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先祖返りの吸血鬼は、気ままに研究がしたい  作者: 月輪林檎
領主

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地下道開通

 翌日。ユニコーンの世話をリーナ達に任せたセレーネは、マリアと共に地下道の方に来ていた。


「セレーネちゃん!」


 地下道の中に入ったセレーネを迎えたのは、先日帰って来たシローナだった。大量の素材を持って帰って来ており、さすがにナタリアとマリアナで話し合って、報酬を支払う事にしていた。シローナ自身はそこまでされるような事をしていないと認識しているため、多少揉めたが、通常よりも低い報酬で納得した。


「シローナちゃん。地下道がそろそろ開通するって話だから視察に来たよ」

「うん。お母さんから聞いてるよ。今は開通する場所の安全確認とか補強とかをしてる感じかな。先に格納庫兼整備所兼搬入口の確認をして貰うようにってさ。帰って来たばかりなのに、人使いが荒いよね。ささっと見ていこうか。確認するべきポイントは聞いてあるから。地下道自体の視察もあるだろうしね」


 いつも通りのシローナのマシンガントークを受けながら、セレーネはシローナに付いていって視察を始める。


「道具も使えるようになってるね」

「うん。すぐにでも製造や整備が可能になってるよ。荷降ろしの時に使うためのスロープも準備してあるから、ゴーレム達が転ぶ事もないよ。セレーネちゃんが作った排水機構も取り付けてあるから、水が溜まりすぎる事もないかな。あそことあそことあそことあそことあそこに監視用の撮影機を設置してあるよ。後は出入口にもね。監視室は休憩室の奥に設置されてるよ」

「なるほど。スロープの視点はなかったかも」


 スロープに感心しながら、セレーネは撮影機の角度などを確認する。見る事が出来る範囲は決まっているので、現在の設置位置から生まれる死角が分かる。


「基本的に出入口は死角にならないね。裏口とかも特にないから、大きな問題にはならないだろうけど要注意かな」


 死角を確認した後、セレーネは休憩室と監視室を見ていく。


「休憩室は拡張した感じ?」

「うん。こっちの扉は仮眠室ね。ここに住み込む事は想定してないけど、ある程度休める環境を整える感じだよ。こっちが監視室ね」

「こっちも軽く拡張してある」


 休憩室同様に監視室も予定より広くなっていた。休憩室は仮眠室も追加されるといった事があったが、監視室はただ単に広くなっただけだ。その分【投影結界】が大きく展開されている。

 セレーネは調整していないので、リーシア達が改良したのだと分かる。


「うん。見るべき情報が多いから【投影結界】を広げて、より見やすい状態にしたよ。これなら素人でもしっかりと分かるでしょ? 本当は異常があったら、勝手に感知してくれると良いんだけどね。さすがにそこまでの機構はまだ難しいかな。判断基準を設けたとしても、どこまでその判断を思考機に任せるのは厳しいと思うからね」

「うん。私もそう思う。侵入とかの判断ならまだ出来るとは思うけど、それ以外の基準が必要になるとかなり厳しいかな。ここで働く人達には、ここの整備員の証である証明書を発行するから、それを基準にするって手もあるけど、盗まれた場合の判別方法がね。思考機に取り込んでおいて、顔の認証で判別するとかは出来なくはないけど、辞めた時の情報の削除とかを徹底しないと意味がないからなぁ」


 セレーネが全ての情報を扱うのであれば、これでも問題はないのだが、ここを扱うのはセレーネはない別の人であるために、情報管理の問題が生じる。思考機を使った仕事は全く普及していないために、こういった情報管理の問題が足を引っ張る。


「仕事の一環として、しっかりと周知させれば良いと思うけどね。ここの経営は領が持つわけだし、下手な仕事したら即行解雇になるから十分だと思うよ」

「う~ん……じゃあ、ちゃんと認証の機構を作るかな」


 実際領で使うものなので、ここの雇用などは全てセレーネ達が管理する事になっている。セレーネが主に管理するわけではなく、マリアナやフィアンナが管理する事になるだろうが、それでも忖度などをされるといった事はないと予想出来る。それだけマリアナやフィアンナが信頼出来るという証だ。

 定期的に雇用状態と内部の思考機を確認して、違反があれば情報管理の仕事を担っている者へ処罰を施すという形になる。

 それもこれもセレーネが顔認証の機構を作ればの話だ。これは簡単に作る訳にもいかず、しっかりと顔を認識して本人である事を調べられる機構となる。多少時間が掛かると予想された。


「道具の稼働は?」

「確認済みだよ。えっと、これが確認事項の一覧かな。お母さんと私で確認したから」


 シローナから確認事項の紙を受け取ったセレーネは、その内容を見ていく。


「うん。全部問題なかったみたいだね」

「だね。それじゃあ、お母さん達のところに行こうか。最初は魔動列車の方からね」

「うん」


 セレーネは、魔動列車の方から調べて行く。道中の壁にある魔術陣なども歩きながら不備がないか確認していた。セレーネとしては、リーシア達の仕事なので、特に何も問題ないだろうと考えているが、念のための確認だった。

 そうして歩いていると、正面で作業をしているリーシア達の姿があった。


「リーシアちゃん!」


 リーシアを見つけたセレーネはすぐに駆け寄る。セレーネを受け止めたリーシアは頭を撫でながらシローナを見た。シローナはすぐに頷いて返す。しっかりと確認は済んだという確認だった。


「これから歩行者側の開通をするところです。こちらでも積み込み等をする搬入口などを作る必要があるので、本格的に使えるのはまだ先ですね」

「そっか。まぁ、物資輸送のためだから必要だもんね」


 こちら側にも同様の施設を作る必要があるが、既に完成済みものがあるため、そちらと全く同じように作れば良い。

 そのため、こちらでの作業は格段に時間短縮できると考えられた。

 その後、ミーシャによる開通を見守る。多少危険な作業となるため、シローナとカノンによりセレーネを守る結界が張られた。特に大きな問題もなく開通は成功し、港街とレッドブラッドを繋ぐための地下道は出来た。後は 物資輸送用の魔動列車が通れるようにするだけだった。

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