エピローグ 地球人よ、ここまでおいで
僕の名はビクター、かつて地球管理衛星『コテラ』で管理人を務めていた者だ。
ここへのロックを解除したという事は、君たちは地球人、もしくは、それに縁のある者なのだろう。
ロック解除に地球の言語が使用されていた事に面くらうかもしれない。
だが、同時に銀河標準語で表記されていたはずだ。
この場に来る知性と知識があるのならば、そこから銀河標準語を学習する事が出来るだろう。
君たちの歴史でロゼッタストーンがそうであったように。
ここには、僕が『コテラ』で行った記録が残されている。
それを見て、君たちは怒りに震えるかもしれない。
だが、それは当然だ、僕たち銀河連盟員にとっては、辺境の未開惑星の生命なぞ、搾取の対象でしかない。
僕たち銀河連盟の所属星系人は地球の資源を環境に大きな影響を与えない範囲で利用し、収穫し、搾取する。
その対価は銀河連盟の収入となり、地球人の手に渡る事はない。
だが、利用者が銀河連盟が定めた額を超えた対価を支払った場合は違う。
銀河連盟の所属星系人の意思は尊重されなくてはならない。
銀河連盟法の規範となる精神だ。
従って、超過額や地球人宛の贈答品については、銀河連盟が管理保管し、然るべき時に渡す。
然るべき時とはいつか。
地球人が銀河連盟に所属する条件を満たした時である。
それは即ち、星系の最外惑星に到達し、そこに記されている銀河連盟中心地へのゲートの在りかへ到達した時である。
銀河連盟に所属したその時、地球人は圧倒的な文明差や乏しい資源、銀河連盟法への無知、そして無一文である事に対し悲観的になるであろう。
その時、ここの資産がわずかであるが助力になるだろう。
地球人が銀河連盟に所属するまでは、まだまだ時を要する。
未来の地球人よ、先祖に、古の文化に誇りを持つが良い。
それは大きな財産であり、君たちに目に見えて財をもたらしてくれた。
ここにあるのは地球を愛した僕らからの最初の贈り物である。
太陽系の外れ、銀河連盟の中心地へのワープゲートの道程が示された一室、その一室の入り口に一枚のプレートは佇んている。
やがて来る地球からの来訪者を待ちわびて。
更新日に合わせてクリスマスっぽい話にしました。
前話でなぜスペースサムライXが倉庫に格納されていたのか、そこになぜ飛鳥宛てのプレゼントがあったのか、ロック解除の言語が英語と日本語の童謡や言葉遊びであったのか、このエピローグで説明しています。
冥王星やカロンは惑星じゃないというツッコミはなしで、ビクター基準ですから。
このシリーズはネタを考えるのが大変でした。
伏線っぽいものを考えるのも大変でした。
最後の『星をつなぐもの』で出来るだけオールスターな要素を詰め込んだのですが、入れられなかった物もあります。
このシリーズはここで終了になります。
理由はネタ切れです。
ネタが出れば書きたいのですが、次回作にも取り掛かりたいので。
半年から一年後になると思いますが……




