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一話、いつも通りに始まったその日。
「ッ・・・・・・」
真っ暗な部屋で一人の男が目を覚ました。
部屋の七割を占めるシングルベッドの上で仰向けに、全身は汗に濡れている。
荒い呼吸を繰り返すこと数秒。
「また、覚えてない・・・・・・なんの夢だったんだ・・・・・・お前の夢だった気もするけど、覚えてないんだよな」
男はいつも通りに独り言つ。
そして暫くの無音の後。
「あああああああ! 覚えてネエエエエ!」
叫び、勢い良く立ち上がるとベッドの上を歩き窓に手を掛け。
開け放った。
その瞬間、室内に眩い光が差し込み男の不自然な金髪を輝かせ、吹き込んだ風は男の全身を余すことなく撫でていく。
男は全裸のまま窓枠に手を掛け身を乗り出し、息を大きく吸い込むと。
「おっはよおおおお! 誰かああああああああああ!」
と、焦点の合わない目で眼下に広がる大きな街を漠然と眺め。
「まあ、今日も頑張るか。死なないようにな」
今日もいつも通りに叫んだ男はいつも通りに笑顔を浮かべ、いつも通りに遠くの〈果て〉を見て。
思ってた以上に大変だった。
時間ある時じゃないとダメだわ。