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先祖返りの吸血鬼は、気ままに研究がしたい  作者: 月輪林檎
領主

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鳥型ゴーレムの改良

 魔王に関する情報をまとめたセレーネは、次に魔王が率いていた群れの素材を調べていた。魔王の群れの中から新たな魔王が生まれる可能性。そんな論文があるとナタリアから聞いたため、その情報がどの程度正しいのかを確認するためだ。

 今日はマリアとミュゼルが手伝っている。しっかりと汚れても良い服を着せて、解体作業などを行っている。


「思考機追加!」


 分析する対象が多いため、セレーネは即席で思考機を作り出し設置する。


「そんな簡単に作ったので大丈夫?」

「大丈夫。コアは最初から出来てるから。よいしょっと。良し。分析開始」


 分析結果は、ミュゼルが回収してまとめていた。


「ミュゼル大丈夫?」

「え? う、うん……大丈夫だよ?」


 目の前で魔物の内臓をぐちゃぐちゃと弄っているため、ミュゼルの気分が悪くならないか、セレーネは心配していた。だが、ミュゼルは特に気にした様子はなかった。無理をしているという様子もない。

 そのため、セレーネはひとまず安堵しながらもミュゼルの様子を気にするようにしていた。


「脳にも影響はなさそうだね。心臓にも魔力結晶は生えてない……あの仮説は違うのかな。ただ単純に魔王の威光に引かれて付いてきたって感じになるかな」

「心臓に魔力結晶があるっていうのは、魔王になるというよりも魔王になった後じゃない?」

「う~ん……じゃあ、あの仮説はどうやって証明したら良いんだろう? 完全に理論だけで実証がないんだよね……ミュゼル、魔力の値はどう?」

「え、えっと……既存の情報との比較をしたけど……個体による誤差の範囲から抜け出すようなものはないよ……?」

「そっか。まぁ、必ず現れるってわけじゃないから、そこは仕方ないって考えようかな。さてと、ミュゼル情報を整理しておいてくれる?」

「う、うん……!」

「後は、これを片付けて終わりかな。マリアよろしく」

「よろしくじゃないでしょ。ちゃんと手伝いなさい」

「は~い」


 マリアに言われて片付けをしっかりとしたセレーネは、今度は魔王に破壊された鳥型ゴーレムの製造に移った。


「耐火性をあげるか……」

「魔王対策をするの? でも、ドラゴン限定過ぎない?」

「そっか……それなら速度を上げられる方が良いかな。【装甲結界】を破壊されるような攻撃力に耐えられるような装甲の方が難しいし。お姉様に風魔術を教えてもらおうかな」

「セレーネは、【流線結界】があるじゃない。あれを主軸に開発すれば良いわよ」

「あれ? お姉様」


 テレサに教えてもらおうと思っていたセレーネは、突如現れたテレサに驚いていた。テレサは、ルリナを連れてセレーネが作っている鳥型ゴーレムを見ていた。


「これが偵察用のゴーレムなのね」

「うん。これが見た光景が【投影結界】に映し出される感じ。二つとも破壊されちゃったから、新しく作ってるの。【流線結界】はあるから、別の風魔術で急加速をしたいの」

「それこそ【流線結界】を中心に開発するのが良いわ」

「…………お姉様何か開発したでしょ?」


 テレサがひたすらに【流線結界】を推してくる事で、セレーネはテレサが【流線結界】を中心に何かを開発した事に気付いた。


「まぁ、【流線結界】を使ったのは間違いないわね」

「つまり、【流線結界】を使ってそういう事が出来るって事ね。う~ん……結界で風除けだけじゃなくて……避けた風を利用して、推進力に変える……避けた風をゴーレムの羽の後ろで推進力となる風にするなら……」


 セレーネが呟きながら頭の中で構築を始めていくので、マリアは紙とペンを用意してセレーネに渡す。セレーネは、専用の魔術陣を描いていく。


「ここはノイズになるわ」

「でも、こっちで風の増幅を担うなら、ここで処理を加速させないと」

「増幅と処理の加速は、同時に出来るわよ。これで増幅の処理加速が出来るわ」

「おぉ……凄い整ってる」

「寧ろ、こうして綺麗にしないと機能しないのよ。大分詰め込むから、こっちの方が良いわ。それに風の当て方を調整出来るようにした方が良いわね。上下の移動を素早く出来た方が良いでしょう?」

「なるほど……【思考演算】の調整もした方が良くなるね。攻撃を避ける際に風の方向を決める形……こっちで自由度を高めておけば、【思考演算】での調整もしやすいだろうし……うん」

「そういえば、【流線結界】を利用して炎を風で誘導するとか出来ないの?」


 二人の話を聞いていて、ふと疑問に思ったマリアがそう言うとセレーネは少し考える。頭の中でシミュレーションして、それが可能かどうかを判断していた。


「う~ん……多少は誘導できるけど、本質が阻む事にないから無理だと思う」

「そっか」

「でも、炎が来た時に誘導を強くすれば、多少マシになるかも。一応取り入れようかな」


 無駄かと思われたマリアの考えだが、ある程度の対策にはなるかもしれないという事で取り入れられる事になった。


「風の方向は前にも出せるようにした方が良いわね」

「ブレーキ?」

「ええ。急停止するのに風を利用すれば、正面から来る敵への対策にもなるわ。上手く活用すれば、その炎への対策にもなると思うわよ」

「ああ、なるほど。【流線結界】である程度誘導しつつ、そっちに風を出して急停止。その風で炎がある程度分断されている間に、上下どちらかに向かって急速移動すれば、避けられる可能性が高くなるね。こんな感じか……コアの調整もして飛行試験かな」


 風魔術のスペシャリストであるテレサが加わった事で、鳥型ゴーレムは大幅に改良される事になった。それでも魔王に対しては、まだ物足りないレベルだが、魔王に対して優位に立てるようなゴーレムを作るのは、まだ無理があるため、少しずつ改良をしていく事になった。

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