マクロコスモス、ミクロコスモス。
私はどうしようもなく独りだった。
この狭く小さな箱庭に安息を求めてなお、広大なる宇宙の孤独からは逃れることはできなかった。
期待を寄せてくれる両親がいる。
他愛のないことをだべり合う友人がいる。
あらゆることを授け、見守ってくれている師がいる。
伸ばした手を取ってくれる人が、発した声を聞き届けてくれる人がいる。
しかし、ただ一度、たった一人と、その距離を測りそこねた時。
それらは宇宙の広がりの如く離れてしまった。
彼らの声はひどく一方的で、どんなに手を伸ばしても、どんなに声を張り上げても、小さな宇宙に浮かぶ私の、小さな主張は届きそうもなく。
彼らが与えていると想っているぬくもりは、小さく広大な隙間に飲み込まれて、私は独り、宇宙の冷たさに震えている。
体と心と、寸分違わず同じ所にいるはずなのに、隔てられたこの距離は、月よりも遠かった。
疲れた私は、何を感ずるでもなく、誰に理解を求めるでもなく。
だた一つの、何者とも違う、小さな小さな個を、ぽっかりと穴の開いた、真空の心に浮かべてしまったのだ。
駅から出ると、月が一人、濃紺の空に浮かんでいた。
家につくと、周りを小さな、星が囲んでいた。
こつんとひとつ、言葉が降ってきた。
誰の言葉か、誰の心か分かったものではないが。
やけに寂しく、輝いていた。
そんな詩