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先祖返りの吸血鬼は、気ままに研究がしたい  作者: 月輪林檎
領主

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セレーネの工場

 翌週。セレーネは工業区の奥にある自分専用の工業区へと来ていた。壁の建設が終わり、工場の外枠も完成しており、後は中に魔術機械を設置するだけだった。

 セレーネは、そこにスライムの生産用の魔術機械を設置していく。工場で使うためにある程度仕様を変えている。ラインを作っており、作られたスライムが瓶に入れられて箱に梱包されるようになっている。


「瓶割れないかな?」

「緩衝材が入れられている箱ですから、ある程度は問題ないと思います。箱も専用のものを認識するように作っていましたので、ここで割れる可能性は少ないと思いますが」

「でも、実際に使うのは今日が初めてだもん。不具合があってもおかしくないでしょ? 今のところないけど」


 何度も見直しをしているので、不具合を起こす確率はかなり減らせている。だが、実際の試運転しているのは、今日が初めてなので理論上での話でしかなかった。そのためにセレーネも少し心配になっていた。


「う~ん……いつまでも見てても仕方ないし、次の魔術機械を設置しようか。肥料を自動で作るこれがないと量産して売り出すのも無理があるしね。研究員が増えてくれたら良いんだけどね」

「そちらは現在家畜の病気用の薬を開発していますので、あまり余裕はないそうですね」

「まぁ、そこは仕方ないしね。頑張って機械で出来るようにした甲斐があるって感じかな。治癒薬よりも簡単にできる感じだし。ちゃちゃっと設置しちゃおう」


 セレーネはちゃちゃっとと言うが、実際には三時間掛けてしっかりと設置していた。集中し続けていたセレーネに時間感覚はなく、そこまで時間が経っている事にも気付いていなかった。

 そこから試運転を始めて、肥料がしっかりと出来ている事を確認し、大量生産への目処が立つ。試運転で見られる事をしっかりとメモしていき、改善点などをまとめていった。


「うん。ひとまず、これで大量生産が出来そうだね。もう少し生産速度を上げられそうだけど、部品の見直しが必要になるかな。どう思う?」

「この程度で良いと思いますが」

「まぁ、考えられる範囲で言えば、これ以上の速度にしたら部品の摩耗が心配になるしね。一応、改善可能って感じで残しておこうかな。今のところはこんな感じかな。マリアナのところに行こう」

「はい」


 工場の魔術機械を停止して、セレーネはマリアナの執務室に向かう。

 工場は管理する人がいないために、稼働させ続けていると異常が起きた時に対処する事が出来ない。下手をすれば、工場が爆発する可能性もあるために、機械は停止しておく必要があった。

 セレーネがマリアナの執務室に入ると、マリアナが書類の確認をしているところだった。その中でもセレーネの来訪に気付いて、書類を机に置く。


「セレーネ様。どうなされました?」

「肥料の大量生産に目処が立ったよ。ちゃんと稼働する事も確認済み。これで売り出せるよ。先にスノーホワイト公爵領とグリーン公爵領に卸すって形で良いんだよね?」

「はい。ちゃんと流通ルートは確保してありますので、そちらに連絡を送りますね。一度に卸せる量はどのくらいありますか?」

「週一で売るとして、一日に稼働する時間をこのくらいって考えると、大体このくらいかな? ユイとかに頼んだら、もう少し作れるかな」

「なるほど。では、その半分で売りましょう」

「良いの?」

「こちらで使う分も残したいので、全てを卸す必要はありません」

「そっか」


 セレーネが作るからといって、レッドブラッドでは無料で使えるとは限らない。この辺りは、セレーネも了承している。レッドブラッドの住民の特権としても良かったが、あまりやり過ぎると調子に乗られる可能性があるとマリアナは考えていた。


「スライムの方も設置したのですか?」

「うん。こっちは月の桜桃に出す用のものだけどね。これで保湿スライムと掃除スライムと温調スライムが売りに出せるかな。ここの住民が増えてきたから、月の桜桃も本格稼働になるかもね」


 本格的に街として機能し始めた事もあり、スライムの売り出しも始まる事になる。王都での好調な売り出しもあり、ここでも順調に売る事は出来ると考えている。


「スライムを他の領でも売る事を考えると、月の桜桃で店員を募集する必要がありますね」

「あ、うん。リーナ達がもう募集して面接とかもしてあるから大丈夫。スライムを扱う上での注意事項をあの子達は全部覚えてるから」

「それなら良かったです。スライムの販路に関してもこちらである程度整えてありますので、その時になったら共有しますね」

「うん。お願い。そういえば、ヒナタ様とかヒルデ様からスライムに関する苦情みたいなのは来てないよね?」

「はい。問題はなかったと考えて良いと思います。お二人の話題で思い出しました。セレーネ様に次の会合のお知らせです。今度はルージュ閣下もいらっしゃるようですので、把握をお願いします」


 マリアナから会合のお知らせを受け取ったセレーネは日時と場所を確認する。


「またうちなの? 私が王都に行くって選択は?」

「まだ開発中ですので。それとルージュ閣下は、陛下の名代として視察も兼ねているそうです」

「えぇ……本当だ。まぁ、大丈夫だと思うけど、分かった。返事の手紙はヒナタ様宛に出せば良い?」

「はい。お手紙を書き終えましたら、私の方に送ってください。こちらで出しておきます」

「うん。ありがとう」


 次の会合が決まったため、その日のためにセレーネは仕事を終わらせられるように動く事になる。レッドブラッドの視察も兼ねられているので、その点からも動く必要があった。

 その中には、ユニコーンの問題も含まれている。

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