表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/36

みおんの涙

「のぎちゃん、ごめん。私の身代わりになって、またこんな怪我をさせちゃって・・・」

面会が許され、病室に入ったみおんは、頭に包帯を巻いて寝ている乃菊に、涙を流しながら謝る。

「いいのよ、気にしないで。私には、みおんを守る義務があるだけだから・・・」

乃菊が優しく言う。

「どういうことなの?どうしてのぎちゃんが、私を守ってくれるの?」

みおんには、乃菊の言うことが理解出来ない。

「それは、乃菊ちゃんの幸せのためなんだよ。みおんちゃんは、大事な友達だから、幸せを掴んで欲しい。そのためには、みおんちゃんが元気でなくちゃいけないんだ」

国也が、乃菊の代弁をする。

「だけど、私のためにこんな大怪我しちゃうなんて、私だって、のぎちゃんにもしものことがあったら・・・」

みおんにとっても、乃菊は大切な存在になっていた。

「田沢さん、みおんちゃんを頼みます」

田沢が国也に促され、みおんを連れて外へ出る。

「私といたら、のぎちゃん、死んじゃうかも。のぎちゃんにとって、私は、疫病神なのよ!」

みおんは、すべてが自分のせいだと思っている。

「違うよ、乃菊ちゃんにとって、みおんが、本当に必要だから、守ってくれてるんだよ」

田沢も、乃菊の行動が、ただの正義感だけではないと思っている。

「命を賭けてまで守る人間なの、私なんかが・・・」

泣き止まないみおん。

「そうだよ。守りたいんだよ、みおんが・・・」

田沢がみおんの両肩を掴む。

「だけど・・・」

みおんの顎を右手で持ち上げ、軽く口づけをする田沢。

「これからは、僕がみおんのことを、ちゃんと守るよ・・・」

もう一度、田沢は、みおんを抱き寄せ、熱い口づけをする。みおんも腰に手を回し、涙を流しながら唇を合わせる。


二人の様子を見ていた国也は、安心して乃菊のところへ戻る。

「みおん、どうだった?まだ落ち込んでる?」

乃菊が聞いた。

「大丈夫だよ、田沢さんがいるから・・・」

国也は、一人で満足している。それが気になる乃菊である。

「ねえ、大丈夫って、どんなふうに?」

乃菊が追求する。

「心配いらないよ、二人は、ちゃんと・・・」

国也が言葉を止める。

「ちゃんと、何?」

中途半端な国也に、乃菊の不満が膨らむ。

「その先は、プライベートに関わるから・・・」

含みを持たせた返答に、イライラする乃菊。

「プライベートって、自分は、見たんでしょ!」

乃菊が止まらない。

「見たけど・・・言えない」

国也は、口が堅い。

「キスしてたの?」

誘導尋問。

「・・・」

口が堅い。

「キスしてたんだ。やったね、みおん!」

嘘をつけない国也。返事をしなくてもすぐにばれてしまった。

「いいな、いいな、みおんちゃんって、いいな・・・」

乃菊は、歌っているかのように言う。

「むううっ・・・」

乃菊が唇を尖らせる。

「何?」

指で唇を差す乃菊。

「怪我人が、何してるの?」

それでも、唇を尖らせる乃菊。

「しかたがないなあ・・・」

国也は、寝ている乃菊に顔を近づける。

「痛たたたた!」

唇を尖らせているだけで頭が痛くなり、乃菊は横を向く。

「早くしてくれないから・・・」

また怒られる国也。

「退院したら、毎日、欧米式の挨拶してやるううう・・・」

国也は、それを聞いて苦笑いする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ