Ep4 どうして彼は寝ないのでしょう、そう彼は生産廃人だから
ゴリゴリゴリゴリ
ひたすら磨り潰す
グチャグチャグチャ
合間に混ぜ合わせることも忘れない
ゴリゴリゴリベキッ
乳棒が折れたので、新しいのを作り直す
グチャグチャパァーーン
丸薬ができたのでアイテムボックスに放り込む
ゴリゴリゴリゴリ
再び鍋に磨り潰した薬草を投入する
火が弱くなってきたので、枯れ枝を追加で投入し、火の勢いを調整する
ゴリゴリベキョ
乳鉢が壊れたので、そこいらの石を再び削って作る
薬草が尽きた
終わりか、結構時間がかかったな
手が草だらけで、緑色になっている
そして、日が昇ってた
もう朝か、結構時間が経ったなぁ
ずっと同じ姿勢で作業していたため、体中が痛い
大きく伸びをして、朝食の準備をする
といっても、肉をただ焼くだけだが
今回は、フォレストディアーの肉をいただくことにしよう
ちなみに部位は不明だ
なんたって、説明が生肉になってるからな
サーロイン食べたいなら自分で解体しろってことか
まぁ、鹿というか魔物にサーロインとかあるのか知らんが
それじゃあ、今日も張り切って素材集めをしながら、森の奥へと進もう
PKして黒くなったオレの名前は、未だに黒いままだ
初心者の狩場の一つである、南の森だが、このトレント群生地帯は人気ないからな
βの時は、ここの情報ほとんどなかった
βテストで生産プレーを本格的にしている奴は少なかったし、スタートの街の南は森を抜けたら海で行き止まりなので、冒険組はほとんどここは素通りだった
他のプレーヤーもクエスト消化程度でしかここには立ち入っていなかったぽいしな
しかし、オレはついつい素材集めに夢中になって、たまたま奥深くまで来たから、ただで帰るのももったいないし、レアな素材でも収集しようとあちこち探して、結局一週間くらい彷徨ってた
オレよりもここに詳しい奴はいないだろう
結果として、今身を隠す場になっているんだから、あの徘徊はやっぱり間違ってなかったな
なぜか知らんが、あいつにはめっちゃ怒られた
そういえば、あんだけ生産してたんだから、ステータス上がってるだろ
名前:ヒロ
種族:人間
1J:採取士Lv7
2J:生産廃人Lv8
3J:鬼薬師Lv1
スキル:採取Lv5、生産入門Lv5、斧術Lv6、石工Lv4、鑑定Lv3、解体Lv3、調合Lv7、製薬Lv7、識別Lv1、木工Lv2、切断Lv2、研磨Lv4、接着Lv2
EXスキル:メディーナ式薬学
スキルポイント:6
すごい上がってるな
βの時より少し早い気もするが、仕様変更かな
ただ、3Jは全く上昇しないな
EXスキルもよくわかんないし
まぁ、そのうちわかるだろ
早速、新しいスキルを加えよう
一通り、習得しているスキルを確認して
やはり、ここはこれだな
というわけで、新しいスキル『分離』を使って、接着して作った家を解体していく
分離:接着でくっつけたものを分離できる
但し、自分で加工したものに限る
このスキルは便利なんだが、必要スキルポイントが6なので少し辛い
残っていた、スキルポイントが空になってしまった
よし、それじゃあ今日も素材集めと、もっと奥へ向かうとするか
レベルも上がったこともあり、昨日より遥かに魔物が簡単に倒せる
最も厄介なベビービギナートレントも10分かからず、切り倒せるようになってきた
他のプレーヤーだと、武器が傷んで嫌なのだろうが
俺からすれば、戦闘、修理、木材加工が一気にできるベビービギナートレントは願ってもない素敵魔物だ
一体ずつしか、生態上出てこないのも素敵なポイントだ
あまりに楽しすぎて、何本狩ったか覚えていない
まぁ、一つ言えるのは、アイテムボックスの中に
ベビービギナートレントの角材×131となってるのが、どれだけ狩ったかを物語っているだろう
一体から角材4本とっても30本以上は伐採してるのか
途中、石斧を3回ほど作り直したが、既に4本目の今持ってる奴もやばそうだ
修理するか
ついでに、予備も作っておこう
前の3回は全部伐採に夢中になりすぎたのが原因だからな
しかし、そろそろただの石斧だときついな
作る分には問題ないが、この先に行くのであれば些か力不足感がある
街に行けない縛り、地味にきついな
スタートの街なら、レア度は低いが金属性の斧が買えるからな
砥石を一緒に買えばかなり長いこと狩りができる
今のオレなら、研磨でも少し時間はかかるが修理可能だ
まぁ、無いものを望んでも仕方ないか
その後も、石斧を何度か交換しながら、狩りは順調に進んだ
トレント系がいる森は、周囲の普通の木がトレントによって、栄養阻害されるため、一般的な森よりも見通しが良い
おかげで、ラビットべスなどのモンスターにもほとんど奇襲されることがない
だが、今は危なかった
正面からきたフォレストディアーに集中するあまり、後ろから襲ってきたラビットベスに気がつかなかった オレのレベルが高かったことと、相手が雑魚だったから少しバランスを崩す程度だったが、ぞっとさせられた
言い訳をするなら寝てなくて、集中力が落ちていることもあるんだろうが、そんなミスで死に戻りはしたくない
よし、防具を作ろう
腹も減っていたので、昼飯も兼ねて一旦休憩を挟もう
家は、昨夜作ったやつの骨組みがあるので、接着を使い5分で出来た
屋根が既に完成してたのが良かった
壁とかはめんどいので省略だ
屋根は草だが、小学校の運動会で使ったテントみたいだな
昼飯は相変わらず焼肉だ
正直サラダとかも食べたいが、材料もないし、どうせゲームだからな
栄養バランスとか気にする必要ないだろ
それじゃあ、防具を作るか
ベースは、フォレストディアーの革を下地にして、その上にベビービギナートレントの板を張り付ければいいだろ
見た目は悪いが、どうせ間に合せだし
飾りに、暴れ雀の羽でも着けておこう
ベビービギナートレントの鎧(胴防具)
頑強度:2.0 耐久150
品質:3 レア度:1 火属性-5
魔物の革に、ベビービギナートレントを貼り付けて作られた木製の鎧
火に弱い
ベビービギナートレントの篭手(腕防具)
頑強度:1.6 耐久130
品質:3 レア度:1 火属性-5
魔物の革に、ベビービギナートレントを貼り付けて作られた木製の篭手
火に弱い
ベビービギナートレントの脛当(足防具)
頑強度:1.8 耐久130
品質:3 レア度:1 火属性-5
魔物の革に、ベビービギナートレントを貼り付けて作られた木製の脛当
火に弱い
兜は毛がゴワゴワするのでやめた
視界も狭まるし
作業にも支障が出ない様に工夫もしてある
本格的な制作は家を作るが、簡単な修理なんかは野外でやるからな
いちいち家を作っていたら時間がもったいない
だいぶ眠いが、もう少し頑張ろう
この辺じゃあ、まだ安全とは言えないし、魔物は防げるが、プレーヤーは家じゃ阻めないからな
寝てる間にPK狩りされたらたまったもんじゃない
せっかくオレが必死に集めた素材を失うなんて馬鹿らしい
もうちょっと先まで行けばあいつらの生息域だからな
あそこまで行けば、何日かは安泰だろう
この時ヒロは気づいていなかった
既にこの時点でログイン限界の24時間を過ぎていることを
主人公ステータス
名前:ヒロ
種族:人間
1J:採取士Lv9
2J:生産廃人Lv9
3J:鬼薬師Lv1
スキル:採取Lv7、生産入門Lv6、斧術Lv8、石工Lv5、鑑定Lv3、解体Lv3、調合Lv7、製薬Lv7、識別Lv2、木工Lv4、切断Lv3、研磨Lv4、接着Lv3、分離LvMAX
EXスキル:メディーナ式薬学
スキルポイント:6
注、分離はレベル固定なのでMAX表示となってます