どうなったかというと
結果としてどうなったのかというと、俺は団長の養子になった。
実の息子なのに養子?って思うかもしれないが、世間的には新入団員の中から将来有望そうな若者を後継者候補にしたってことにするためらしい。
魔術兵団長の後継者候補として世間に認知されれば、研究棟に身柄を拘束される可能性は低いだろうという考えだそうだ。
母は、やつれ具合を利用して、病気のため身をひいて姿を消していたが偶然再会、団長が離さないでいるって設定で団長の屋敷に囲われることになった。当初は若い女性を中心にかなり騒ついたが、美談化して吟遊詩人に歌わせたり戯曲にしたことで世間から一定の人気を得ている。
社交なんかも最低限、パートナー同伴必須のパーティーに行く程度で済ませるつもりらしい。
新たな術式を編み出せるくらい秀才の母なのにもったいないとも思ったが、領地運営や屋敷の女主人としての仕事が性に合っているらしく、執事さんとかと楽しそうにしているので良かったと思う。
それに、母にはもう一つ、一番大切な仕事があった。
「レイ君、そろそろ訓練の時間なので迎えにきましたよ」
団長に壁ドンされてから早2年、朝日が登りきって辺りが明るくなった頃。
第二副団長が「魔術兵団の」訓練のために俺を迎えにきた。わざわざ送り迎えしてもらって申し訳ないとも思うが、俺の護衛を兼ねているので有り難くお世話になっている。
そんな副団長にすぐに返事を返したいのに、俺は既にボロボロのヘトヘトで息が上がっていた。
「レイ、まだ相手の動きを読み取ってから自分の動きに反映するまでが遅いわ。あと魔法の気配がしてから対処していてはダメよ、状況から使ってきそうなものをある程度予測しなくちゃ。予想外のものが来てもいいようにある程度、だけどね」
そんな俺の前に、やつれていた頃が思い出せないくらいすっかり健康的になった母親が訓練着を着て立っていた。その輝かんばかりの美貌から発せられるのは戦闘についてのアドバイスだが。
母さんがこんなに強いとか知らなかったよ……そりゃ団長…父さんも信じて送り出せるはずだ。
母の一番大切な仕事、それは俺を強くするため鍛えるというものだった。
団ちょ…父の後継者候補として、そして研究棟の連中に手を出されない自衛のために俺は一刻も早く強くなる必要があった。
父は父で、自身が魔術兵団長になっただけではなく、世代の近い王太子や中堅どころ、各要職の後継者候補を勢力として取り込むことに成功しているらしい。研究棟の重鎮や王はそろそろお年ということで、何とか外堀から埋めつつ勢力を削っていくつもりだそうだ。
うん、ぶっちゃけ結構幸せだ。
まだ両親に守られてばっかりだけど。
できる事は全部して、早くこの幸せを2人に返していきたいな。
それはそうと、この間両親が軽い喧嘩をした時のことだ。そろそろ仲直りしないのかなーって思いながら屋敷の廊下を歩いてたら、隅の人気のないあたりで父さんが母さんを壁ドンしてるのが見えた。
うん、やっぱり俺じゃなくて母さん相手に壁ドンしてる方がしっくりくるね。
思ったより長くなってしまいました。
ご覧くださりありがとうございました…!
元々は両親が主人公の話を考えてたのですが、長いは暗いわだったので、息子視点でハッピーエンド部分だけ書いちゃえ!というのが発端でした。
団長目線とか(私が)読みたいので書くの頑張ろうと思います。
長くなりましたが、ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございました。




