三夜~厨二病ではありませんか?~
激戦(?)を終えたここ博麗神社では二人の人物が正座をさせられていた。足が痺れたのか時折足の位置を変えている。そんな二人を見下ろす影が二つ。
「私が怒ってる理由わかるわよね?」
今優しく話しかけているのは愉快な脇巫女こと霊夢である。
「わかってるわよ」
そして今のは、正座でもカリスマを忘れない紅いロリことレミリアだ。
「なんでシキさんを連れ去ろうとしたんですか?」
彼女はブン屋の\射命丸/だ。
「お嬢様お話になられてもいいのでは?」
最後にある意味旦那の多いメイド長である。
ちなみに萃香はまだ寝たままだし、魔理沙は今俺とオセロをしてる。今のところシキが全勝といった感じ。端をとる嫌らしい戦いぶりである。
「パチェに頼まれたのよ」
パチェというのは紅魔館にいる紫もやし…じゃなくて
『パチュリー・ノーレッジ』のことである。
「どういうこと?」
霊夢が聞き返すとレミリアはわからないという風に首を横に振った。
「神社にいる外来人を連れて来て、くらいしか言わなかったもの」
「呆れた…それだけの理由で人を連れ去ろうとしたの?」
力をもて余した暇人ほど怖いものはない。霊夢がため息をしている横で文は高速で手を動かしていく。今回のことをネタにする気なのだろう。後で一部くれるよう頼んでみることにしよう。
盤面を白に染め上げて完勝したところでシキは霊夢に話かける。
「まあ、誰もなんもなかったことだし。この話はここで終わり。いいな?」
「ちょ、待ちなさいまだ話は…」
「いいな」
「はぁ、わかったわよ…あんたが良いって言うならこの話はもう終わり」
無理に話を終わらせたのだが何とかなったようだ。
「というわけで、行こうか?」
「どういうわけよ!」
何故か霊夢に耳を引っ張られてしまった。これ、地味に痛いんだが。
「いや別に、取って喰われるわけじゃないしさ」
「不安ならわたしが一緒に行くぜ」
オセロをいそいそと片付けた魔理沙がそう言った。
「そういうことじゃなくて…」
「ならどういうことなんだ?」
魔理沙の問いに答えられなくなったところで霊夢がおれた。
「わかったわ、いってくれば?」
この後、レミリア・咲夜・文は帰っていった。レミリアと咲夜は何故か足を曲げたまま帰ってしまった。俺は準備もあるので明日お邪魔すると言い二人については行かなかった。文は楽しみにしといて、と新聞を作りに帰っていった。ちなみにこの時、萃香はやはり爆睡していた。