ポーチの中には目薬。(二百文字お題小説)
お借りしたお題は「ポーチの中には目薬。」です。
二度寝の恐ろしさを痛感しながら、私は大通りへの路地を息を切らせて駆けた。
大事なプレゼンの日だというのに寝坊をするなんて、またあのお小言課長に膨大な嫌味を言われそうだ。
強烈なストレスで胃が痛くなる。
携帯で時間を確認しながら、ちょうど来たタクシーを停めて乗った。
給料日目前で痛い出費だが、遅刻するよりはマシだ。
ところが天は我を見放していた。
手に持っていたのはポーチのみ。
ポーチの中には目薬。
助けて、神様!
お粗末ですねえ、相変わらず。