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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

追放からの死亡フラグを全力で回避のハズだった

掲載日:2020/08/26

転生した彼は、死亡フラグを回避する。

@短編その70

転生した?


というか、時間が戻った、のか?


俺は二十歳になる前に死んだ。死んだはずだ



気が付くとベッドに寝ていた。


ここは俺の部屋だ。


でも死ぬ前の部屋とはちょっと違う。


18歳の剣術大会で三位に入賞の賞状が無かった。


机の左側の壁に、額に入れて掛けていたはずだ。


他には・・・15歳の時に婚約者と一緒にと、描いてもらった婚約記念の絵も無かった。


カレンダーを見ると、俺はどうやら今11歳だ。


さあ、思い出せ。


死ぬまでに、何があった。




俺の名はライアット・フィル・キサキサ男爵。まあ男爵子息だが、父が功績を挙げて貰った一代爵位だ。

なので、俺は何か功績を上げないとこの爵位は消える。

婚約者は同じ男爵家の一人娘だ。結婚したら俺はその家を継ぐ。

でも慣れたキサキサの名前が、消えてしまうのは正直嫌だった。


とにかく思い出すこと暫し・・・


ああ、思い出した。大体の流れは分かった。


俺は誰かに嵌められ、19歳の時に国を追い出されるんだ。


罪状は、俺が高位貴族の嫡男を殺そうとした事になっていた。


だが無実だ。


友人でもない、知りもしない、話したこともない男だった。


ましてや侯爵家だぞ?俺の家は男爵、会う機会さえないのに殺そうと思う訳が無い。


必死でこの国まで戻って、無実を訴えようとして・・殺される。


死ぬ前に、その嫡男と俺の婚約者が寄り添っていて、嫡男がニタリと笑ったのを見た。


ああ、こいつに嵌められたのか。そして、婚約者を取られたのか。


いや。俺なんかと結婚するよりも、侯爵家の嫡男と結婚した方が将来安泰だ。


つまり俺は、婚約者にも嵌められたのか?


だったら婚約を解消してくれればよかっただろう?




だけど・・・

11歳の俺に、なぜ戻ったのだろう。


ああ、婚約は15歳に交わされる。


よし。俺は騎士団に入り、そのまま騎士になればいいのだ。


そして、武勲を立てて、キサキサ家を存続させるのだ。


でも、もしも未来が変わらないのなら、国外に追放されたら2度と国に戻らなければいいのだ。


・・・うん、気が楽になった。


さあ、今から父上に『騎士団入団』をお願いしよう。




こうして俺は騎士団員となった。



最近思うんだけど、20で死ぬのが夢で、今現在がリアルかな、なんて思うことがある。

予知夢というか、未来はやばいぞ、みたいなことを神様が教えてくれてとか。


でも11歳から死ぬまでの生きてきた思い出や記憶が、あまりにも多すぎて・・・

たった1日の夢だけでは作り込まれるとは思えない。

それに11歳の頭で、小説家並のお話を想像するのも変だ。

だから、やはりあれは事実で、俺は転移したのだ。



とにかく死にたく無い一心で、騎士団に入団した俺だが、月日は流れて15歳。

婚約が決まる歳だ。


父上から『たまには帰ってこい』という手紙が頻繁に送られてくるが、今年1年は無視するつもりだ。

帰ったら『婚約者を見つけたぞ』とか言われそうだからな。



そして16歳になって、久しぶりに帰ったら・・・


「婚約者をみつけてやったぞ」


あ、うん。

歳が16に変更しただけで、前と同じ娘が婚約者として現れた。

・・・・嫌われるように仕向けるか。どうする、どうする・・・


「父上!俺、男が好きなんです。婚約者(おんな)を大事にすることは出来ません」


と、つい言ってしまった!両親も、婚約者も、目が点になって身動き一つしない。

俺何言ってるんだ、とは思ったが、これ良い手じゃね?

当然、速攻で破棄された!やったーーー!!これで大丈夫だーーー!!


そしたら父上が、


「その相手を連れてきなさい」


だってさ!

どうするよ、俺!

騎士団の仲間の誰か、果たして仮の恋人になってくれる奴はいるだろうか?

女の恋人だって見つからないのに、男の恋人なんて見つかるんですかねぇ・・・


『そ・・・そのうちそのうち』と適当なことを言い、大急ぎで領地から騎士団に戻った。

そうだ!また父上が聞いてきたら、別れちゃった!って言えば良いか!よかったよかった!


なんて思っていたら!

騎士団に戻ったと同時に、父上の手紙が届いた!

父上、近日中に来るんだと!!っなんですとーーー?!


こ、これはまずい。

男の恋人を見つけなくちゃいけない!!

やばいやばいやばい!!


嘘だって分かってたのか?

でも、もう婚約は破棄されたんだぞ。

父上が生きている間は、男爵家はあるんだ、俺のことは気にしないでくれれば良いのに。

別れたって言ったら、『どいつだ』とか突っ込んでくる。絶対くる。


「おい?どうしたライアット」


こいつは俺の同期、一番の親友ナディル。

頼んだとして・・・こいつが彼氏だ。こいつ、彼氏枠だ。こいつは彼女にはならない。なれない。

だって男前で、俺より7センチ高いし、胸囲なんか10センチ大きいんだぜ?マッチョ系だぜ?

こいつが相手だと、俺が受けだ。いやだ、俺は受けは絶対に嫌だ。

入れられたくないというか、そういう付き合いしたくない。

というか、誰と付き合うとしても、受けだけは嫌だ。尻の純潔は、絶対に死守したい。

ナディル、お前は俺の男の友達でいて欲しい。

まあ申し込んだところで、拒否される。いや、してくれ。

引き受けられたら、俺絶対に泣く。いろんな事にショックうけるわ。

というか、俺は何を想像してるんだ!

ただの『フリ』をしてもらうだけだぞ!なのに、実際に恋人になった時の想像するって・・・

ひえええええええ・・・・お、俺はそういう願望とか、欲求があったのか?そういう事なのか?


「あ、いや、うん、ちょっとな」


キョドってしまうわー。目が泳ぐ泳ぐ、ナディルを正視出来ないわー、出来るわけないわー。

こんな頭の中、絶対に見られたくないわー。


「あれ、ふたりとも、まだお風呂に入ってないんですかー?そろそろ行かないと、次の組が来ちゃいますよー」


ちょっとソプラノが残った声、こいつも同期、サリュー。

・・・・・。

ふむ。サリューか。

俺はじっとサリューを見る。


「どしたんだ?ライ」


こいつは俺の事をライと呼ぶ。親友のナディルでさえライアットと呼ぶというのに。

馴れ馴れしい。というか、俺以外はちゃんと、名前を呼ぶのに俺はあだ名かよ。舐めてるな?

このちびめ。

・・・・・。

ちび。たしかこいつ160センチだっけ。なんで騎士になったんだ?ってぐらい小柄だ。

よし、こいつにしておこう。こいつなら受け向けに見える。

俺が受けとなったら、父上はきっと絶望する。多分色々と。父上と俺は多分嗜好似てると思う。

見た目でも、攻めと思ってもらえれば良いんだ。


「ちょっと来い!!」

「うわーーやめてよーー」


俺はサリューの首根っこを引っ掴んで走った。


建物の裏、あまり人が来ない所まで来て、俺は・・・意を決して話した。

話終えるとサリューは・・・キョトンとして俺を見ている。

そーだろーよ。俺だってこんなこと言われたら、キョトンどころか一発一閃喰らわしてるわ。


「ほーしゅー」

「?」

「報酬は?」

「おお・・・受けてくれるのか!そうだな・・・金貨50枚!出来高で、もう少しおまけも出す」

「出来高?」


サリューは聞いてくる。そうだろう、そうだろう、気になるよな。


「もしかしたら・・・キスする事になるかもしれない」

「き、キス?」

「うちの父上なら、証明だとか言ってさせるかもしれない。キス一回で、金貨2枚」

「うーーん・・・いいよ?ライのお父上が来た時だけだろ?」

「そうそう。1〜2ヶ月後に別れちゃった〜って話にするから」

「わかったーー」


え、嘘・・・わかったーー、って。

まあ金貨50枚だもんな。

サリューの家は騎士家だけど女ばっかで、最後にサリューが生まれたんだとさ。姉が5人いるんだと。

その姉達が次々結婚して、家は赤字。だからサリューは俺と同じ歳で騎士団に入隊したんだ。

でも一向に身長が伸びない。なので、今は後方支援の部隊で勤務している。


商談成立。

てなわけで、綿密な相談が仕事が終わってから、ふたりで話し合われる事となった。


俺の好きな食べ物とか、趣味とか、お気に入りとか。家のこともさらっと教えた。

そしてサリューの家の事とか、色々な好みとか。

お互いの個人情報を交換だ。


俺はテーブルに金貨2枚をぺしんと置いた。


「一応・・・キスの練習をしておこう」


俺は顔がな・・もう、真っ赤だ。視線も泳ぐ。照れくさいったらないわ・・・

だって、父上から明日此処に来ると連絡が来たんだよ。

今みたいな態度だと、絶対に失敗する。だから練習だ。

サリューは金貨をマジマジと見て・・・


「うん、いーよー」


軽く返事をした。

俺はひとりっ子で、女と関わるのは母上と家人のメイドとかだけ、騎士団に入団してからは皆無だ。

まだ16だから、花街に行っていないし。

前の時も、婚約者とのキスは頬だったしな。

おおぅ・・人生初キスは男か!!今世での、ファーストキスが男か!!

なんか泣けてきた・・・いいや。もう、いいや。

サリューが俺の傍に寄ってきて、目を瞑った。

ひえっ!

可愛いが、男だ。こいつ男なんだ・・残念だけど男なんだ。

だが此処でしくじって、また婚約者を連れて来られたら・・・20歳での死亡フラグ、いや今回婚約16だったじゃん?20じゃないかもしれない。22とかに、死ぬかもしれない。

ゲイと思われていれば、女は寄って来ない!!死亡フラグを回避出来るなら、そんな汚名!!


俺は、男と思えないくらい華奢なサリューを抱き寄せてキスをした。


キスか。唇押し付けるだけでいいのか?

恋人同士のって、やはり・・・舌を、こう・・・



やばい。

サリューがとろんとした顔している。

まずい。

ふにゃっとして、サリューが俺の胸にこてんと落ちてきた。

・・・・・・。

あきまへん!!


俺はサリューを小脇に抱え、こいつの部屋に置いてきた。

俺、自分を褒めたい。自制心、すげえぜ。俺はやるときはやれる奴だ。


部屋に戻ると、机にきらりと光るモノ・・・あ。金貨渡し忘れた!

もう一度サリューの部屋に行き、テーブルに金貨を置こうとすると、ぎゅっとしがみ付かれた。


「ライ・・・居て」


ギュッと俺の背後からしがみついてくる。ゔぁ、おい、()()が、押し付けられてるよ?

ぐりっとしたぞぉ!!おっ立ててんじゃねーー!!


「い、いやいや、いかんだろ?サリュー」

「ずっと好きだったんだ。ライ・・・」


ひええええええええええ(×∞)・・・


これでいいのか?

なあ、これでいいのかぁ?

恋人で、受けが出来たけど!!俺が攻めで良かったけど!!

サリューが俺を上目使いで見つめてくる。ゔっ、がわゔぃぃ・・・


「キスも練習したんだから・・これも練習したら・・・恋人らしくなると思うよ」


とか言ってくる!!!えええ、積極的だなサリュー!!

乗りましたけど!!!リアルで!!!(下品)

いわゆるこれが、誘い受けってヤツなんですかねぇ・・・

でも可愛い・・・今ザワッとした・・・



翌日、父上が来ましたよ。

で、実際は昨日恋人同士になったばかりのサリューを紹介しましたよ。

父上は不思議と優しい笑顔で、


「まあがんばりなさい」


とか言って帰って行きました。

がっかりされたわけではなさそうで、ほっとした。ごめん父上。



それっきり、婚約の話はぱたっと無くなった。めでたしめでたし。


でも『フリ』で良かった男の恋人が出来てしまった・・・


しかも俺は本気になってきている。


可愛いんだよな、サリューは。

女よりも可愛い。壮絶可愛い。天使か。

サリューの可愛い所を語らせたら、俺一晩じゃ足らねーわ。

1〜2ヶ月限定だったはずが、もう半年続いている。



まあその後、親友のナディルにもバレた。そりゃそうか!

俺自体はゲイではないので、友情は壊れることはなかった。良かったあぁ〜。

ナディルは、サリューが俺になんか気があるなって知ってたらしい。すげえ親友、俺さっぱりだったわ!


俺はゲイと思われるようになって、なんかお誘いが来るが全拒否だ。

俺はサリュー限定、他の男は『男』だからな。

ゲイ?のカップルは騎士団にも何組かいて、彼らとも協力して他の団員の迷惑にならないようにしている。


なんか間違った方向に行った感は否めないが、死亡フラグ回避の模索は今も続くのだった。



次の危機は、19〜20歳くらいだ!!

さあどう回避しようか。


ま!その時になってから考えるわ!!



思いつくまま、ほぼ1日1話ペースで書いています。

目標は365話。

お題が欲しいので何かください。

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― 新着の感想 ―
[一言] 冒険者ネタは少ないですよね。追放とか成り上がりとか。 あとは勇者パーティー? 追放も婚約破棄も出来ますし。 ちょっとBLTサンドが増えぎみで反応に困ってますが、主人公の考え方とかいつもの味…
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