに隣に腰を下ろした。


「おいで。疲れたでしょ」


レイージョに誘われて、彼女の膝に頭を置いた。レイージョのいい匂いいがして気持ちが落ち着くどころか少し興奮した。


彼女はそんなミヅキの様子に気づいたようで、頭をなぜながら口づけをされた。柔らかい唇に触れられてドキドキした。


「あ……」触れるだけですぐに離れてしまい寂しさを感じた。すると、レイージョは「ふふふ」と艶かし笑みを浮かべた。


心臓が持たない。


「続きは後にしましょう。まだ今日は長いわ」

「あぅ……」


レイージョの色気にやられて言葉が出なかった。


「忙しなくてごめんなさいね。本当は順序立ててやりたかったのだけど……」

「誘拐されるのは嫌です。私の為にありがとうございます」

「いえ。でも……」と言ってレイージョは難しい顔をした。「あそこでも言ったけど、ショータ家が貴女を王妃にすることを承諾したのが不思議なのよ。何か裏がありそうで怖いわ」


不安そうにするレイージョに、ミヅキはためらいながら以前、森であったユウキの兄であるイルミとした約束の事を話した。


「迷惑料として、“わたくしと一緒に居られるように手伝え”なんて告白かしら」


レイージョの言葉を聞いて恥ずかしくなった。あの時は、たいして期待していなかった。

なんとなく希望を言っただけであったが思わぬ所で効果を発揮して驚いている。


「でも、なんで迷惑料を貰うことになったのかしら」

「それは……」


言いづらそうにすると、レイージョは何かを感じとったようですぐに「いいわ」と言った。


「噂によると、ユウキ・ショータが父である当主に頭を下げたらしいわよ」

「え?」

「更に、ミヅキの王妃を承諾しないとショータ家を辞めるとまで言ったらしいわ」

「そこまで……」


あの約束はそんな重いものではなかったはず……。

そこで、約束に承諾したのはユウキではなくイルミであったことを思い出した。


「あの、先ほどから御三家貴族の承諾と言っていますが王族はいいのですか?」

「国王はクラーイ家よりで王妃はショータ家じゃないの。彼らは自分の家の当主と同じ意見を言うわよ。王族なんてそんなもの」


思っていたより王族の価値が軽い。


「だから、私が女王になっても決定権はないのよ。アクヤーク家と同じ意見しか許されないわ。大量の公務をこなすのにね」

「あまり、いい立場ではないですね」

「だから、アキヒトが簡単に王位を譲ったのでしょ。王族なんて鎖でしばられているだけよ」

「そんな、王族になってレイは後悔してないのですか?」


心配になるとレイージョは穏やかに笑いながら、ミヅキの髪をなぜた。


「それが、ミヅキと居られる最善の方法ですもの」そう言う、レイージョを見ると幸せを感じた。


その時、ふと、“卒業パーティーでレイージョがアキヒトに婚約破棄をされる”夢を思い出した。すでにアキヒトとの婚約は解除され、レイージョが王位継承権を得た今、それが実現することはない。


レイージョに予知夢と言われたが、たいして信憑性がないものだと思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ