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先祖返りの吸血鬼は、気ままに研究がしたい  作者: 月輪林檎
領主

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魔力生成結晶

 翌日。必要な素材を集めて、魔力生成結晶に一番適した素材を探していった。ある程度必要な素材の目処は付いているので、そこまで手間取る事はなく集める事が出来た。

 素材となる魔物も【無期睡眠】で捕獲しているので、何度か試作する事が出来る。

 今回試作する場所はセレーネの工業区だ。元々ここに設置する予定だった事と人が来ないという点から選ばれた。

 調合はセレーネが担当する。新しい錬金術を安定して扱えるのがセレーネだけだからだ。

 四度の試作の後、最も適した形を見つけ出した事で、セレーネ達は魔力生成結晶を完成させた。中心巨大な魔力生成結晶を配置し、そこに直接繋がるようにして、大型の魔力結晶が四つ付いている。

 それら全てに共通しているものは、魔力を溜め込む事に加えて、一定以上の魔力が溜まれば、周囲に発散させるという事だ。

 これはリーシアがセレーネに施している封印から着想を得て開発したものである。基礎にリーシアが作ったものがあるため、かなり安定している。これで結晶が割れる事はなくなる。

 また魔力をより多く溜め込むためにドラゴンの骨などを材料に加えていた。


「生成量は試算通り。貯蔵量も試算通り。一定以上に達したら、ちゃんと霧散してるね。気になるのは、ユニコーンの骨と比べて、魔力の質が悪い。まぁ、普通なだけなんだけど」

「ユニコーンの命を使っているとしたら、聖獣の力を利用しているという事になるのだから、通常の魔物を利用した形では全く同じには出来ないと考えられるわね。実際、魔物の種類によって仕上がりが変わっていたでしょう?」

「うん」


 テレサの言う通り、魔物によって多少の差異はあった。現状、カルンスタイン領周辺の魔物であれば、ブラックカウが一番適しているという事になっているため、素材はブラックカウにしてある。

 この点からユニコーンの命を利用したあの骨はかなり特別なものなのだと考えられた。


「それじゃあ、あの骨と同一のものは本当に難しそうだね」

「そもそも浄化効果を持つ骨ですので、その点も違いに含まれるかと」

「ああ、なるほど。そこもあったか……まぁ、そこは魔術で再現すればどうにかなるだろうけど、今はユニコーンの骨があるから、態々作る必要はないかな。それじゃあ、後は誘導魔力結晶でここの魔力を工場に繋げて利用出来るようにしていこう。ちゃんと誘導魔力結晶で誘導できるかどうかも調べたいし」

「なら、私は自分の研究に戻るわね」

「うん。ありがとう。フェリシア」

「どういたしまして。また何か必要だったら言って頂戴」

「うん」


 魔力生成結晶が完成した事もあり、フェリシアは自分の作業に戻っていった。テレサとナタリアは、何が起こっても良いように待機している。

 セレーネは事前に作っておいた誘導魔力結晶を使って、魔力を自分の工場に繋げる。常に供給状態にしておくと、起動していない時に魔力が過剰に溜まり過ぎる可能性があるので、工場の環境維持には常に供給しその他の魔力は工場内の魔力結晶に繋げる。この魔力結晶には、魔力生成結晶に繋がっている魔力結晶と同じように魔力の発散機能を付けている。

 この辺り一帯の環境維持のための魔術陣がいくつもあり、その魔術陣は周囲の魔力を吸収して機能している。工場内だけでなく、その周りの環境維持も誘導魔力結晶で全て誘導せずとも維持出来るという寸法だ。

 工場内の環境維持だけは、直接誘導魔力結晶で補給するという形にしているのは、確実に維持出来るようにするためである。


「よし。これで工場の維持は出来るね。環境も維持されるから、一々調整する必要もない。後は生成量が足りているかどうかの確認だ」


 セレーネは、すぐに魔力生成結晶の状態を確認しに向かう。魔力生成結晶は、その周囲に大量の魔力を放出し続けている。


「消費量よりも生成量の方が遙かに上回ってるね。ちょっと多くし過ぎた?」

「いえ、これから工場をフル稼働にする事を考えれば、多いくらいが丁度良いかと恐らく、これでも生成量の方が勝るはずです。貯蔵する魔力もありますので、そう簡単に枯渇はしないでしょう。ひとまず後は経過を見る形で進めていきましょう」

「うん。記録したものはどうする? うちで保管するで良い?」

「はい。発表はしませんので」


 後は時間経過で魔力生成結晶がどうなるかを見る事になる。更に工場を稼働した状態でどうなるのかの観察も行う。ナタリアが魔力生成結晶を見張り、状態を記録していく。

 その結果、魔力生成結晶が枯渇するという事はなかった。一時的に生成量を上回る消費量になる事もあるが、その消費が継続する訳では無いので、すぐに逆転して再び生産量が上回るようになる。一瞬の消費で減るくらいなので問題ないというように考えられた。


「よしよし。良いね。この感じなら、私の工場はこれで魔力が賄えるし、吸収が足りないって事もなくなる。これを学術都市にも設置した方が良いかな?」

「そうですね……教員塔の最上階に設置して全体に広げるという形か、地下に設置し地面から広げるかが良いと思いますが、足りない魔力を補う方法を学生に考えさせるという方法を有りだと思います」

「なるほどね。確かに、思考する事を辞めさせるみたいになりそうだから、その方針でいこうかな」


 ひとまず魔力生成結晶は、セレーネの工業区にのみ設置する事になった。今後このまま継続して使えるようであれば、他にも使い道を探すなどするが、これを世間に発表する事はまだ控えるというのが総合研究室室長のナタリアの考えであるため、それに従う事になる。

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