一夜~こんにちは幻想郷~
「死んだのならしかたないな、三途の川探すか」
死んだのならしょうがない。未練はないのかと聞かれると嘘になるが、そんなに死にたくない理由もないのでこれで良いかな。と、思うのだった。
「てか、ここらへん川なくね?」
『死≒三途の川』という考えかたは間違いなのかと考えてると…
向こうから誰か歩いて来るのが見えた。
どうやら、こんなところにいるのは俺だけじゃないらしい。
「まぁ、死んだ者どうし仲良くするのも悪くはない、か」
自分で言うのもなんだがおかしなものだ。実感のないだけなのかもしれないが・・・
向かいから来る人に挨拶でもしようと近づいた時、おかしいところに気が付いた。
近づいいて来る人には頭に二本の『角』があるのだ。
たしかにここはあの世だ。鬼がいてもおかしくない。どちらかというと地獄のお迎えのようだ
などと考えてると『彼女』が俺に話かけてきた。
「ちょっと、ついて来てくれるかい?」
『鬼』に話かけられ俺は内心、天にも昇るほどに喜んでいた。
なんと!
その『鬼』はあの『伊吹 萃香』だったのだ!
死ぬのも悪くはないもんだと考えていると…
「ちょっと、聞いてるの?」
「あ?ああ!勿論ついていくよ~」
「?まあ、いいや。こっちだよ」
彼女に案内され着いて行く。説明もなしにいきなりではあるがそれどころではない。目の前の光景にうれしさで頭が回っていないのでる。
「何処に行くの?」
「神社だよ」
「三途の川じゃないのか?」
「違うよ。というか、なんで三途の河?」
「いや、ただなんとなく」
「?」
(どうやら俺はまだ死んでないらしい)
嬉しい誤算だが、新たな疑問が発生した。
「ここは何処なんだ」
「ここはね神社の裏の森だよ」
独り言のつもりだったのだが、質問と勘違いしたようだ。これ幸といくつか質問を投げかける。
「神社って博麗の?」
「そだよ~」
「君ってもしかして萃香?」
「そだよ~ところで貴方は?」
「え?」
「貴方の名前だよ」
「俺はシキっていうんだ。よろしく」
「よろしく。私は…もう知ってるみたいだから良いか」
「まぁ、神社の酒好きの鬼なんて一人しか知らないし」
「へぇ~私も有名になったもんだ」
そう答えた彼女はどこか嬉しそうだった。いや、地上にいるのはではあんさんだけでっせ・・・
そうこうしているうちに神社についた。
人も寄り付かないようなまがまがしい神社を予想していたが案外見た目は普通の神社であった。むしろ小奇麗なぐらいである。住み着いているのが守銭奴であっても巫女の使命というものは全うしているらしい。
「つーか、天子のあれで建て替えただけのような・・・」
「こっちだよ~」
どうやら俺を呼んだ人物は裏にいるようだ。建物を回り込んで裏に行くとそこに一人の紅白巫女がいた。
「ただいま~連れて来たよ~」
「ご苦労様。後は私が話すからもう良いわよ」
「あい~」
萃香は部屋にあがって行ってしまった。それを見届けると目の前の紅白巫女が俺に話かけてきた。
「こんにちは。さあ上がって。お茶も用意してあるし」
どうやら、俺は本当に来てしまったらしい。
「次元さえ超えたか…夢オチじゃありませんように」
身も蓋も無いお願いであった。
「どうぞ」
俺が来る事は予定されていたらしい。お茶とお菓子を出してもらった。
しかし、この接客の良さが逆に怖い。神社の巫女といったら貧乏で有名である。
(金を取られたりとか…)
有りそうで困る。
「どうかした?」
「いや、何でもないです。ハイ」
「まあ良いわ。ええと…あなた名前は?」
「俺の名前は『シキ』よろしく」
「シキね。よろしく、私はこの博麗神社の巫女『博麗 霊夢』よ。ちなみにあっちは…」
「さっきしたよ~」
「あら、そう。なら良いわ」
軽く自己紹介をしたところで本題に入る。
「まずはここが何処かよね?ここは…」
「いや、それは大丈夫だ」
「あら、萃香からもう聞いたの?」
「何て言えば良いのかな?ええとそうだな…」
少年説明中…
(ZUNやゲームの話を省いて)
「へぇ~じゃあここ(幻想郷)のことも少なからず知ってるのね?」
「まぁ、あんたの武勇伝もね」
「ふぅ~ん…そう…」
顔を見る限り信じていないように見える。そりゃそうだろう。たかが人間ごときが異変に気付くはずがない。信じてもらえないのも頷けるものだ。そして外界の人間ならなおのこと怪しいものだ。
「とりあえず、その話は横に置いといて…実は、今回の異変はあなたが原因なのよ」
「なっ!!本当に!?」
「ええ、本当よ」
ついに俺もゲーム化するらしい
東方妄想談
~Hentai Appear In a Dream.
定価1500円
誰も買わんだろ!?こんなクソゲー!EXは]-[|/34<#!ぐらいの性能ででお願いします!
てか、異変を起こした覚えがないぞ!!
「ちょーっとまったー!!!俺は別に、紅い霧を出したりしてないし、春度も集めちゃいない、三日に一度の宴会もしたこたねぇ、月を取り替えたこともないし、一年中全ての花を咲かすなんて出来る分けないし、信仰心を集めたこともない、ましてや地下から来たわけでもない、宝船?こっちが見てみたいくらいだな!!
・・・ところで俺が係わってる異変ってどんなんだ?」
「何であんた知ってるの!?」
どうやら自分の武勇伝を知ってる事に相当驚いたようだ。怪しむような視線がより一層きつくなる。
「だから言ったじゃん。色んなことを知ってるって」
俺がそう言うと彼女は座布団に座り直した。その顔には先ほどの疑うような感じは混じってはいなかった。が、逆に警戒されているようだ。
「本当に知ってたのね…それなら話は早いわ。今回の異変はね、あなたがこの世界に来る時に結界を傷付けた事が原因なのよ。つまり、あなたのせいね」
何と無く、彼女の言ってる事に違和感を覚えた。
「ちょと待てよ。これって紫の神隠しじゃないのか?しかも…この世界ってどういう事だよ?現代とここは結界で区切られてるだけだろ?まるで、世界自体が違うみたいな言い方…」
「その通りよ?紫も今回の事は全く関与してないみたいだから」
「うそ~ん!」
だてに次元を超えちゃいなかったわけだ。二次元←三次元
「つまり、俺は『外』じゃなくて『別』の世界から来たことになるのか?」
「紫はそう言っていたけど、本当かどうかわからないわよ」
つまり、外に出ても俺の知っている世界はないわけだ。よく似ているがまったく別の世界なのだろう。
「確かに帰れないのは辛いだろうけど。でも、ここも悪くは無いわよ?外から移り住んだ神様もいるんだし…」
「あっ、別に落ち込んじゃいないよ?」
「あら、そう?やせ我慢は…」
「むしろ、こっちにこれて良かったよ」
「なら、良かったわ。で、これからの事なんだけど…どうする?一ヶ月くらいならうちに置いといてあげるわよ?もちろんタダでとは言わないけど」
確かに彼女の申し出はとてもありがたいのだが…
「いや、確かにありがたい話なんだが…どうしてもこの世界を見て周りたいんだ」
「却下よ」
「え~」
まさかここで旅立ちフラグが摘み取られるとは。普通なら旅立ちのフラグじゃないですか?
「妖怪?」
「正解。あんたちょうど良いおやつにしか見えないわよ」
確かに見た目は細いかも知れないが、俺にも漢の意地というものが…!!
「頭から、ガブリね」
「これからよろしくお願いします」
意地より命がだいじだろ。
こうして俺は幻想郷で暮らす事にした。
これから大変なことも沢山あるだろう。
でも、頑張って生きて行こうと思う。
生きることは戦いだからな!
俺の戦いはここからだ!
皆ありがとう!!
むさち先生の次回作にご期待下さい!!!